橋長戯言

Bluegrass Music lover, sometimes fly-fishing addict.
橋長です。

EHAGAKI #250 ≪組織の土台≫

2012年05月10日 | EHAGAKI
グレイトフルデッドのビジネスレッスン#

 

お世話になります <2012/05/10 06:24:26>

前回(3/31)からすこし間があいてしまいました

そんな中じっくりと読んだ本があります
「グレイトフルデッドのビジネスレッスン#」という本です

昨年12月「グレイトフル・デッドに学ぶ」という本について書きましたが
それに関連した本です
EHAGAKI #243 2011.12.16

今回のお題は「彼らの長く奇妙な旅が紡ぎ出す「超」革新的な10の教訓」であります

■戦略的インプロヴィゼーションをマスターせよ#1
■自らの価値観に従って実践せよ#2
■顧客に親切であれ#3
■コンテンツをシェアせよ#4
■ビジネス部族を形成せよ#5
■インソース(内製)を実行せよ#6
■イノベーションを継続せよ#7
■リーダーシップを通じて変化せよ#8
■権限をシェアせよ#9
■経験経済を有効に活かせ#10

※橋長注)
多くの情報が詰まった中からごく一部の内容しか取り上げておりません

 ■ ■ 

■戦略的インプロヴィゼーションをマスターせよ#1

「戦略的インプロヴィゼーション~プランを練りながら行動し

即時に修正を加える能力~が組織を動かすカギとなる。」

“ミスしなかったらそれがミス”もしその演奏が完璧なら

違う表現を逃した証拠である これは即興演奏(アドリブ、インプロヴィゼーション)についての格言だそうです

時代の転換点であります まだ見えていませんが 新たな価値観へ移行することは間違いないと思います 

その流動的な状況がを受け入れる能力、即興(インプロヴィゼーション)の力が必要とされるのでしょうか

 ■ ■ ■

■自らの価値観に従って実践せよ#2

「強固な企業価値観を持ち、社会的意識の高い行動を実践せよ。

なぜなら正しい行いというだけでなく、利益につながる行為だからだ。」

先月の私の誕生日に嫁と愚息からプレゼントされた“The Grateful Dead Movie” というDVDの中で

ジェリー・ガルシアが「自分の価値観で決めることはやめた」と語っていました

本書の中では

「自身の価値観に焦点を絞ることこそが、彼らが長きにわたって必死にビジネスで出来た唯一の理由といえる」とあります 

これは矛盾しているのではなく「価値観の共有」というグレイトフルデッドの基本の考えに沿ったものであります

ファンを正当に扱い大切にする「死ではなく生、悪ではなく善」という価値観を目標としているようです

 

 ■ ■ ■ ■ 

■顧客に親切であれ#3

「顧客に親切であれ。高品質の商品やサービスを提供し、

彼らの関心事に気を配れ。そうすれば、生涯の顧客になってくれる。」

良い演奏、音響、安いチケット代を追求 演奏は即興で毎回違う

演奏を聴いているとよくある「クライマックスで盛り上がり完全燃焼!」という感じではなく

「続く」ステージ!集中しなくても聴ける音楽 音はあくまで空気を伝わってくる感覚であります

一度ファンになってしまうとその魅力にとりつかれるようです

その為の努力としてバンドはファンにニュースレターを送り続けたようです

よくある年会費を徴収してファンクラブをつくるのではなく無料で情報発信したようです

本書の中で「顧客は高く評価すべき資産」と定義しています

 

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■コンテンツをシェアせよ#4

「クリエイティブなビジネスでは、希少性より親しみやすさが価値を生む。

自分の知的財産をシェアせよ。自分の仕事について人々が知れば知るほど、利益を得る方法も増えていく。」

無料 シェアする 今でこそ我々も理解できるマーケ手法ではあります 

コンサートを無断で録音する まぁ私も経験ありますが グレイトフルデッドの場合仕方なくそれを一定のルールで公認したのです

本書によると

「重視すべき相関関係は、親しみやすさのもたらす価値であって、希少性がもたらすものではない。」と、

ジョン・バーロウは言う。

「アダム・スミスは、少なく作れば作るほど、価値が上がると教えている。物理的にはそれはそうだろう。

しかし、我々はテーピングを規制できなかったし、それにオンラインでは規制出来ない。

インターネットではそんなことは無理なんだ。

しかし、こういうことはありうる。もし私が自分の曲を20人に無償で提供したら、そして彼らもさらに
20人にシェアしたら、あっという間に誰もが私のことを知ってくれて、クリエーターとしての私の価値も劇的に上がる。

これこそがデッドからの価値ある提案だ。」 と

 

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■ビジネス部族を形成せよ#5

「消費者部族のパワーを利用して、顧客とコラボし、パフォーマンスを向上させ、収益をあげよ。」

熱狂的なファンとコラボレーション 仲間として敬意を表し信頼する 帰属意識を育てる

グレイトフルデッドのファンは「デッドヘッド」と呼ばれます 

バンドはそのデッドヘッドに対し「共生娯楽組織」と位置づけ互いに不可欠な存在であること求めました

 

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■インソース(内製)を実行せよ#6

「インソースせよ~可能な限り多くのビジネス機能を社内に持ち、創造のプロセスを自らコントロールし、

顧客をハッピーにすることで収益性を向上させる。」

アウトソーシングではなくインソース グレイトフルデッドという組織は

たとえばツアースタッフなども ツアーの期間だけ雇うのではなく通年採用としました

またレコードの製作、チケットの販売も直接自分たちで行う道を選びました

多くの失敗・損失を重ねながらも 新たなビジネスモデルを形成したのです

どんな組織もそのコアコンピタンスをアウソソーシングすべきでないことは当然ですが

バンドから派生する“仕事”をコアコンピタンスに育てていった訳です

 

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■イノベーションを継続せよ#7

「時代の先を行くために失敗や損失を恐れずに継続的にイノベーションを起こせ。」

実際かなりの失敗を重ねていた様です 「より良いモノを提供する」という組織の価値観が

リスクを恐れず継続するモチベーションであるようです

 

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■リーダーシップを通じて変化せよ#8

 

「変革のリーダーは、組織内を結束させ、人々を鼓舞して偉大であれ。」

ジェリー・ガルシア
「俺はグレイトフルデットのリーダーじゃないし、そういうのじゃない。

リーダーなんか必要ない。なぜなら誰もがリーダーだから」

マリア・マルダー
「彼は人を惹きつけるのよ。より好んだりしない。

彼は、今、いくつかの世代にある偶像や教祖になりたいなんて言わないのよ。

でも私は、彼のそういう控えめなやり方が、彼自身を高いエネルギーを発する楽器にしているのだと思う。」

ピーター・ローワン
「ガルシアと一緒に演奏したら、能力の限界まで連れていってくれる。」

「お互いにそうだと思うけれどね。彼は、共に演奏したいプレイヤーと一緒だと能力の限界までジャンプできると感じていた。

彼が演奏しているときは、全くエゴを感じなかった。」

あこがれます カリスマです 見習いたいものです

 

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■権限をシェアせよ#9

「横並びの組織構造は、よりよい意思決定と従業員のロイヤリティを生む。」

意見を聞く 反対意見があればその案はとりやめ

リーダーシップそのものも共有するということを実践したようです

 

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■経験経済を有効に活かせ#10

「顧客の人生をよりよくするために、本物の体験を提供せよ。」

ジェリー・ガルシア
「俺たちが特別優れているわけでもあるまいしね。」
「ただ、本気であることは並はずれているよ。」
「俺たちは、やる気を削ぐような経験を乗り越えて耐え抜くことに決めたのさ。」

 

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■書籍紹介分

グレイトフルデッドのビジネスレッスン#
バリー・バーンズ (著), 伊藤 富雄 (翻訳)
\1,764.-

内容紹介
「ユーザーはパートナー」「世界をよりよい場所にするには」

――現在の私達に大切なことを彼らはとっくの昔にやっていた!

企業組織論、フリーミアム、シェア、社会貢献、リーダーシップ、ロイヤリティ、コミュニティ、インタラクティブな顧客関係――

カリスマバンドが実践してきたビジネスメソッドの真髄を、経営学教授でデッドヘッズの著者が、

歴史的検証と多くの証言を交えて事例と共に詳細に解説。

伝説のロックバンド、グレイトフルデッドが実践してきたビジネスメソッドの真髄を、

歴史的検証と多くの証言に基づいて詳細に解説。

単なるロックバンドの一時的な流行についてなどではなく、ファン(顧客)とのインタラクティブな関係をいかに構築し、

維持し、改善していくことでビジネスとして成り立たせるかを知る、

ソーシャルネットワークが社会の基盤となりつつある現代においても最良のケーススタディとして活用できる。

キーワードで表現すれば、「企業組織論」「フリーミアム」「シェア経済」「社会貢献」「リーダーシップ」「ロイヤリティ」「コミュニティ」「実体験」

といったところだが、ネットが登場するはるか昔から実践していたことに驚くとともに、

我々が学ぶべき教訓というものが、時代が変わっても本質的には変りないことがわかる。

我々がビジネスをする現代とはどういう背景を持っているのかを知ることができ、

本書は社会学的にも非常に参考になる1冊。

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ということでした

自分たちのルーツに忠実に本気で取り組むことが土台である ということですね

「安全な住まい、命を守る住まいを提供する。」

ということを土台としてお客様とのコミュニケーションに本気で取組みたいと考えております

 

                        ではまた