「リュウキュウヨシゴイを探しに行かないか?」
ヨシゴイの近縁種で、まだ見たことのない鳥である。
珍鳥追っかけはやめて久しいのだが、友人にさそわれて某沼に出かけた。
沼の端には先着のカメラマン数人が並んで居た。
お目当ての珍鳥は、普通のヨシゴイと一緒に、目の前の葦原の中に潜んでいて、たまに姿を見せるらしい。
地元の人が「今日はまだだが、昨日は1回現れた」と言った。
ボクらも葦原にカメラを向けて待ち始めた。
目の前ではオオヨシキリたちが「ギョギョシ、ギョギョシ」とやかましく鳴いている。
時々、サンカノゴイの「ボォー」と声が聞こえる。
ヨシゴイたちは葦の下に潜んでいて、たまに葦を登っては一瞬だけ姿を見せる。
そのまま飛んだとしても、すぐに近くの葦の下に、再び隠れてしまう。
撮影は、広い葦原でモグラ叩きをしているようなものだ。
あやしいモグラは撮影するが、画像を再生して「これも違う」「これも違う」。
昼前から夕刻まで、立ちっぱなしで待ったが、とうとう珍鳥は姿を見せなかった。
珍鳥追っかけというのは、こんなものである。
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