昨日の地元新聞に、対馬丸生存者の講演会の記事あり。こちらは資料展示の記事。
それで本日、午前中、孫が来ていたけど、午後は帰ったので、出かけました。
かりゆしの開襟シャツを着て、演者の上原清氏は85歳、小学四年生当時の体験をな生々しく語ってくださいました。
生存者はごくわずか、暑くて甲板にいたこと、木の筏ではなく、偶然、竹の筏に乗っていたことなどの幸運が重なり、6日の漂流の後、奄美大島の岩場に流れ着いたことなど、子供がよくそこまで耐えられたものと、本当に驚きました。
琉球大学卒業後は教職につき、今は語り部活動をしているそうで、本日も手弁当で沖縄から来られたとか。
著作もあるそうです。
対馬丸に乗る子供たちは、旅行などする時代ではなかったので、とても楽しそうに集まって来たそうで、どんなときにも子供は楽しさを見つける天才、そのことがいっそう悲劇を際立たせます。また一緒に運動靴を買って船に乗り込んだ幼馴染の女の子は、助からなかったそうですが、淡い恋心のようなものがあったのでしょうか。だからこそ、いっそう胸に迫ります。
護衛艦二隻は遭難者を救助することなく、残った船を守りながら長崎へ向かったそうで、なぜ、と疑問を持たずにはいられません。
アメリカへの恨みはないかと問われ、明言は避けておられました。基地がたくさんあり、アメリカの話を持ち出すと、今の政治への踏み込んだ話もしないといけない。体験談だけにとどめておきたいと言うお気持ちを感じました。
これは広島の被爆体験談も同じ。戦争は災害ではないけれど、非核反戦への道筋をどう考えるかは極めて政治的な課題。その場で結論の出るはずもなく、それぞれの立場で考えることかなとも思う。逆にそれが、体験談の限界だとしても。
死者のために、生き残った人が語らねば。その強い気持ちを感じた講演会でした。
展示は25日まで。立町電停すぐ、広島経済大学立町キャンパスです。