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「早いものでもう12月(師走)ですねぇ」 という声が聴かれる今日この頃です
時の流れが“早く感じる”のは年齢的なものなのか それとも 情報が氾濫している現代に頭がついていけなくなっているのか
さて 知人が本を上梓されました
大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメント (マイナビ新書) | |
著者:白鳥 美子 | |
マイナビ |
今回のお題はこの本の目次+最後の宮大工と称された棟梁 西岡常一氏の言葉を組み合わせてみました
■ ■ ■ ■ ■
序 章 プロジェクトの基本とは
プロジェクトマネジメントに、大工の棟梁の知恵が生きる理由
プロジェクトを構成する三つの要素
家づくりは、まさにプロジェクトだ!
第一章 強いチームづくりに役立つ、棟梁の経験則
どんなメンバーが来ても動じない
圧倒的な存在感を示せ!
適材適所。メンバーは十人十色
チームづくりに嵐はつきもの
コミュニケーションで大事なこと
去る者は追わず、来るものは拒まず
評価するのはやり方ではなくて結果
■木にはくせがありますのや。こんな柱でも、みなくせがあります。この木は右による、これは左によるというふうに。木のくせを見抜いて、右によるというのは寄らせないように、左に曲がるのはそうならないように、うまく抱き合わせて組みあげていかなあきませんのや。
■一本一本違った性質なんやから、同じ形にしたら無理が出ますわ。ですから、そうしないで、それぞれの特徴を見抜いて、一本ずつの個性を活かしてやってるんですな。そうして全体のバランスをうまく取ってやる。
■強い木は強く、弱い木は弱いなりにうまく木の質を見抜き、それぞれを使える所に使ってます。今のようになんでも規格に合わせて、同じようにしてしまうのは、決していいことではないですな。
■昔は、親方が見習いを親から預かりますと、どんなアホでも5年でだめなら10年かかっても、ちゃんとしてあげようとします。おまえはこの仕事にむかないからやめた方がいいなんてことは言いません。棟梁の方にも責任があります。なんぼバカでも、ちゃんとしたものに仕立てて帰らせてあげななりません。
第二章 全体を見通す、棟梁のプロジェクト管理
プロジェクトを正しく理解する
計画は「見える」化する
知っているか知らないかが明暗を分ける
全体を理解できているか
変更することを嫌がらない
リスクはあって当たり前
予算は絶対君主と思うべし
■実際の作業が始まる前の仕事の段取りの方が、棟梁というのは大変なんです。始まってしまえば、それぞれが、自分の仕事を天職だと思っている人たちがやってくれるんですから、心配はないわけですな。
■構造物は社会です。斗や皿斗や柱は個人個人の人間ですな。それぞれが、うまく自分の力を発揮して、組み合わされて、崩れない形のよい建物ができるわけですな。もし柱の力が強すぎたら、柱の先端が屋根から上に突き出るというようなことになり、物になりまへんな。
■この回廊がゆるい坂になってるのがわかりますか?これはわざとこうしたんではないんでっせ。自然の地形にさからわず、建てたんですな。坂になってるんですが、柱や回廊見ても、それがわからんぐらい、バランスよく建てられてますな。
第三章 相手を信じる! 棟梁のリーダーシップ
一歩先を読む
仕事は毎回、一からのスタート
無口でも目で語ればいい
教えるよりも発見させよ
「NO」を言うことができるか
「自分でやったほうが早い!」のウソ
責任は、いつでも自分がとる
無茶ぶりも時には大事
向き不向きは他人が判断する
■揃えてしまうということは、きれいかもしれませんが、無理を強いることですな。木には強いものも弱いものもあります。それをみな同じように考えている。昔の人は木の強いやつ、弱いやつをちゃんと考えて、それによって形を変え、使う場所を考えていたんです。
■教えたりすると甘えてしまって身に付かないから「何、甘えてんねん。自分で考えはなれ!」と突き放していた。
だが、相手が考えに行き詰まってしまった時にはさりげなくヒントを与えたり、「わしが一切の責任持つさかいにやってみなはれ。」と励ましたり、寺院建築を全く知らない大工にも「ぼちぼちやりはなれ。要領よく覚えたらすぐに忘れるからな。とにかく基本をしっかり覚えるこっちゃ。そしたら後はいくらでも覚えられる。」と激励したり、弟子が若干寸法を間違えていても気にかけずに「ええやろ。」と済ませるなど、硬軟を上手に使い分けた。
第四章 リスクを恐れない! 棟梁のマネジメント
プロジェクトの成功に責任を持つ
雨の日が続いてもあせらない
誰が見てもわかる「引き継ぎ」ノート
品質第一、納期も第一
小さなミスに気づく目を持つ
敵は絶対につくらない
休憩時間は次の仕事への準備時間
同じことをいつでも何度でも繰り返せるのがホンモノ
質問力を磨け!
決断は迷わない
■おまえそれ、呼吸とめてるか? とめとかなあかんのやど 途中で息したらそこで切れるんや、かんなくずが。
■わたしがカンナくず見て、刃物が0.01ミリぐらいカーブしとると言いました。それで研ぎ直しなさい言いましたが、あれを研ぎなおすのはたいへんや。なぜかちゅうたら、0.01ミリやけど、その欠点に自分が気づいとらんのだから、それ直すのはたいへんですな。
第五章 チームの力を引き出す、棟梁の人心掌握術
リーダーの存在感が現場を守る
チームは解散しても、仕事は残る
任せること、任せないこと
時には無礼講!
失敗から学ぶ
「いまどこにいるか」を明確に
決断と責任は二つで一つ
朝令暮改を恐れない
サービス精神を忘れない
ゴールはみんなで祝おう
■自分からしてみせな。それがいちばんですな。なんぼじょうずに文句言うてもあきませんわ。やっぱりまず私自身鉢巻きをしめて、汗を流して、その人の前でこういうふうにやってくれと、実際してみせんとな。
■なかなか上手いやんか。 うん。
■腕のいい棟梁というのは、人を育てるのも上手でしたな。とにかく、やかましく言わず、行儀作法は厳しいけれど、仕事については”溝”を掘り、いやでもそこにいくようにしますな。気を散らしている間がないようになってるんです。うまいことやらされるんです。
■独立する時は道具を一式揃えてもらえます。親方のよりいいものを持ちますな。道具はいいものを与えないと性根が入りません。「わしは親方より上等ののみを持っている。親方があの仕事するのに、俺ができないわけはない」と思うでしょ。だから親方よりいいものを持たせる。これが無言の教育です。
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第六章 棟梁の仕事が教えてくれること
迷ったら、基本に戻る
シンプルなものこそ強く美しい
最初にスペースを確保する
傷む場所は決まっている
プラスアルファの余裕
アフターサービスのココロ
たすきをつなぐ
■薬師寺の金堂を復元するのに、大論争しました。本尊さまを守るのに、防火シャッターをつけることや、中心の所だけコンクリートでつくらな許可せんというわけです。ヒノキは千年以上の寿命があるというのに、三百年ももてばせいぜいというコンクリートを使うのは、納得がいかん言うてね。
■今の大工は耐用年数のことなんか考えておりませんで。今さえよければいいんや。とにかく検査さえ通れば、あすはコケてもええと思っている。わたしら千年先を考えてます。資本主義というやつが悪いんですな。それと使う側も悪い。目先のことしか考えない。
■電気の道具は消耗品や、わたしらの道具は肉体の一部ですわ。道具を物としては扱いませんわ。それと道具も自分だけの物やと考えるのは間違いです。形ひとつにしても今決まったんやない。長い長い間かかって、使うにはこの形がいいと決まったんですから。
■刃がどんなに研げても台が悪ければあかんよ。さっきの人は、カンナかける前に台を削とったでしょ。そこからやらなあきませんわ。自分でおぼえていかなしようがないわな。ただ、そういうことにも気づかずに、そのまま終わってしまう人が多いな。
■ ■ ■ ■ ■
ということで「大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメント」の本文とは違う“棟梁つながり”の言葉を選んでみました
ちなみに「大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメント」の紹介文を引用しておきます
「現場がもめ出したら、しめた!ってもんよ」(棟梁)
海千山千の職人たちを従え、納期どおりに家を完成させる職人芸、それが大工の「棟梁」のプロジェクトマネジメントです。現在、チームづくりに悩んでいるリーダーのみなさんの悩みは、とうの昔に大工の棟梁が解決しているのです。
棟梁の仕切り、チームづくり、仕事の進め方、納期管理、リーダーシップ、人心掌握術……。一流の職人が持つ自らの経験に裏打ちされたすばらしい哲学から、たくさんのことが学べます。本書で、大工の棟梁の知恵を学び、ビジネスの現場で役立てましょう。 (引用以上)
海千山千の職人たちを従え、納期どおりに家を完成させる職人芸、それが大工の「棟梁」のプロジェクトマネジメントです。現在、チームづくりに悩んでいるリーダーのみなさんの悩みは、とうの昔に大工の棟梁が解決しているのです。
棟梁の仕切り、チームづくり、仕事の進め方、納期管理、リーダーシップ、人心掌握術……。一流の職人が持つ自らの経験に裏打ちされたすばらしい哲学から、たくさんのことが学べます。本書で、大工の棟梁の知恵を学び、ビジネスの現場で役立てましょう。 (引用以上)
ということでした
美しくシンプルに 心掛けたいものです
ではまた
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