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【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】4ー09 抜本塞源 問題解決と原因除去 ~ 原則をおろそかにして道理を乱す ~

2024-12-21 12:03:00 | 【心 de 経営】 経営四字熟語・名言

  【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】4ー09 抜本塞源    問題解決と原因除去 ~ 原則をおろそかにして道理を乱す ~       


 
  四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
 経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
 四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
 以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。

第4章 判断力を養いベターな意思決定
 ビジネスだけではなく、日常生活におきましても、私たちから「判断」をするという作業を切り話すことはできません。同じ状況においても、人により判断結果は異なります。例え論理思考で現状や状況分析をキチンとできても、また例え思考力の高い人でも、判断の仕方次第でものごとがうまくいくこともあれば、うまくいかなかったり、さらには悪循環に陥ってしまったりすることもあります。
 四字熟語の中には、私たちが判断に迷わないように、また迷ったときのヒントを与えてくれたりもします。迷ったときに、答を教えてくれるわけではありませんが、解決の糸口が見つかりやすくなったり、解決の時間を短縮してくれたり、よりよい解決策を見出したり、現状が悪化するのを防いでくれたりと、ヒントを与えてくださる時にはそれにより助けられることもあるでしょう。
 4ー09 抜本塞源    問題解決と原因除去
      ~ 原則をおろそかにして道理を乱す ~



「抜本塞源(ばっぽんそくげん)」は、「根本を忘れ、道理を乱す」という意味で、出典は春秋左氏伝です。ところが近年は、「抜本」は木の根から全てを抜き、「塞源」は水源をせき止めるという意味から、「抜本塞源」は「災難の原因を完全に除去する」という意味で使われることが一般的です。
 問題を解決するということは、大小あれど日々の生活の中で、何らかの形で存在します。問題があっても「快刀乱麻(かいとうらんま)」のごとく解決できる神様のような経営コンサルタントがいたら素晴らしいと思います。「快刀、乱麻を断たつ」の略で、「快刀」は「鋭利でよく切れる刃物」、「乱麻」は「乱れ、もつれた麻」のことを指します。よく切れる刃物で、もつれた麻糸のもつれた部分を切り取るように「こじれた物事を鮮やかに解決し、処理する」という意味です。
 東日本大震災で起こった原発問題ですが、ピーク時に大需要を持つ企業の15%電力削減が一律に適用されました。マスコミもピーク時のことばかりに偏重して報道していました。
 一般家庭もピーク時電力削減ばかりに目が行ってしまいますが、ムダな電力消費そのものを減らすだけではなく、電力消費そのものを減らす努力をすべきです。ムダなTV番組を減らすことにより、制作側、放送局、視聴電力等々を減らすことができます。ただし、このことは経済原則からしますと、異なった見方ができますが、上述のように解釈したいと思います。
 一方で、それによる経済的な側面をはじめ、多面的にそれによるディメリットも検証しなければなりません。その際にも根本を忘れて枝葉末節的な論争を延々とやっていてはならないとお思います。因みに「枝葉末節(しようまっせつ)」は、「主要部分ではない些末なこと」、すなわち「本質から外れたつまらないこと」という意味です。
 企業経営においても、しばしば類似した過ちを犯しがちです。「赤字である」ということから、「経費削減」「人員削減」と決めつけてはなりません。人間も生きるために最低限度のエネルギーと栄養が必要なように、企業にもそれが必要です。
 正しく原因分析をし、原因を根本から除去し、正しい方針で、正しい方法で解決することが望まれます。他書でも記述していますが、分最適ができても、必ずしも全体最適とは限りません。素人の生兵法で判断しては抜本塞源にならないことが多いことを忘れてはならないでしょう。
 マズローの欲求五段階説にもありましょうに、生活程度が高くなりますと、人間のニーズは多様化し、複雑化します。抜本塞源を意識することにより問題解決に結びつけやすくなりますが、昨今では「盤根錯節(ばんこんさくせつ)」している課題にしばしばであいます。
 インターネットのkotobankによりますと「盤根(ばんこん)」とは、下記のように説明されています。
雑木、特にもみじやぶな、姫しゃらなど根張りを見所とする樹種において、上根が癒着してひとかたまりになった状態を盤と言い、その根を盤根と呼ぶ。


「錯節(さくせつ)」の「錯」は「乱れて入りくむ」と言う意味で、「節」は「ふし」のことです。kotobankでは「 入り組んだ木の節」とあります。また「入り組んでいて解決しにくい事件や問題」ともあります。
 すなわち「盤根錯節」とは、根が張り、それが入り組んでいましたり、枝が複雑に絡んで節がごつごつしているようなことを指します。このことから、物事が複雑に絡み合っていて、処理するのが難しいことのたとえなのです。
 企業経営というのは、いろいろな問題が絡み合っています。それを整理するのが別項にあります「論理思考(ろんりしこう)」です。ロジカル・シンキング・ツールを使って事象を整理するのは大変ですが、それを実施し、全体が見えてきたときには、問題が解決していない段階でありましても、嬉しくなり、何としても解決に導こうという気になります。
 受験生の頃、数学の難問集に取り組み、解決できたときの快感は、登山で頂上を極めたときのそれに通ずるところがありました。経営コンサルタントも、クライアント・顧問先の問題を解決できたときには「“日本で”経営コンサルタントをやっていてよかった~」と叫びたくなります。少々古いですが、「日本で猫をやっていて良かった」というTVコマーシャルを見た人はわかる表現です。
 京都の鞍馬山を訪れたことがある人はご存知ですが、地上に根が露出して、ゴツゴツとなり、非常に歩きにくいところがあります。牛若丸がそれを利用して、ここで修行をしたと言われています。
 これを見たときに、盤根錯節という言葉を思い出し、上を見上げましたが、木々はすんなりと育って、錯節状態ではありませんでした。
 叡山電鉄鞍馬駅→徒歩10分→由岐神社→徒歩15分→鞍馬寺→徒歩20分→鞍馬寺・魔王殿→徒歩30分→貴船神社→徒歩30分(またはバス)→叡山電鉄貴船口駅(ウェブサイトより)というルートをある年の初夏に歩きました。
 まさか、山越え・峠越えとは知らず、革靴で行ったために往生しました。革靴といってもウォーキングシューズですが、右足の親指の爪が内出血して、黒くなり、数ヶ月した今もまだ抜け切れていません。
 訪れるところがどういう状態の場所なのかを事前に調査もせず、山に行きますと、自然に圧倒されて遭難に至ってしまうこともあるでしょう。
 若い頃は、山歩きが好きで、南アルプスを始めあちこちには行きましたので、「半山男」と言えますのに、この顛末は恥ずかしい次第です。
 何ごとも事前に情報収集しないとこのようなことになると自戒しています。
 因みに「山紫水明(さんしすいめい)」は「自然に囲まれた景色は清々しく、美しい」という意味です。山派紫に霞み、川は清らかに澄んだ流れをしているという、一幅の絵を連想させる四字熟語です。
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