明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願い申し上げます
多様性が維持されている仕組みを理解することが、人と自然の共生を考えるうえで不可欠である
これは、河合雅雄 編「」の中の一編、三橋弘宗 著「森から川への贈り物」の一節です
![]() |
ふしぎの博物誌―動物・植物・地学の32話 (中公新書) |
河合 雅雄 | |
中央公論新社 |
以下抜粋
森と川は切っても切れない関係にあります
川辺の樹木は、ある時は太陽光を遮り、また水生昆虫の餌となる落葉を川に供給し、その隠れ家にもなります
そこには実に巧妙な仕掛けがちりばめられています
その中で「水生昆虫の餌」に絞って考えてみると
仮に河畔林が単一種の樹木だけで構成されていたとすると、ある時一斉に落葉が川の中に供給される
この樹種はとても分解が速く多くの水生昆虫が好む食べ物(ハンノキ等)だとする
この場合、最初の数ヶ月は豊かだが、次第に食べ物が減少し、周りの水生昆虫はどんどん肥大化するため、ある時期を境に深刻な食糧難に陥ることが予想される
その後、翌秋の落葉期までまで食料不足に見舞われるに違いない
しかし、河畔林に硬くて分解速度がとても遅い樹種が加わったとする
この樹種の代表格はカシ・ナラ類である
最初の数ヶ月は多くの水生昆虫に見向きもされず、分解もあまり進まないだろう 限られた水生昆虫はこの「不味い」餌を食べることができるが、それ以外は他の「美味しい」餌を選択する
しかし、数ヶ月が経つとこの「不味い」餌もようやく分解が進んで食べ頃に熟成される
つまり対照的な性質の樹種が存在するおかげで、比較的長い期間さまざまな落葉が存在することになる
冷静に考えると当り前のことだが、質の良い餌だけでなく、不味い餌が混在することが、多種共存を促進する機構ではないかと思う
抜粋以上
「人と自然の共生」とは人どうしの共生 継続可能な社会の為には多様性が不可欠である と今の日本の状況から愚考する次第です
冬休みの間、個性的な住宅を2戸 見学させて頂きました
一つは、古い公団の分譲マンション
もう一つは、狭い土地に建てられた新築一戸建
ともに嫁さんの知人であり、子供達の算数教室の先生の設計であります
無垢の杉板、鏡を多用し独特の、そして居心地のよい空間をつくりだされていました
danse des ciel
万人受けする間取りではなく、限定した生活者をイメージした間取り
とても刺激になる冬休みでありました
住宅の販売を生業としている者として“多様性”を強く意識していくぞ!と
そしてそれを行動に反映させたい と
2015年
どうぞよろしくお願い申し上げます