熊本で買った、1.5キロ弱の奄美産ニンニク。
収穫したての未乾燥品ということもあって、青森産の半値以下で買えた。
採りたてのニンニクは、乾燥処理すると25%ほど軽くなる。
減った25%の重さというのは、ニンニク球の皮、茎、基部に含まれる水分である。
未乾燥のニンニクは、そのままでは黒ニンニクにするのが難しい。
奄美産ニンニクは、後部ラダーにぶら下げて強制風乾しながら、ボクらと一緒に高速道路を1200キロも走ってきた。
自宅到着後に計量すると20%軽くなっていた。
ニンニク球の茎も基部もカラカラになった。
ここまで乾けば炊飯器に仕込んでも大丈夫である。
加熱しない自然乾燥だから、美味しい黒ニンニクになると思う。
ところで、デコポンは光センサーで糖度テストをクリアーしてから「デコポン」を名乗らせるが、ニンニクには糖度テストが無い。
青森ニンニクの場合は、色白で形が良ければ等級が高くなる。
また、発芽抑制のために長時間加熱処理をしてから流通に出しているが、ボクはこれがクセモノだと思っている。
今までの経験では、未乾燥のニンニクを自分で乾燥させて作った黒ニンニクの方が甘くて美味しいのである。
ニンニクは発芽すれば商品価値が無くなるので、発芽抑制処理というのは、売り手にとって有利である。
長期保存が可能なニンニクがあれば、在庫切れさせることなく、いつでも受注に応じられるから、年間を通じて流通ルートを手放さないで済む。
これが青森ニンニクの強みなのだろうと思う。
国内シェア75%の青森ニンニクは、圧倒的な生産量を背景に、国の補助金で加熱乾燥設備を整えたと聞くから、この地位はもう揺るがないだろう。
他の零細なニンニク産地は、奄美ニンニクのように、収穫時期にだけ、低価格で店頭に置いてもらうしかない。