今年もまた、何かと微妙な夏休み期間となりました
さて
古い知人から古いカメラを預かりました
私が古いフィルムカメラを撮り続けてるのを知って
コンタックスを送ってくれました
そこに有効期限が2001年4月が有効期限の冨士フイルムが
添えられていました
昭和のコトは語られることは多いですが、2001年といえば平成
その頃は何を考えていたのか
このEHAGAKIで当時を振り返ってみました
SDGsの観点から
今回は持続可能な音楽ネタのリサイクルであります
軽く眺めて頂ければ幸いです
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ニューヨークの路上で老婦人がミュージシャンに尋ねる
「すみません、カーネギーホールにはどうやったら行けるのでしょ
ミュージシャンは答える
「練習あるのみ!」
2006年5月22日≪逸話≫より
※参考図書:「ジャズ・アネクドーツ」
ブル・クロウ著 村上春樹訳(新潮文庫)
◆2001年4月10日、LS HAGAKI Vol.36より
贔屓にしている人が活躍するのは嬉しいものです
第43回グラミー賞が発表され
【最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバム】部門で
BELA FLECK&FLECKTONES「Outbound」が選ばれ
私は大学時代にBanjoという楽器をしていました
Bluegrassという音楽ジャンル(アメリカ民謡研究会所属
今もBanjoという楽器が好きなのですが
なかなか一般には馴染みのない楽器です
ジャズの世界ではデキシーランドで4弦Banjoが使われること
私がやっていたのは5弦Banjoでカントリーの中のでもBlu
使われていないものでした
ですからBanjo奏者として成功しても大した収入にもならなか
そんなBanjo界にあってジャンルにとらわれない演奏が出来る
1958年生まれ(私とほぼ同年代)のBela?Fleckとい
77年頃にデビューしBluegrassのバンドで活躍その世界
(でもマイナーですが)
そして89年に自身のバンドを結成コンテンポラリージャズに分類
新し音楽を始めたのです
それがまたふざけたバンドでBanjo、エレキベース、シンセサ
ブルースハープという変則編成で、今までにないバンドサウンドを
その後はメジャーな活躍を始めたのです
彼の楽器には特徴があり、弦高(弦とフィンガーボードの間の高さ
かなり高いのです
ギターを演奏される方ならわかってもらえると思いますが
かなり弾きにくくなります(音量は上がりますが)
(↑1984/11/17 千里セルシーで橋長撮影)
85年のインタビューで次の様に語っています
「高すぎると自分でも思うけど、、、Banjoと闘っているんだ
闘っているというのがいいと思うんだ
流れる様なBanjoよりも、意識的にでも俺は弾いているんだ
という感じがライブではエキサイトしていいんだ
本当に高すぎて困る事もあるけど、それがいいんだ」
と答えています
そのインタビュー記事では
「彼の内向的な性格(たぶん)とスルドイ頭脳が生んだ
ナルホドというやり方」と結んでいます
私も新しい形の新築分譲マンションの販売会社を目指しています
新しいものを創る為に闘うことは不可欠だと言われます
日々の生活の中に「闘う工夫」をしなければならないなぁ
と考えている、今日この頃です
◆≪逸話≫2006年5月22日≪逸話≫より
バディー・リッチが入院した時、受付の看護婦が彼に
「何かアレルギーみたいなものはありますか?」
と尋ねた
バディーは答えた
「カントリー・アンド・ウエスタン!」
◆2002年3月19日、LS HAGAKI Vol.42より
今年(2002)のグラミー賞は、私にとって嬉しいものでした
私の音楽のフェイバリットであるブルーグラスがクローズアップさ
年間最優秀アルバムを受賞した『O Brother, Where Art Thou?』は
アメリカ の古い音楽がいっぱい入っています
その中でも特にカントリー男性ヴォーカル賞を受賞した
ラルフ・スタンレーが1人でアカペラで歌う"O Death"なんかは
日本の民謡(商業的ではないワーク ソング的な)と同じパワーを感じます
ちかごろの日本の歌(子供が聞いているヒップホップ調)は
歌詞の内容が清く美しすぎるものが多い様に思います
韻を踏んでいる関係もあるのでしょうが
「虫も殺したことの無い人が自然保護を訴えている」
様でどうにも落ち着きません
アメリカの古いブルースやトラディショナル(民謡)には
汚くて投げやりな言葉が多用さる時もあり
「清々しさ」とは対極の世界があります
If the river was whiskey, And I was a duck
I'd dive to the bottom, And I'd never come up
というフレーズは複数の歌に共通して使われています
なんともダメ男の現実逃避の歌詞なのですが
それは「叫び」でありそこにものすごいパワーを感じます
私の読書のフェイバリットである南方熊楠は
知人からの「酒を控えた方がいい ですよ」という親切な忠告に対して
以下の様な返事の手紙を書いています
小生に酒をつつしめ云々と有之(これあり)。
小生は親や兄弟が言うても酒を つつしまず。
又、たとえ慎むべしと約束した処が、酒をつつしむ男に無之候 (これなくそうろう)。
小生、従来名を挙げ事を成したるは、みな酒の被護にて候。
其許は酒を飲まず。
故に常に腰弱く・・・・酒がいやなら自分謹んで可 なり。
人に勧むるに及ばず。
・・・・小生酒を飲んでも其許の損に成らず。
其許は酒を飲まぬが、非常に小生及び当地方の多人数の迷惑を起こ
?・・・・体や酒の事は其許等の世話にならず。
ここまで言いきることに
パワーとある種の感動を覚えるのは私だけでしょうか
◆2006年5月22日≪逸話≫より
グローヴァー・ミチェッルは
彼が加入した時のデュークのバンドについて語っている
その時俺はバンドで仕事を始めて一週間ぐらいだった
最初の2日は全員がステージに上がって、目のさめるような演奏を
でもそのあとステージに上がるのは5、6人で
あとの8人か10人は客席を歩き回って
客とおしゃべりしたりバーで酒を飲んでいた
ある夜、ステージで演奏していると1人のウェイターがやってきて
ジミー・ハミルトンに「ステーキができました」と言った
彼はそのままステージから降りて、ステーキを切り出した
そのあとで俺はデュークに言った
「よくこんな状態に我慢できますね?」
彼は俺に言った
「いいかね、良いこと教えてやろう
私はこのバンドが最高である夜のために生きているんだ!
君が気にするような夜のことは、見ないようにしている
あの連中のことを真剣に考えだしたら
頭がいくつあっても足りやしないよ、私はそんな目にはあいたくな
シェリー・マンはあるインタビューで
ジャズ・ミュージシャンの定義を求められこう言った
「我々は同じ演奏を二度出来ない人種だ!」
◆2004年5月12日≪意識or無意識≫より
私はよく社員に
「指示がない時 何をするかが問題だぞ」と言います
「無意識で出来てるコト」
「意識しないと出来ないコト」
それを支えているのは“志”ではないか と
ジャズでのピアノトリオを思い浮かべて下さい(EHAGAKI LIVE !)
スタンダード曲です
まず良く知られたテーマのメロディーをピアノが 奏でます
何回かくりかえされ、よく聴くと徐々にメロディーが変化し
アクセントも変わっています
ドラムとベースは安定したリズムを刻みます
そして印象深いドラムの一撃が加わると、ピアノの一人旅が始まり
ドラムとベースは押さえ気味になり
聴衆と同じ視線でピアノのアドリブを楽しみます
ピアノは与えられたコード進行の中で
オリジナルな音を紡いでいきます
沈んだり、泣いたり、笑ったり、イライラしたりを表現し
気がつけば元のメロディーも顔を出しています
再びドラムの一撃でピアニストは、軽く会釈し歓声と拍手がおこり
歓声がさめるとすでにベースソロが始まっています
あくまでリズムキープしながら
歓声が静まったことを確認すると
主張がはじまります
気がつけばピアノはリズムを刻んでいません
低く野太いベースの音に注目が集まります
「受けるフレーズ」を熟知したベーシストは
表情豊かに別世界への旅に出ます
すでにドラムもわずかにリズムを刻みながら
タオルで汗を拭っています
観客から声があがります
ベースソロはハイライトを迎え聴衆はクライマックスを知ります
しかし予想は裏切られ延々とソロが続きます
「もう終われ」と言うかの様に
ピアノとドラムがアクセントをつけリズムを創ります
満足顔のベーシストもそれに呼吸をあわせるとドラムの出番です
短いソロのあとそれに答える様にピアノが語り再びドラムが叫ぶ
この応酬が繰り返され聴衆の興奮も極限に達します
そのテンションのままピアノがテーマを奏で
聴衆は、何の曲だったかを思い出します
もう一度テーマが繰り返され演奏は幕を閉じます
大半がアドリブでの演奏です
大変な練習量により「意識したコト」を音に表現し
感性により「意識していないコト」をも表現します
他人に感動を与える為には「志」+「トレーニング~行動」なのか
◆2008年1月4日≪NATURAL RHYTHM≫より
“NATURAL RHYTHM”
このタイトルは1955年に録音された2枚のアルバム
フレディー・グリーンの“MR.RHYTHM”とアル・コーンの
一枚のCDとして再発売された時のタイトルです
この2枚のアルバムはほぼ同じメンバーで録音されたもの
このスイング感を支えているのがリズムギターのフレディー・グリ
カウント・ベイシー・オーケストラのスイングするリズムを支え続
フレディー・グリーンを知ったのは、子供の頃
親父がこの“MR.RHYTHM”のLPレコードを持っていて聞
カウント・ベイシー楽団のリズム隊が“オール・アメリカン・リズ
と呼ばれていることを教えてもらい、カッコイイと思いました
オール何々、ザ・何々という言い回しは
その世界ではトップの人に与えられる称号であることは
教えられなくともイメージできるものです
"All-American Rhythm Section"
Freddie Green on rhythm guitar with
Count Basie on piano,Jo Jones on drums, and Walter Page on bass.
バンドにおけるリズム・ギターについて
フレディー・グリーンはこう語っています
I don't try to play those big concert chords.
I play just a couple of notes,sometimes just one,
but it sets the sound of the chord.
When you try to play those big chords,
it can make the whole band drag.-Freddie Green
俺は6弦とも使ったコードは弾かないね
俺は2つか3つの音、時には1音だけで演奏するよ
そこに大切な音があり(バンドに必要な)コードになってるんだ
あんたが全部の弦を弾いたら、バンドは引きずられっちまうだろう
フレディー・グリーン
同じくスイングするギタリストのベッキー・ピザレリは
The minute you start hitting six strings at one time,
the band stops. -Bucky Pizzarelli
あんたが6弦全部を一気に掻き鳴らした途端バンドはストップしち
ベッキー・ピザレリ
どういうことかと言うと
リズム・ギターは、リズムを刻むと同時に和音を出します
和音によって曲の表情を創っていく訳です
ギターは6本の弦があります
つまり同時に6種類の音を出すことが可能なのです
たとえば基本的なGのコードは
Gの音がオクターブ違いで3つ、Bの音は2つ弾くことになります
これは、ソロでのパーフォーマンスでは
ギターという楽器の特性を活かした演奏となります
しかしバンドの中、つまり他の楽器とのアンサンブルを考えた場合
邪魔をする場合がある、ということです
ソロをとっているプレイヤーにとって不必要な和音を省略すること
ソロプレイを際立たせるということのようです
違う楽器との共演、それぞれが目一杯に音を出したら?
考えれば解ることなのですがついついやってしまっている訳であり
会社をオーケストラに例えると、私などはリズムセクションです
最前線で営業している社員はソロ・プレイヤー
彼らの進むべき方向を示しつつ、体を揺さぶる様なウキウキ出来る
それも決して邪魔することのない
厳選された最小の音で
※参考図書:“Rhythm Guitar the Ranger Doug Way”(英語版)
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ということでした
改めて読むと
人間20年ぐらいでは成長しないことがよくわかりました
そして
20年前のフィルムで撮ってみると、スカイツリーが色褪せて写っていました
皆様におかれましても
心の栄養補給は怠らない様ご自愛下さい
ではまた