■■【心de経営】 社風は会社の心 1 自然にそうなる理由
新シリーズの【心de経営】は、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じて、発信しています。
【心 de 経営】は、毎月第2火曜日に掲載しています。当ブログは、そのバックナンバーとしての再掲載です。
【筆者紹介】 特定非営利活動法人日本経営士協会 藤原 久子
北海道札幌市出身、20年間の専業主婦を経て、会計事務所に約4年半勤務。その後平成元年7月に財務の記帳代行業務並びに経理事務員の人材派遣業の会社を設立し、代表取締役として現在に至る。従業員満足・顧客満足・地域貢献企業を目指し、企業の永続的発展を願う。
平成22年には横浜型地域貢献企業の最上位を受賞、続いてグッドバランスの受賞により、新聞、雑誌の掲載をはじめ、ラジオやWebTV(日本の社長100・神奈川県社長t v)に出演したりして、各種メディアで紹介されている。
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■ はじめに
自社の経営に当たりまして、何かと忙しい経営者に安心して事業に専念してほしいとの想いと、そして忙しい経営者に、私たちからは「もっと心の通いあうサービス提供を」という原点を忘れてはならないと常に考えております。また、「顧客第一主義」と「企業は人なり」の精神を揺るぎないものとして持ち続けることも大切です。
その信念に「学び」をプラスして更なる人間的魅力を形成してはじめて、従業員やお客様から信頼されるのです。そのためにも、まず自分自身を磨くことが大切です。
人にはそれぞれ自分なりの生き方があります。このメールマガジンを通して、当メールマガジンの購読者であります経営者様をはじめ、これから経営者として歩み始めるみなさまや日本経営士協会会員の気づきや学ぶ機会になれば、これほどに嬉しいことはございません。
■ あるエピソード
初回にあたり、最近ありましたあるエピソードをお届けすることに致します。
ある交流会での出来事です。その交流会を紹介してくださった友達の友達が経営する会社の経理事務員が、最近退職してしまいました。そのために、経理業務支援の依頼が、私たちの会社に突然舞い込んできました。
お話を聞いてみますと、その会社では、一人しかいない経理の人が既にやめてしまっていたのです。一方では、40名弱の会社の現場では、平常どおりに作業は進んでいます。その状況下で、1週間が経過しました。その経営者は、経理業務に支障が起こることを予感し、私たちの会社に、経理事務員の派遣を要請してこられたのです。
企業におきまして、受注対策という観点から、平素の人脈造りという行動が、いかに重要かを痛感しました。
■ 突然の業務依頼への対策
私たちの会社におきます業務の一つが、経理業務の人材派遣業です。しかし、経理がわかる社員を単に派遣するのではなく、私たちの会社の方針をキチンと理解し、教育をした社員を派遣しています。
このお客様への派遣業務にどのように対処すべきか、新規の引き合いがあるときにいつもするように従業員に相談をかけました。ある社員から「社長は今まで多くの困った人達に手をさしのべてきました。今度は私たち社員が協力してその会社を助けてあげないといけないと考えます。」という声がごく自然に上がってきました。
その時、勇気を出して手を挙げた別の社員が出てきました。その社員にとって、その会社の派遣業務を引き受けるということは、自分の負荷が増大することにつながります。現在担当している会社の対処に支障をきたすかもしれません。
すると、その社員とは別の従業員が、自ら、その会社をサポートしたいと名乗り出てきてくれました。そのおかげで、何とかこの新規の引き合いを受け入れる体制になり、安堵することができました。
■ 会社の仕組み
私たちの会社では、日頃からローテーションを組んで業務処理を行っています。そのために、社員同士がお互いの業務を理解しており、どのような仕事にも対処できるシステムになっていて、ここにそれが活かされたのです。
まだ2か月程の経過ではありますが、そのお客様からは大変喜ばれて、支援の遣り甲斐に結び付いております。また社内におきましても一層の結束力が深まり、チームワークの良さに拍車がかかっているように思われます。
今回のこのことは、私が指示を出したわけではなく、何よりも従業員同士で話し合い、自らで決めた、このプロセスを誇りに感じます。
■ 社風の質と重要性
企業経営で重視していることの一つに「思い遣りの心」があります。また人との繋がりもその連鎖であり、優しさに溢れた心で経営をしたいと願って25年歩んで参りました。
「その真理はどういうことか」を心の視点から紐解いてみましょう!
それは社風。社風は文化、暖かい経営にはあたたかい心が心髄にあります。たがいに補い合い、支え合う、相手を想う心、そこにある優しさ、愛おしさに包まれた環境の中で、次第に社風が構築されてゆくのです。