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「山家集」 宮柊二訳 

2012-12-29 | 読書

清滝川 2009年7月


1972年河出書房新社発行 日本の古典11所収。

すべての歌が網羅されているのではなく、訳者が選抄、翻訳、解説したもの。

訳者は歌人なので、長い短歌の歴史を踏まえながら過不足なく解説してくれるので誠に読みやすく、芭蕉や明治以降の歌人への影響にも触れており、大変勉強になった。

これを読んで思ったこと。私もいつか山の中に庵を結び(は無理なので山の見えるワンルームマンションに棲み)、目が醒めたら起きて、眠くなったら寝る。本読んでネットして、たまに絵を描いたりして、ご飯は近所のコンビニで調達。たまに市内に戻って友人とランチ、情報交換。

うんと歳とったら、安い介護施設に入ってやっぱり山を眺めている。昔のことをいろいろ思い出してブログを続けている。。。。

よし、老後はこんな感じでいこう!!

ところで只今同居中のお方は?はて?さて?どこでどうしていますやら。きっと幸せに暮らしているはず。


好きな歌をいくつか。

春としもなほおもはれぬ心かな雨ふるとしのここちのみして

 静か、一人。

ふりつみし高嶺のみ雪とけにけり清滝川のみずのしらなみ

 嵯峨野からだと、当時はトンネルがないので低い峠を越えたのかも。西行のことだからほんとに行ったと思う。

たび人の分くる夏野の草しげみ葉末にすげの小笠のはずれて

 青空、夏雲。草原を分けて行く一人の旅の僧。草が茂るので笠が取れたりする。

雲雀あがるおほ野の茅原夏来れば涼む木かげをねがひてぞ行く

 さりながら昔の夏旅は大変。

とふ人の思ひたえたる山里のさびしさなくば住みうからまし

 孤独を友とする境地。強くなければここまでたどり着けない。例の「寂しさに・・・」より私は好き。

誰すみてあはれ知るらむ山ざとの雨降りすさむ夕暮れの空

 なんか水墨画になりそう。


言い訳。

年末、遊んでいるばかりじゃありません。今朝は台所、洗面所の掃除。玄関周りと道から見えるところのサッシを磨いてただいま小休止。

しめ飾りは夫の仕事場は毎年購入。我が家は水引細工の小さいのを毎年使う。20年くらい前にそごうで千円で購入。充分原価償却したと思う。それにつけても最近デパートへとんと行きませんね。

人と色彩の溢れてるのを見るだけで疲れる。欲しいものがなあーーーーんにもない。心はすでに隠者かも。さりながら、来年もこんな感じでのんびり行こう。

コメント (2)
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