テストはペーパーではなく、タブレットに変わっていた。
前回の検査では「どうせなら満点を」と予習していったので、100点満点が取れた。
もちろん、認知症テストだから、満点を取ったところで褒められた話ではない。
普通なだけかもしれない。
問題の出題範囲はあらかじめ分かっているので、今回も予習をして臨んだが、思わぬ誤算があった。
テストは下記リストからひとつのパターン(16の絵)が示されて、それを全部記憶することになっている。
テストでは絵を4枚ずつ、4セット(16枚)見せる。
予習ではリストの64枚全部を記憶した。
4枚の絵ごとに物語を作っておけば、ひとつを思い出すと全部が出てくる。
上の絵の例では、
「包丁で割ったかぼちゃを馬に食わせていたらカブトムシが群がった」
という物語である。
前回の検査時に表の全部にこの物語を作ったから、今でもおぼろげな記憶が残っていて、今回は簡単に覚え直すことが出来た。
ところが想定外の誤算があった。
全部の物語を予習してすぐにテストに臨んだため、実際に試験会場で見せられた絵と、自宅で予習してきた絵の両方が思い出されて頭が混乱。
出題されていない絵を解答欄に書きそうになった。
どれだけ正解すれば合格なのか分からないが、この問題で満点を取るのは簡単ではない。
前回の検査とは違って、テストの点数は発表しなくなっていた。
突然、「合格したので、お帰り下さい」と言われただけ。
合格しても達成感はない、
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