■東京都連通知の「親族等含む」連座制が話題に
現在進行中の東京都知事選は自民党推薦の増田寛也氏、自民党衆院議員の小池百合子氏、野党共闘候補の鳥越俊太郎氏の三つ巴になっています。自民党は分裂選挙になりました。
この分裂選挙のため、自民党東京都連が出した「都知事選挙における党紀の保持について」という文書が注目を集めています。猪瀬直樹元都知事のツィッターに発して、このニュースは数多くの媒体で広く紹介されています。
自民党都連「都知事選党紀保持」文書では、推薦候補は増田候補で、各級議員が小池候補に肩入れするならば、党紀に照らして除名等の処分をすると通知しています。小池候補は党員ですが、党の決定に反して立候補したので、これを応援すれば反党行為になります。そこで、「小池応援は処分をする」と通知を出しました。
問題になったのは、この文書中では「各級議員(親族等含む)」と書かれていたからです。連座制で罪を問う姿勢が問題になりました。さらに、党員親族等とは書かれていないので、自民党員でない親族にまで網をかけているのです。
自民党の各級議員たちは、なんらかの事情で自分が表だって応援するわけにいかない人に、自分の親族を身替りに応援に行かせてきた経験をお持ちなんでしょう。そうした経験があるから、そうはさせないという文書を出したのでしょう。
しかしながら、「連座制で罪を問う」という感覚は歴史時代のことです。現代民主国家では特殊な例外を除いて、連座制を認める法や組織はありません。
時代逆行的な自民党の体質がここに鮮明に顕れています。安倍自民党は、民主主義の健全な感覚に欠けています。
下に文書を転載します。興味がおありの方は、ネットの画像検索をしていただくと、見ることができます。
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平成28年7月11日
地域総支部長・選挙区支部長 殿
各級議員 殿
自由民主党東京都支部連合会
会長 石原伸晃
幹事長 内田茂
党紀委員長 野沢太三
都知事選挙における党紀の保持について
今般の参院選では多大なるご尽力を賜り感謝申し上げます。
引き続きの都知事選は、本日開催いたしました都連支部長・常任総務合同会議において、わが党の都知事選挙推薦候補に元総務大臣の増田寛也氏(64歳)を決定いたしました。
都知事選挙は、東京オリンピック・パラリンピックを控えた東京都政の舵取り役を決める極めて重要な戦いであります。都連並びに総支部、各級議員が組織総力を挙げて臨まなければなりません。更に党員・党友は団結し、より一層の挙党一致で勝利を目指して奮闘しなければなりません。
このような折、下記に挙げる事項を遵守され、わが党の候補者を強力にご支援下さるよう何卒、ご理解とご強力をお願いいたします。
記
1、党員は、党の決定した公認・推薦候補者を応援し、党公認・推薦候補者以
外の者を応援してはならないこと。
2、党員は、反対党の候補者を応援し、または党公認・推薦候補者を不利に陥
れる行為をしてはならない。
3、各級議員(親族等含む)が、非推薦の候補を応援した場合は、党則並びに
都連規約、賞罰規定に基づき、除名等の処分の対象となります。