川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
★自分用メモは、新聞・Webなどのノート書きです。

憲法9条擁護、親米第一、日米安保基軸、「国際交流力」主軸

2005-07-09 18:36:25 | Weblog

◇絶対的命題-平和
「平和を守り、平和の継続を希求する」ことを日本の絶対的な命題と、私は措定しています。国の安全保障に関する事柄はすべて、平和という絶対的命題を持続するためにあるべきと考えます。そして憲法9条擁護、非核3原則維持、武器輸出禁止継続の平和3原則を守ります。

◇軍事侵略の想定は自衛隊の仕事
それならば、もし本当に他国から軍事侵略を受けたらどうすのるのかという質問がありそうですね。これは軍事技術的な問題です。どのような人数編成の部隊がどのような兵器を持って、どこをどのように攻撃してくるのか? こういうことを個別具体的に想定して、自衛隊は机上作戦演習を実施しています。自衛隊が緊急体制に入るときは、同時に在日米軍も同じ体制に入ります。逆に在日米軍が緊急体制に入れば、自衛隊も同様の措置を取ります。これは事実です。そして想像しますに、日本自衛隊、韓国軍、在日米軍、在韓米軍は、日常的に連動して動いていると思います。中国原潜が日本領海を侵犯した事件がありましたが、あのときなどは、日米台韓の空海軍は刻々と情報を交換しながら監視していたでしょうし、原潜の探知できる周辺海域は緊張していたと思います。

◇安全保障の基本は「親米第一」
米国は世界一の強国です。NATOのような集団条約を世界中で結んでいてその中心に坐っています。集団条約でカバーできない国とは、日米安保条約のように2国間条約を結んでいます。敗戦後世界冷戦の下で、日本は米国主導の反共自由主義国家体制を建設し、経済的に成功しました。戦後日本誕生の経過、国民の対米感情や生活文化のあり方、経済上の国際的位置など、いずれの点からも「親米」を第一に置くのが適切であることは考えるまでもありません。

◇憲法9条成立経過における自衛権
憲法9条の成立経過を見ますと、昭和21年のGHQは自衛権さえ認めないで、日本をいつまでも丸腰国家で置いておくつもりでありました。同じ昭和21年の中国は特に日本が自衛権の名目で再軍備することに強い警戒感を示し、自衛権を認めないよう憲法で明文化すること望んでいました。おそらく当時の日本側政権の勝利であったと想像しますが、自衛権について、否定も肯定も明文化されませんでした。

◇誕生当時、自衛隊は占領軍の補完物
昭和22年になると、明治憲法天皇制体質の日本側政府とGHQは共産主義の脅威に注目し、日本の反共化を進めることで協調します。昭和25年朝鮮戦争勃発2週間後に警察予備隊募集を全国市町村役場で実施するという早業から想像しますに、再軍備の可能性を探る動きが昭和22、23年に始まっていただろうと想像します。このように誕生のときから、自衛隊は占領軍の補完物として成長してきました。

◇日米安保体制基軸
冷戦は自由主義陣営の勝利に終わりました。しかし東アジアにあっては冷戦時の力関係がまだまだ尾を引いています。今の状況下では、戦後日本と成長を共にしてきた日米安保体制を軍事的な基軸にするより他に方法はありません。

◇イラク派兵、国連常任理事国入り実績作りと自衛隊の戦地訓練
ドイツは日本と同じように被占領国でした。第2次世界大戦の自由フランス軍は米国の庇護下でドイツと戦いました。両国ともにNATO加盟国です。そして同じ西洋文明の同じ白人国として、米国との関係は日本より以上に密接です。日本はこれまで海外派兵をしないことを国是としてきましたから、イラク派兵を断ることはフランスやドイツよりはるかに容易です。

私は国連PKO初参加のときも今回のイラク派遣も、国連常任理事国入りのための実績作りだと受け止めています。国連常任理事国入りのために海外派兵をすることは、もってのほかと考えます。そして今、イラクのサマワ派遣部隊は短期交代することによって、自衛隊の戦地訓練場になっています。

◇北朝鮮をどう見るか
北朝鮮は経済的に崩壊に近い状態ですから継戦能力がありません。日本を臨戦態勢におけば、今の自衛隊でも勝てるはずです。昭和20年春以後の日本では内地国民でさえ負け戦に苦しんでいました。何百機という自爆特攻機を沖縄に送り、沖縄が滅亡し、広島・長崎が滅亡するまで、日本の指導者は戦争をやめませんでした。金正日は昭和20年の日本の指導者ほどに馬鹿ではないと思いますから、私たちが心の小さなナショナリズムをもって北朝鮮を不用意に刺激しない限り、北朝鮮が日本を攻撃するとは考えていません。 ※<追記> 金正恩体制の2016年2月の北朝鮮に対する評価は厳しいものになっています。

◇中国やロシア相手に戦争で勝てない
中国は大国です。日本は豊臣秀吉の時代に、中国に侵攻する遠望を持って朝鮮半島を侵略しましたが目的を果たすことなく撤兵しました。一言でいえば負けました。次に明治時代に日清戦争をして朝鮮半島を領土にしました。これは勝ちましたが、中国相手ということでは、中国領土を支配するという意味で勝ったわけではありません。日中戦争では、中国領土をかなり支配しましたが、支配確立に苦労しているうちに日米開戦となって、結果的に負けました。

朝鮮戦争では、共産党政権になった中国が参戦すると、米韓軍は一気に負け戦になりました。その後盛り返しましたが、完全に中国を負かすには原子爆弾が必要といわれていました。さまざまな政治的理由もありましたが、決着のところ、米軍は中国軍と引き分けで勝つことはできませんでした。その後、米軍はベトナム戦争で苦しみました。今またイラクでも思うようにいかずに苦しんでいます。

日清戦争は朝鮮半島で戦われたのであり、中国本土に攻め入ったのではありません。日露戦争は極東で戦われたのであり、コーカサス山脈の向こうのロシア本領に攻め入ったのではありません。そこまでいけば、明治日本は負けていたでしょう。

ロシア本土に攻め入ったナポレオン軍は敗北して、ナポレオンそれ自身の敗亡につながりました。ヒットラーのドイツ軍もナポレオン軍と同じ運命をたどりました。極東の日本が中国やロシアを相手に戦争をするなど、まともな頭脳では考えることではありません。

◇中朝韓ロになめられないようにするには!
「憲法9条の制約があるから中朝韓ロの諸国からなめられている」という意見には根強いものがあります。憲法9条の制約がなければ出兵するつもりでしょうか? ミサイル、戦闘爆撃機、戦車、イージス艦、航空母艦などをどんどん強化配備しますか? 兵器武器を増強すれば兵員数も増やす必要があります。

自衛隊の兵員数は慢性的に欠員状態です。兵器を操作し、武器をもって敵兵にぶつかる兵員が足りないとどうにもなりません。少子化によって兵隊の供給源である青年の数そのものが不足する時代です。それでもなお、兵員数を増やそうとするなら、徴兵制になります。

◇青年は兵隊の供給源です、自衛隊に入隊してください
憲法9条改憲論の人は真っ先に自衛隊に入隊してくれますか? 特に若い人、あなたが賛成する日本の国力強化のために、自衛隊に入隊してくれますか? どこの国でも、青年は兵隊の供給源なのです。あなたが高齢でムリなら、息子さんを自衛隊に送り込んでくれますか? あなたがいつもいっている日本の将来のために、将来ある息子さんを自衛隊に入隊させてもらえませんか?

他国を批判して自国の軍事力に頼ろうとすることは、軍事紛争に直面する覚悟が必要です。それはまた数々の人命を危険にさらすことを意味します。自分は安全圏内に安住して、誰かにその危険なことをやらせようと強く主張することは、無責任に過ぎます。

石原都知事なんかは、息子さんを自衛隊に入れるのでなく、代議士にしました。今、2人目の息子さんが代議士になれるようがんばっています。「浮沈空母発言」をし、防衛予算1%枠を廃止した中曽根元首相は東大を卒業して内務省に入ると同時に、速成教育を受けて海軍主計将校になりました。昭和16年夏に台湾・高雄に赴任しましたが、昭和19年から内地勤務で、戦闘はまったく未経験です。主計将校ですから食料・物品の不足ともまったく無関係でした。

◇日本は財政赤字です
日本は今、国も地方自治体も、収入減少財政赤字に苦しんでいます。憲法9条の制約を取り払うとまちがいなく防衛予算は増えます。戦車1両何億円です。ミサイル1発、何百万円か何千万円です。戦闘爆撃機は1機100億円とか200億円のベースではなかったでしょうか。

◇「国際交流力」主軸、「軍事力」補完軸
要するに、軍事力に関して物理的な打撃力を比較考量するなら、際限なく強化しなければなりません。そしてそれは人口や経済力の点で現実的ではありません。国の安全保障は、「国際交流力」を主軸に備え。「軍事力」を緊急事態のための補完軸にするのがいいというのが、私の結論です。

◇国家目的としての軍事力強化は非現実的です
日本の軍事力を強化しようとする考えは、(1)財政上の負担が大きく国民生活を苦しめる、(2)兵員数の充足を見込めない、の2点から非現実的です。防衛力強化論者の理屈を考えると、中ロに対抗できる軍事力を備えないと意味がありません。それ以下なら、わざわざ今より以上に軍事力を強化してもその費用効果は微々たるものでしょう。そして中ロに対抗できる軍事力を備えることは、兵員数の点で完全に不可能です。要するに、国家目的としての軍事力強化は非現実的です。中朝韓ロのことを何かあるごとに「ケシカラン、ケシカラン」といっても、弱い犬の遠吠えでは何の解決にもなりません。

◇「親米」、憲法9条擁護、海外派兵自粛は可能
「親米」と憲法9条擁護と海外派兵自粛は、外交上十分に成り立つと思います。ついでにいえば、沖縄米軍の基地面積は過大に過ぎ、沖縄県民の負担が大きすぎます。沖縄米軍の役割に対する評価や賛否とは別扱いにして、基地面積の縮小を急ぐべきと考えます。

◇小泉首相はイラク派兵を断るつもりなし
イラク派兵についていえば、アメリカとの交渉は十分可能だったと思います。小泉首相の派閥は森派で、森派は亀井派と同様に中曽根派の後身です。小泉さんは中曽根元首相の弟子筋ですから、もともとイラク派兵要請を断る気はまったくなかったと、私は見ています。

◇尖閣列島、竹島問題の遠因はアメリカ
尖閣列島の領有問題と竹島の領有問題は、国際法の領海が3海里から12海里に増えたから発生した問題です。国際的に3海里から12海里に認めさせたのは、アメリカです。しかし日本も、世界中でもっともこの恩恵に浴した部類に入ります。

1945年にアメリカの近くで発見された海底油田をアメリカが所有するために、領海を12海里に広げると宣言しました。そして、1982年に「国連海洋法条約」がつくられ、領海は12海里以内とすることが決められました。この条約では、あわせて「排他的経済水域」も決められました。これは陸地から200海里までの海は、その国が魚や海底資源をとったり管理する権利をもつというものです。公海と領海の中間の海という考えかたになります。つまり200海里の中を行き来するのは自由ですが、魚や海底資源をとるにはその国の許可が必要な海ということです。(公海と領海

◇参照:「平和、憲法」関連記事
「平和」は絶対的命題、安全保障効果は国際交流力>軍事力
憲法9条についてどう考えるか-私の結論
きょうは「沖縄慰霊の日」です
昭和天皇の政治的発言(6月1日朝日新聞記事転載)
小説家・目取真俊氏が靖国神社に思うこと
戦争体験聞き書き
「韓国国防白書1998」から抜き書き
ソ連戦闘機函館侵入、そのとき自衛隊は…
憲法につきまとう復古(ナショナリズム)勢力
占領政策の変化-非軍事化から再軍備へ
日本国憲法は国民に歓迎された
日本国憲法の誕生-資料集その1
日本国憲法の誕生-資料集その2
資料:日本国憲法条文(前文、第3章国民の権利及び義務)
資料:日本国憲法条文(第1章天皇、第2章戦争の放棄)


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「平和」は絶対的命題、安全保障効果は国際交流力>軍事力

2005-07-09 15:11:30 | Weblog

◇なぜ「平和」を求めるか?
不慮のできごとによって死にたくない。不慮のできごとによって身体障害者になりたくない。私はなんとしてもそういう危険を避けたいと思います。普通に生きて生活している人ならば、人種を問わず国籍を問わず、どの人も同じ思いでしょう。私にとってこの思いは必須の命題です。すなわち「平和」です。

私はまだ20年間は生きるでしょう。私の近所の人や仕事仲間はもっともっと生きるでしょう。私の子は19才と20才ですから、あと60年間は生きるでしょう。その学生仲間も私の子と同じように、元気に長生きするでしょう。

「平和」は私の生命の底からの生存の欲求であり、我が子の幸せを願う欲求であり、近所の人や遠くに住む友人や仕事仲間などの人たちも同じように暮らしたいという願望であり、皮膚の色の違う人やほかの国に住む人とも安穏な暮らしを喜び合いたいという願望です。

「戦争」では、国家のために殺人をしなければなりません。国家によって殺人をさせられるのです。殺されるのは恐ろしい。人を殺せば生命の底から病む。これも恐ろしい。


◇「平和」-絶対的な命題
「平和」は私にとって絶対的な命題です。これを動かすことのできない命題として、常に常に、頭の中に心の中に置いておきます。

◇「平和」→「安全保障」
この「平和」を国家目標や国際政治という政治レベルで考えるときは、「安全保障」ということになります。安全保障は、武力だけでなく、政治経済文化などあらゆる場面での国際交流を含みます。国際交流といえばプラス(+)効果をイメージしますが、日中間の歴史評価をめぐる軋轢や米国産牛肉の輸入禁止などマイナス(-)効果のできごとも、総合的に含みます。ですから、日本の安全保障を軍事レベルだけで考えることは、課題への取り組みが安易で素朴にすぎるといえます。

◇安全保障=軍事力という発想は電卓的、非合理的
安全保障の問題を「軍事力」の観点だけで評価するなら、兵員数・兵器武器数・弾薬数量・兵器武器性能・補給能力・部隊配置・同盟関係など、その評価要素は誰にもわかりやすいものです。しかし「…だから日本も対抗してこうしなければいけない」という軍事に限った議論は、議論に値しません。それは1+1=2のような、脳細胞の電卓的計算結果を示すにすぎません。

ずっと前からアメリカ政府が日本に要求し、最近に日本政府が採用を打ち出した敵ミサイル迎撃ミサイル防衛網の建設方針のように(これは日米の軍産複合体制の経済利権の臭いがします)、日本もアメリカと同等の兵器装備(核兵器を含む)が必要になります。それだけでなく、兵員数の不足を徴兵制で補うことだって、理屈の上では必要になるでしょう。

軍事力に寄りかかって国防論議をするのなら、中国、ロシア、北朝鮮に勝る総合兵力を持たなければ意味がない。しかしこれは兵員の動員可能数、食料・エネルギー・経済的持続力、国土の狭さを考慮すると、日本国にはムリなことです。おまけに軍事力偏重国防論議では、行き着くところは核兵器です。

昭和の15年戦争で、日本はアメリカにボロ負けでした。中国にも勝ちきることができなかった。軍事的国防論者は現実を知らぬ理想論だと平和論者を批判しますが、現実をわきまえないおバカなのは軍事的国防論者の方なんです。

◇安全保障の要素-伝統文化の役割は小さい
文化の要素を安全保障の観点で見てみましょう。政府は伝統文化や伝統芸能を大変重視しています。私には、国が予算をつけても、歌舞伎・茶・華に代表されるそれらが諸国民の生活に根付くとは思えません。日本の伝統文化は異国趣味として迎えられるか、少数の愛好家に迎えられるだけでしょう。

◇安全保障の要素-大衆文化の役割は特に大きい
しかし、政府の後押しとは縁のない、商業ベースで進出している日本のテレビドラマやポップミュージック、アニメやキャラクターは、アジア諸国民の生活レベルで歓迎され成功しています。NHK輸入ドラマに発した「ヨンさま・ジウ姫」ブームは、日本国民の対韓感情の垣根を一気に低くしました。これは安全保障の大切な要素です。

◇安全保障の要素-経済関係
今や生活必需品として欠かせない百円ショップの多くは中国製です。値頃感のある衣料品はほとんど中国製といってもよいでしょう。日本の家電メーカーや自動車メーカーも中国に生産工場を持っています。日本の貿易相手国第1位はアメリカ、第2位は中国です。日本と中国は共通利害の太いロープでつながっています。産業・投資等経済関係は安全保障の最重要の要素です。経済関係の問題では対外援助も大切な役割を果たしています。

◇安全保障効果は、国際交流力>軍事力
そのほかにも海外観光旅行や留学生の往来も無形の力になるでしょう。これら文化・経済・人など外国とのあらゆる往来や関係のことを、「国際交流」と呼ぶことにします。私は、「国際交流力」は常に「軍事力」より安全保障効果が大きいと考えます。

◇アメリカも、国際交流力>軍事力
たとえば、アメリカは世界一の軍事大国です。しかし経済力でも世界一ですし、アメリカ映画や音楽の影響力も世界一です。アメリカの持つ豊かな経済力と生活、楽しさに満ちたエンターテインメントの魅力が世界中の人々を引きつけています。これがアメリカを世界一にしています。これらが主で、軍事力は従であるというのが、私の考えです。



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