画仙紙 全紙1/3
三陸の海を水墨画で描きました。
数年前、墨画展に出品したもの。作品名は「巨釜半造(おおがまはんぞう)」。
このたび、同地を訪ねたので、出してみました。
今回は好天で、豪快な海岸美と紺碧の海を堪能しましたが、前回訪れたときは、時折小雨がパラつくどんよりとした曇り空。
その時の折石(おれいし)の立つ巨釜をモチーフに描きました。
巨釜は、荒い波が大きな釜が煮えたぎっているように見えることに由来すると言います。その名のような激しい波しぶきを、ドーサ液を飛ばして表現しようとしました。ドーサ液は白抜きのために用います。しかし、迫力不足に納得がいかず、描き直しました。
今度は、さらに横殴りの雨を加え、荒波を表現しました。透明のドーサ液は仕上がりがどうなるか予測が大変難しい。シンプルな構図ですが、出来上りは別として思い出深い作品です。
また、その時感じたのは、三陸の知名度は高いけれど、「巨釜半造」の名はあまり知られていないことでした。
絵の表現の仕方には、いろいろなやり方があるんですね。
荒々しい巨釜半造の雰囲気が出ていますね。
お見事です。
ドーサ液を使うのはごく稀にです。
水墨画の表現にも種々の手法があるようです。