ごっとさんのブログ

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新しいガンのワクチン治験へ

2017-07-24 10:38:07 | 健康・医療
理化学研究所は、免疫力を強化してガン細胞を殺す新たなワクチンを開発し、今月中にも臨床試験を始めると発表しました。

このワクチンを東京大学医科学研究所で急性骨髄性白血病を再発した患者に投与し、有効性や安全性を確かめるようです。ワクチンは、ヒトの細胞を遺伝子操作して作ったエーベック(aAVC)という細胞で、免疫の標的となる抗原を大量に作ってガン細胞を攻撃しやすくするほか、免疫細胞を活発にさせる働きを持ちます。

このエーベック細胞とはどんなものかを調べてみましたが、理化学研究所のプレスリリースは非常に難しくあまりよく分かりませんでした。

基本的には動物の免疫システムは、先天的なものでさまざまな種類の抗原を対象に初期防御を担う「自然免疫」と、抗体や多様な細胞性免疫応答によって特定の異物を強力に認識し排除する「獲得免疫」があり、両者が協調して働いています。

自然免疫には、マクロファージ、NK細胞などが関わり、獲得免疫はB細胞やT細胞の様なリンパ球が関与しています。この免疫システムには樹状細胞が重要な役割を果たし、自然免疫と獲得免疫を連結しT細胞の指令塔でもあるようです。

研究グループは、自然免疫と獲得免疫の両者を活性化させる多機能性の免疫療法を目指して生体内の樹状細胞を利用する方法を研究しました。この具体的研究成果について記載してありますが、あまりにも専門的であり私も分かりやすく書くことができませんので省略しますが、この樹状細胞の成熟化を促す細胞の作製に成功し、エーベックワクチンシステムを作り上げたようです。

本来この細胞を実際のガン患者の物を使うと、いわゆるオーダーメイド医療となるわけですが、簡便さを考慮して他の細胞を用いたものを放射線照射し、誰にでも使用可能なシステムとしたようです。

臨床試験では、患者に投与するエーベックの量を段階的に増やすなど有効な投与方法を見極め、期間は1年を予定しています。すでにマウスやイヌなど動物を使った実験では、ガンが縮小し効果の持続を確認しています。

これまでの抗ガン剤と違い、副作用や薬剤耐性を持つガンの出現は認められないようです。免疫療法に詳しい専門家は、「免疫の働きを総動員する独創的なワクチンで、細胞を大量に生産できる点も実用的である」としています。

どういうものかが若干よく分かりませんが、臨床試験で有効性が認められれば、かなり多くのガンに対する新しい治療法となりうるのかもしれません。