ビスタビジョンカメラについて
アメリカでテレビ放送が始まって
映画館の入場者数が減少しました
その対策として、小さなテレビ画面に
対して映画館の上映スクリーンを大きく
して観客を呼び込もうと、シネマスコープが
考案されました
シネマスコープはスタンダードの
撮影画面をアナモフィックレンズで
無理に拡大した結果、
スクリーンの鮮鋭度などに無理が生じました
… … …
単純にカメラのネガフィルムの画面サイズを
二倍にする方式としてビスタビジョンが
考案されました
スタンダードサイズの映画を制作する
カメラのフィルムマガジンは1000フィートです
映画は1秒間に24コマ撮影します
従って、1秒間にフィルムは1、5フィート走ります
(1000÷1、5)÷60≒11分
スタンダードサイズ・カメラのマガジンでは
約10分撮影できることになります
ビスタビジョンカメラでも1マガジンで
10分撮影しようとすればフィルムマガジンを
2倍にしなくてはなりません
ビスタビジョン用フィルムとして
1000×2=2000
2000フィートの長さの
大きなフィルム缶で輸入されるようになりました
ところが五反田現像所の
現像機では2000フィートの処理ができないので
撮影所の暗室で半分の1000フィートに
切断して使用しました
… … …
ビスタビジョンの撮影現場では
一つのマガジンで5分しか
撮影できませんでした