橋長戯言

Bluegrass Music lover, sometimes fly-fishing addict.
橋長です。

EHAGAKI #316 ≪秘伝書≫

2016年01月18日 | EHAGAKI

 

お世話になります

・やめられないとまらない

・24時間 戦えますか


劇的な結果を、たった一行の言葉でもたらす
痛快で元気の出るお話です

今回のお題は「1行バカ売れ」であります

「1行バカ売れ」
川上徹也:著 角川新書

と言っても本を読んだわけではありません
朝のラジオ、文化放送の「武田鉄矢 朝の三枚おろし」で聞いた内容のメモを基にネットで調べで補足しました


■ ■ ■ ■ ■


たった一行のキャッチコピーがよかったから大当たりした
消費者の欲望のスイッチをどう刺激しるか!と語るよりも「気の利いた一言」で消費者は乗る
「通勤快足」とか

ラーメン屋は早くないといけない、好みはながながと理屈をつけてはいけない

○人は惚れるとき「短く」別れる時には「長い」理屈を付ける(武田鉄矢)


●●木村秋則さん

無肥料・無農薬リンゴであるが、その呼び名では売れなかったのでは?
そそるコピー

・奇跡のリンゴ


●●1991.9.28台風が青森を襲い、リンゴの90%が被害にあい被害額741億円

絶望を前にして、風速50mでもそのリンゴは落ちなかったので「落ちないリンゴ」として合格のお札を添え、受験シーズンを待って販売した

なんと1コ 1,000円で売出し完売した 
その販売額は、全部実った時とあまり変わらなかった、とか

たった1行の言葉が、傷物のリンゴを1コ 1,000円に変えた
言葉に力があり、買った人は、そのいわれを知っているから


・落ちないリンゴ


●●博多のシェフが渡米、ニューヨークで商売を

店舗もないので、まず豚足を売ることにした ニューヨークで豚足は捨てるもの、というのでもらったりして仕入
シェフが博多屋台風味付けで売り出すとバカ受け、店を構えることが出来た

よし次は、辛子明太子

辛子明太では解りにくいと「タラのタマゴ(Cod eggs)」として売出すも大ハズレ

「生ゴミをメニューで出している」と苦情も殺到! アメリカではタラのタマゴは捨てるらしい

しかし あきらめずにネーミングを変えた 白ワイン、シャンパンに合うと大評判に
その名は

・博多スパイシーキャビア  Hakata Spicy caviar


○謎に感じ、訳を聞き、知ることでその商品の魅力に惹かれる


●●養殖マグロと言っても価値があるとは思われない 天然>養殖

近畿大学の養殖マグロ

・近大マグロ

本マグロの完全養殖は不可能と言われていた
8つの大学が研究し失敗し脱落した中で、32年の歳月をかけて2006年に完成した
このストーリーが組み合わさり「近大マグロ」のブランド力を上げた


○消費者にいかにスルーされないか
○何を 如何に


●●バレンタインデー

3世紀、ローマで良い兵士を徴収する為、男女交際を厳しく規制
キリストの司教バレンタインさん、が2/14を男女が交際する日として大いに奨励した
怒った皇帝は、バレンタインさんを処刑
慕う人たちは、その日を「恋人たちの日」と呼んでいた
これだけのこと、だった

東京都大田区のメリーチョコレートという菓子メーカーがその日をチョコレートを贈る日として売り出した
結果は大ハズレ、その日売れたのは50円の板チョコ3枚

くじけずに翌年

チョコレートをハート型にして贈る相手の名前を入れるようにした
キャッチコピーはふくらまして、というより新たな習慣をつくった

・年に一度、女性から男性に愛の告白をしていい日


○弱点を利用


●●ブラックサンダーは、有楽製菓の準チョコレート菓子

バレンタインが盛り上がっても売れなかったが、このコピーで大ヒット!

・一目でわかる義理チョコ


●●にきにきにきにき二木の菓子

東京上野のアメ横の「二木の菓子」

この店の特徴は、よそでは売れない商品でも、強い言葉を使ったPOPで新しい価値をうみだし、売りさばくこと

ある取引先から「あんドーナツ」の売り込みがあった 40年以上変わらない製法で作り続けられている懐かしい味わいが売り

甘く手作り感があり素朴の味わい だからといって「40年間変わらぬこだわりの製法」「懐かしい味わいのドーナツ」などの言葉で売れるのか?

60代の男性店員が「昔は甘いものって特別な時しか食べられなかったんだよ」としみじみ語る
それをヒントに書かれたPOP

・今となっては素朴だけど、昔はこれが贅沢だったんだ!

このPOPをつけると、1店舗を除き二木の菓子全店であんドーナツは飛ぶように売れた この1行により平凡なお菓子の中に眠っていた新たな価値を発掘され、60~70代のお客さんの心を突き刺した

1店舗だけ売れなかったのはなぜ?

その店だけが違うPOP「昔懐かしい味、今も昔も変わらぬ贅沢を」としていた

内容はほとんど同じでも、よくPOPに書かれている常套句的な表現、それでは高齢のお客さんの心を刺し共感を呼ぶことはできなかった その後、前述したPOPに変えると、その店でもあんドーナツは飛ぶように売れた


○売り手の正直さ、約束を守る、骨がなければ伝わらない
○営業はメリットばかり並べても信頼されない、キッチリとデメリットも言えて信頼を得る


●●ある国道沿いの回転寿司

桜鯛のかぶと揚げ、お勧め文句で人気メニューに

・言っておきますが、骨だらけです


●●オネストカード

お客様に内部事情を説明して、信頼関係を構築する

・ただいま販売のグレープフルーツは、南アフリカ産で酸味強し、フロリダ産の方が美味しいのですが、12月入荷予定です

・長雨でレタスは品質が悪く、値段も高くなっています、しばらく他の商品で我慢できないでしょうか


●●東京神田の西洋居酒屋、バル 

一見高級そうに見え、新規のお客様が入りずらい印象がある
そこで看板の横に

・入りずらいですか、大丈夫、たいした店ではありません


●●2007年岩手県盛岡市 さわや書店

思考の整理学 外山滋比古 著
店長が書いたPOPから火が付き50万部売れた

・もっと若い時に読んいれば、そう思わずにはいられませんでした


○今だけ、ここだけ、あなただけ


●●300万本のヒット醤油

・卵かけご飯用醤油「おたまはん」


●●鳥取県知事

・鳥取は、スタバはないけど日本一の“スナバ(砂場)”はある

その後、スナバコーヒーが開店し話題に そして本家、スタバが開店

それを受けてのスナバコーヒーのキャンペーン

・大ピンチキャンペーン
・スタバのレシート持参でスナバコーヒー半額!


●●博多のアイドル、橋本環奈さんにファンがつけたコピー
・千年に一人の逸材
・千年に一人の天使

百年と言うとイヤミになるところ


●●永谷園のインスタントみそ汁

・一杯でシジミ70個分のちから


●●日本旅行のカリスマ添乗員 平田進也さん

・大人の修学旅行

・四時間の家出、仇討ツアー

奥様向け、新地のクラブやニューハーフショーを2時間まわり18,000円
(8時までに終えるので店側も大歓迎)

○うまいです
「今だけ、ここだけ、あなただけ」


●●AKB48

・会いに行けるアイドル


●●パナソニック

・きれいなお姉さんはすきですか


●●3位だったビールシェアを上げ、アサヒビールを一位に押し上げた

・コクがあるのに、キレがある


●●1983年。トヨタはクラウンの新型を発表。新機能を満載にした

最高の売り上げを達成したコピー

・いつかはクラウン

 
●●東京の質屋さん、NANBOYAのコピー

・元カレはサンタクロース


●●やりすぎが大逆転

品質もいいし、鼻をかんでも赤くならないのに売れないモイスチャーティシュ
代理店が新しい商品名を提案

え?なに?いくらなんでもちょっと?やりすぎ?という印象も部長がOKを出し、役員に直訴し採用された

・鼻セレブ

さらに「超鼻セレブ」も

1行バカ売れ (角川新書)
川上 徹也
KADOKAWA/角川書店

「1行バカ売れ」
川上徹也:著 角川新書

内容紹介
大ヒットや大行列は、たった1行の言葉から生まれる!
「結果につながる」言葉の書き方をコピーライターの著者が伝授!

●売れる言葉の法則「5W10H」を徹底解説

・相手に自分ごとと思ってもらうために何を言うか(What to say)
ニュースを知らせる/得することを提示する/欲望を刺激する/恐怖と不安でやさしく脅す/信用を売りにつなげる
・相手に立ち止まってもらうためにどう言うか(How to say)
ターゲットを限定する/問いかける/圧縮して言い切る/対比&本歌取り/誇張をエンタメ化/重要な情報を隠す/数字やランキングを使う/比喩でひきつける/常識の逆を言う/本気でお願いする

●国内外の1行バカ売れ事例が満載!
本書で紹介されている事例の一部

・日本の元祖バカ売れ1行のキャッチコピー
・20年前の本をベストセラーにしたPOPの1行
・無名だった地方アイドルが1枚の写真とワンフレーズでCMオファー殺到
・名前を変えただけでアメリカ人に大人気メニューに
・数億円の価値を生み出したとされる菓子メーカーのツイート
・パンのように売れる本の正体とは?
・鉄道死亡事故を劇的に減らした動画のタイトル
・原宿・表参道のパンケーキ専門店キャッチコピー戦争
・ツイッターで大反響の〇乳ブラの1行
・知事のとっさのひと言がその県に莫大な経済効果をもたらした


■ ■ ■ ■ ■


ということでした

「秘伝書」という落語を思い出しました

横柄な態度の露天商、言葉巧みに客を集めて
「この本一冊あれば一生楽に暮らせる」という「秘伝書」を売り込み

「一ツキ百円で食える方法」
「ただで飛行機に乗れる方法」

「わずかな資本でガッポリ儲ける方法」
等々が書いてある

露天商は「欲しいもんは、タダでやるさかい手ぇ挙げ!」と言って手を挙げさせる

「要る? あんたも要る? 辛いなぁ~、十冊しかないねん、十人しか渡されへん」
「これを売って金儲けにしょうとは思うてないしなぁ」
「よっしゃ、この箱の中に、五百円入れていったもんから、早いもん勝ちや。順番にタダで持って帰れ!」

その本を読むと

「一ツキ百円で食える方法」とは、一ツキ百円とはところてんの一ツキ

「ただで飛行機に乗れる方法」とは、パイロットになれ

そして

最後「わずかな資本でガッポリ儲ける方法」とは


「この本とおんなじ本作って売れ」


お後がよろしいようで


ではまた