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イスラム教徒射殺事件?

2015年02月12日 | 時事
イスラム教徒3人射殺される=米南部
間違ってはいないのでしょうけど、何かこのタイトル悪意がありますね。

動機もまだはっきりしていませんが、もし駐車場トラブルであれば、別にイスラムは関係ないわけです。しかしタイミング的にイスラム国がアメリカ人の人質を殺害した直後だったので、このタイトルを見て「アメリカでイスラムに対し個人的な報復が始まったのか」と思ってしまいました。以前あった黒人射殺事件の時と同様の世論誘導が見え隠れします。

日本で事件の名前をつける時には、一番多いのが地名、次に来るのが凶器名や殺害方法などでしょうか。しかし、例えばその地域に住んでいる人にとっては事件が報道される度に地元名が連呼され、マスコミや野次馬も徘徊し出しますし、事件が解決した後も非常に危険な場所だという誤った認識が生まれてしまう危険性もあります。いわゆる風評被害というやつですね。事件を的確に表す言葉を選ぶのは意外に難しいものです。逆に、意図的に印象付けようとすれば、今回のようにキーワードを盛り込むことで簡単にできてしまうのです。イスラムなら宗教、黒人なら人種、ジャーナリストなら報道の自由、女性ならジェンダー、子どもなら虐待、老人なら介護、障がい者なら福祉など、事件をどの問題に結びつけたいかによってタイトルの取り上げ方が変わってくるでしょう。中には何でも反政府に結びつける新聞もありますが・・・ただの特徴のつもりだとしても、視聴者は「敢えて取り上げられたのだから何か問題があるのだな」という受け止め方をしますからね。被害者がもしイスラム教徒で黒人で女性で子どもで障がい者だったらどうするのでしょうか(笑)
「最近は若者の凶悪事件が増えてきている」と言われますが、実は50年前の3分の1になっていますし、一度に殺害される人数も減ってきています。もっと身近に言えば、「切れる子はゲームをよくしている」という論調も、調査で9割の子が何らかのゲームをしていることが分かっており、「切れる子は朝食にパンを食べる」と同じくらい意味のない主張です。漫画やアニメだって、子どもなら大抵見ていておかしくありませんし、関連付けること自体に大人の穿った思惑が見え隠れしています。ゲームもアニメもマンガもない国で育った子は犯罪をしないでしょうか?むしろそういう所の方が不満の捌け口を犯罪に求めませんかね・・・「○○は~」というカテゴリーは、必ずしも同じ性質をもっている人の集合だとは限りませんし、単なる便宜上のものに過ぎません。双子だって性格は完全に同一ではありませんからね。また間違いでなくとも、「水を飲む人は200年以内に必ず死ぬ」というように、わざとカテゴリーを広げて論じる意味をなさなくなっているものもあります。統計データと言うのは、決して根拠まで生み出すものではないのです。

自分勝手に型を作らず、1つ1つの事件の特徴をしっかり見極めて報道してもらいたいものです。