川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
★自分用メモは、新聞・Webなどのノート書きです。

「朝日新聞 私の視点」から

2005-06-22 19:50:57 | Weblog

◇「錬金術師」に有利な税制-抜粋 (つながるモリタクBLOG 5月21日記事)

04年分の所得税の高額納税者の公示で、投資顧問会社の部長が1位になった。今回の特徴は、健康食品、パチンコ関連業界、サラリーマン金融といった最近の常連業種に加えて、投資ファンドの経営者や社員が急速に上位に入ってきたことだ。

今回台頭してきたのは、カネを右から左に動かすだけで、庶民の生活とまったく接点がない。何一つ付加価値を生み出さず、われわれの生活を何一つ改善しない人たちだ。そういう人たちが高い所得を得る一方で、伝統的な技術の継承者、中小商店主、タクシー運転手といった、まじめにこつこつ働いている人たちの処遇がどんどん悪くなってきている。そして、社会もそういった傾向に追随しがちだ。

そして、何よりも問題なのは、税制の仕組み自体が、額に汗して一生懸命働いている人たちが報われず、「錬金術師」だけが栄える社会への変容を後押ししていることだ。03年の税制改正で、株式投資に関する税金などを劇的に減らす一方で、発泡酒やワインなどの大衆課税を強化したのがいい例だ。

◇土地バブル-まともに働くのがアホな時代
土地バブルは平成2年がピークで、それから急降下を始めました。この時代は土地成金がたくさん出ました。私も土地を売って10億円ほど手に入れた地主さんを知っています。たまたまその方は、変わりなく質素な農業者の生活を続けているので、土地成金というイメージはありません。

そのころは土地の所有者だけでなく、土地ころがしをした人、土地の仲介屋さんも、大もうけしていました。バブルピークの2,3年間は、高級車に乗り、豪遊する不動産屋さんがたくさんいました。

◇バブル時代の銀行員とホリエモンさんと村上ファンド
「こんなん異常や、まともに働くのがアホな時代や」と、当時勤めていた会社の社長と嘆きあったものです。事実、その会社に融資を勧めにきた銀行員が「いまどき株も土地もせえへんなんて、アホも同然でっせ」と社長にいいました。それは忘れられない思い出になりました。

上の森永さんの記事を見まして、土地バブルの時代と、ホリエモンさんや村上ファンドのことが重なってうつりました。


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手ざわり生活実感的年金論

2005-06-22 04:12:19 | Weblog

◇手ざわり生活実感的
なにごとにつけても「手ざわり生活実感的」ということを心がけています。自分の経験してきたことごとを思い起こしてみたり、自分の身に引き寄せて推測してみたりして、できるだけ具体的に世の中のできごとを見分けるよう心がけています。

◇財政-無い袖は振れぬ
わが国の少子高齢化が進むので地方自治体や国の財政が悪化するといいます。全体の人口や生産年齢人口が減るので理解できます。私が定年退職者になって働かなくなったと仮定すると、国や自治体にとって、年金は持ち出し、所得税や住民税収入は減少またはゼロになります。

財政が縮小悪化するのだから、それに合わせて財政支出を節約しなければならない。これも理解できます。無い袖は振れぬ、ということになります。

◇国民年金、月7、8万円で生きていけるか!
それじゃあ、節約をどこでするのか。個人の側から見ると、ずっと前に消費税が創設されて、支出が増えました。介護保険が創設されて、保険料が増えました。日本経済の性格が変わって、平均的なところでは所得が減りました。個人の側は収支両面ですでに細りきっています。

年金支給が減らされる方向にあります。私は自営業で、老母、妻、二人の大学生の5人家族です。暮らし向きは楽ではありません。国民年金ですから、満額受け取りでも月に7万円か8万円でしょうか。働けるのは、70才くらいまでと見込んでいます。85才まで生きるとしたら、残り15年間を月に7、8万円で生きていけるでしょうか。

◇国民年金-高齢者自殺のススメ
夫婦二人で質素に暮らすとすれば、月に30万円くらいほしいところです。夫婦で月に20万もあれば、御の字だろうという声がきこえそうですが、しかし国民年金の支給ラインは「高齢者自殺のススメ」といってまちがいありません。

◇ほぼゼロ利子と税金投入で銀行を助けた
金融危機だ、国が壊れる。国は、そういって銀行にはずいぶんお金をつぎこみました。銀行が荒稼ぎをして早く健全な企業になれるよう、国は預金利子をゼロに近く誘導しました。国は、人々が納めた税金を使って銀行を助け、人々の一人一人の預金利子収入をゼロに近く押さえてまで、銀行が儲けやすいようにしてきました。国民一人一人の収入からなにがしかをまきあげて、銀行を助けたのです。

◇生きている人間の生存を助ける番だ
国の財政収支がどうであるとか、年金の収支がどうであるとか、細かな計算をわかったように解説する人がいます。世間的に立派そうな人ほどそうです。その結論はたいがい「ダメです、できません」です。

国は、「ダメです、できません」財政の下で銀行を助けました。銀行が死に体になったら国が壊れるといって銀行を助けました。「ダメでも、できなくても」、人は生存せざるを得ません。医療保険、介護保険、年金、生活保護などは、人の生存を保障しなければなりません。
これらの保障を悪化させることは、自殺幇助になるでしょう。

◇「生きて暮らしていくには、生存を保障するには」から出発
だいたいが、保険や年金を特別会計にしているのはマヤカシです。医療・介護・年金は、すべて生きていくための制度ですから、生活保護と同じように税金でまかなうのがいいと思います。

「財政収支がこうだから」ということから出発するのか、「生きて暮らしていくには」ということから出発するのかでは、大きな違いがあります。「生きて暮らしていくには、生存を保障するには」がすべてに勝る最優先政策課題です。

◇「預金利子ほぼゼロ」から「公共事業ほぼゼロ」へ
兵庫県尼崎の鉄道大事故のあと、利用客や利用していない人たちの意見が変わりました。「ちょっとでも早いほうがいい、2分も3分も遅れてなんやねん」から「そら早いほうがええけど、2分や3分遅うなってもかまへん、安全が先や」に変わりました。大量事故死の惨状が人の心を変えました。同じように暮らしの不安が大きい時代になって、「とにかく暮らしていくのが第一や、ぜいたく言わへん」に変わってきました。


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