近年筋肉から分泌されるホルモン様の物質を「マイオカイン」と呼び、これが色々な病気を治していることが分かってきました。
これは2005年に筋肉から出ていることが発見され、「マイオ(筋肉)」「カイン(作動因子)」と名付けられ、その後色々な研究が行われています。
最近の研究では、ガンの末期になると急激にやせてきますが、これはガン細胞が自分自身が生存するために骨格筋に蓄えられているグリコーゲンやタンパク質をエネルギー源として使い始めるためと考えられています。この状態を悪液質(カヘキシア)と呼びますが、この筋肉の急激な衰えが死につながっているとされています。
ただしこのカヘキシアという概念は、数十年前はかなり注目されており、これを防ぐという研究も行われていましたが、最近はあまり聞いたことがなく単なるガンの症状として捉えられていると思っていました。
ガン細胞を移植し人工的にカヘキシアにしたマウスに、筋肉増強剤を投与した実験があります。筋肉増強剤を打たなかったマウスは筋肉が減少しすべて衰弱死したのに対し、投与したマウスはガン細胞が増殖しても筋肉量と体重が維持され10%しか死ななかったという結果が出ています。
このように筋肉が生命維持のために何らかの役割を果たしているようです。またガンに罹っていなくても運動している人は、将来のガン発症リスクが低いことが疫学的にわかっているといいます。
2015年のアメリカガン研究協会の調査では、肺ガンや食道ガンなど少なくとも13種類のガンに関して、運動の効果が確実にあると発表しています。この調査は特にマイオカインとの関連には触れていませんが、この記事の著者はマイオカイン分泌のためと考えているようです。
マイオカインは非常に多くの物質が含まれており、その中には大腸ガンにアポトーシス(細胞死)を働きかけ抑制する物質や、肝硬変につながる脂肪肝を改善する物質などもあるようです。糖尿病や動脈硬化、さらにうつ病やストレスにも効能がある物質も含まれています。その他認知機能の改善につながる物質や、アルツハイマー病の原因物質を減らす物質なども次々と見つかっているようです。
ホルモンではないのですがやはり筋肉中から分泌されるある酵素は、2型糖尿病を抑え込む働きがあるとされています。インスリンと同様に血液中の糖を吸収して細胞内に取りこむ作用があるようです。
こうして書いていくと人間のあらゆる病気をマイオカインが抑制しているようですが、すべて新しい物質ではなくすでに色々な臓器から分泌されている物質ばかりです。著者はこのマイオカインの分泌をうながすための運動を推奨していますが、寝たきりでない限り普通の生活の中で動かす程度で十分のような気がします。
これは2005年に筋肉から出ていることが発見され、「マイオ(筋肉)」「カイン(作動因子)」と名付けられ、その後色々な研究が行われています。
最近の研究では、ガンの末期になると急激にやせてきますが、これはガン細胞が自分自身が生存するために骨格筋に蓄えられているグリコーゲンやタンパク質をエネルギー源として使い始めるためと考えられています。この状態を悪液質(カヘキシア)と呼びますが、この筋肉の急激な衰えが死につながっているとされています。
ただしこのカヘキシアという概念は、数十年前はかなり注目されており、これを防ぐという研究も行われていましたが、最近はあまり聞いたことがなく単なるガンの症状として捉えられていると思っていました。
ガン細胞を移植し人工的にカヘキシアにしたマウスに、筋肉増強剤を投与した実験があります。筋肉増強剤を打たなかったマウスは筋肉が減少しすべて衰弱死したのに対し、投与したマウスはガン細胞が増殖しても筋肉量と体重が維持され10%しか死ななかったという結果が出ています。
このように筋肉が生命維持のために何らかの役割を果たしているようです。またガンに罹っていなくても運動している人は、将来のガン発症リスクが低いことが疫学的にわかっているといいます。
2015年のアメリカガン研究協会の調査では、肺ガンや食道ガンなど少なくとも13種類のガンに関して、運動の効果が確実にあると発表しています。この調査は特にマイオカインとの関連には触れていませんが、この記事の著者はマイオカイン分泌のためと考えているようです。
マイオカインは非常に多くの物質が含まれており、その中には大腸ガンにアポトーシス(細胞死)を働きかけ抑制する物質や、肝硬変につながる脂肪肝を改善する物質などもあるようです。糖尿病や動脈硬化、さらにうつ病やストレスにも効能がある物質も含まれています。その他認知機能の改善につながる物質や、アルツハイマー病の原因物質を減らす物質なども次々と見つかっているようです。
ホルモンではないのですがやはり筋肉中から分泌されるある酵素は、2型糖尿病を抑え込む働きがあるとされています。インスリンと同様に血液中の糖を吸収して細胞内に取りこむ作用があるようです。
こうして書いていくと人間のあらゆる病気をマイオカインが抑制しているようですが、すべて新しい物質ではなくすでに色々な臓器から分泌されている物質ばかりです。著者はこのマイオカインの分泌をうながすための運動を推奨していますが、寝たきりでない限り普通の生活の中で動かす程度で十分のような気がします。