散歩でメジロを見かけるようになった。
そろそろ自宅あたりにも現れる頃である。
1週間前、メジロを呼び寄せて餌付けするために、庭にミカンとバードケーキを置いた。
すると、この後に理解出来ない現象が続いて起きた。
これはミカンで誘いケーキの旨さでとりこにしようという、例年の作戦である。
数日後、仕掛けた餌に変化があった。
バードケーキが一気に半分近く無くなっている。
しかし食痕が不自然である。
小鳥ならツンツン突いた食痕になるが、これは違う。
そぎ取ったような形をしている。
何者だろう?
一気に半分も食べられるような動物(例えばカラス)なら、丸ごと持ち去るのが普通である。
メジロ以外の小鳥は迷惑なので、餌を「メジロ御殿」の中に入れて、御殿の入口を茂みに向けて開放した。
メジロは生け垣などの茂みの中を伝って移動する習性があるからだ。
するとその翌日、さらにケーキの大きさが半分になっていた。
やはり食痕は小鳥らしくない。
このメジロ御殿の格子幅は23ミリ程度だから、メジロや小型のうぐいすしか通れない。
今度は、御殿の入り口を閉じて、メジロを気長に待つことにした。
ところがその翌日、バードケーキが消えてなくなった。
メジロが入り込んで食べたとしても、食べ尽くすまで数日かかる量があった。
それに小鳥がついばむと、ケーキの細かなクズが周り一面に散らばるのだが、それが全く見られない。
だから犯人は小鳥ではないのだろう。
御殿の扉は閉じたままだから、いわばこれはメジロしか通れない「密室」である。
中にあったケーキの大きさは、格子の幅よりもずっと大きかったから、犯人は御殿の中で全部を食べ終えて、格子の間をすり抜けて出ていった・・・
想像できるのは超小型のネズミぐらい。
ハツカネズミなら23ミリの格子を通れるかもしれない。
新しいバードケーキを入れて観察を続けてみるが、犯人が夜行性動物ならその犯行を目撃するのは無理だろうな。
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