橋長戯言

Bluegrass Music lover, sometimes fly-fishing addict.
橋長です。

EHAGAKI #296≪多様性の仕組み≫

2015年01月04日 | EHAGAKI

明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願い申し上げます

多様性が維持されている仕組みを理解することが、人と自然の共生を考える
うえで不可欠である

これは、河合雅雄 編「」の中の一編、三橋弘宗 著「森から川への贈り物」の一節です

ふしぎの博物誌―動物・植物・地学の32話 (中公新書)
河合 雅雄
中央公論新社

以下抜粋

森と川は切っても切れない関係にあります
川辺の樹木は、ある時は太陽光を遮り、また水生昆虫の餌となる落葉を川に供給し、その隠れ家にもなります
そこには実に巧妙な仕掛けがちりばめられています

その中で「水生昆虫の餌」に絞って考えてみると

仮に河畔林が単一種の樹木だけで構成されていたとすると、ある時一斉に落
葉が川の中に供給される
この樹種はとても分解が速く多くの水生昆虫が好む食べ物(ハンノキ等)だとする

この場合、最初の数ヶ月は豊かだが、次第に食べ物が減少し、周りの水生昆
虫はどんどん肥大化するため、ある時期を境に深刻な食糧難に陥ることが予想される

その後、翌秋の落葉期までまで食料不足に見舞われるに違いない

しかし、河畔林に硬くて分解速度がとても遅い樹種が加わったとする
この樹種の代表格はカシ・ナラ類である

最初の数ヶ月は多くの水生昆虫に見向きもされず、分解もあまり進まないだ
ろう 限られた水生昆虫はこの「不味い」餌を食べることができるが、それ以外は他の「美味しい」餌を選択する

しかし、数ヶ月が経つとこの「不味い」餌もようやく分解が進んで食べ頃に
熟成される

つまり対照的な性質の樹種が存在するおかげで、比較的長い期間さまざまな
落葉が存在することになる

冷静に考えると当り前のことだが、質の良い餌だけでなく、不味い餌が混在
することが、多種共存を促進する機構ではないかと思う

抜粋以上

「人と自然の共生」とは人どうしの共生 継続可能な社会の為には多様性が不可欠である と今の日本の状況から愚考する次第です


冬休みの間、個性的な住宅を2戸 見学させて頂きました
一つは、古い公団の分譲マンション
もう一つは、狭い土地に建てられた新築一戸建

ともに嫁さんの知人であり、子供達の算数教室の先生の設計であります
無垢の杉板、鏡を多用し独特の、そして居心地のよい空間をつくりだされていました
danse des ciel

万人受けする間取りではなく、限定した生活者をイメージした間取り
とても刺激になる冬休みでありました


住宅の販売を生業としている者として“多様性”を強く意識していくぞ!

そしてそれを行動に反映させたい と

2015年
どうぞよろしくお願い申し上げます