ごっとさんのブログ

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薄毛・脱毛症に再生医療

2019-10-04 08:22:28 | 健康・医療
多くの人が薄毛や脱毛に悩んでいるようです。

私は幸い頭の前の毛はかなりありますので(当然後退していますが)、それほど自覚していませんが、床屋に行って最後に合わせ鏡で後頭部を見ると本当に薄くなっているなという気がします。まあ年齢を考えると当然ですのであまり気にしないことにしています。

この治療法として、歯科口腔外科、整形外科、皮膚科、形成外科など幅広い診療科で用いられている再生医療のひとつである「PRP(多血小板血漿)療法」が応用され始めています。

患者から採取した血液を遠心分離器にかけ、取り出したPRPを患部に注射したり、塗ったりする方法です。血小板にはさまざまな成長因子が豊富に含まれており、それを傷や慢性炎症の部分に投与することで組織の修復や再生過程を促すという仕組みです。

このPRP療法は、従来の治療法で満足する効果が得られない男性型脱毛症(AGA)症例や、適応薬の少ない女性の薄毛症例、また難治の円形脱毛症でステロイド薬などの副作用が出て治療できない症例などが適応されるようです。

基本的には毛根さえ残っていれば、そんなタイプの脱毛症でも、何年経過していても適応可能です。

治療の流れとしては、まず採血(最低40cc)し、そして頭部に表面麻酔(クリーム)とブロック注射(10カ所)で麻酔をかけます。表面麻酔が効くまで1時間ほどかかるので、その間に採取した血液からPRPの抽出・調整をしておきます。

1回の治療でPRPは4~5cc、それに成長因子を患部に長く留めるためのドラックデリバリーシステム(抗凝固薬と中和薬)を1ccと麻酔薬1ccを配合し、トータル6~7ccの調整したPRPができます。

それを注射器で脱毛の範囲に細かく注射していき、治療時間は平均30分ほどのようです。頭髪の毛周期は、成長期(3~6年)→退行期(2週間)→休止期(3~4か月)を繰り返しています。

AGAでは、複数の成長因子が複合的に働いて、休止期から成長期への移行を促進し、成長期を長く維持するとしています。効果は患者の血液の状態で左右され、全ての人で同じ効果を得るわけではないようです。

AGAの場合は男性ホルモンが原因なので、プロペシアなどの飲み薬を併用した方が効果的といいます。このPRP療法は自己血液を使うので副作用が非常に少ないのがメリットですが、残念ながら健康保険が適用されません。

そのため自由診療となり、1回12万円程度で6回コースは54万円とかなり高額となります。若禿げなどで悩んでいる人は、費用対効果の見方で、満足度は異なりそうですが試してみる価値はありそうです。