毎晩のように見る人のいる「夢」が精神機能と関連していることを確立したのは1930年代のフロイトといわれています。
フロイトによれば夢は抑圧された願望の無意識的な発露であり、その暗示を読み解き抑圧から解放することで、本人も自覚しないストレスに起因する種々の心身症状が治癒し得るとしていました。
その後の脳科学の進歩につれて、夢の解釈による治療は科学的根拠に乏しいという批判が高まり、汎用性や再現性も十分に実証されていないこと、簡便な手法ではないことなどの理由から、現在の精神医療の中ではほとんど行われることはありません。
夢の多くはレム睡眠中にみており、レム睡眠中に被験者を起こすとかなりの高率で直前まで鮮明な夢を見ていたことを思い出せます。レム睡眠は睡眠開始後に約90分の周期で出現し、一晩に4,5回ほど繰り返します。
明け方になるほどレム睡眠は長くなり、鮮明でストーリー性のある夢を見やすいとされています。「夢を見る」と表現するように夢は視覚体験が中心ですが、レム睡眠時には脳の下部に存在する脳幹から視覚に関わる大脳皮質を活性化する神経刺激が発せられるためのようです。
レム睡眠中に大脳皮質がランダムに活性化され、各領域に保存されたさまざまな記憶が引き出され、夢体験となると考えられています。もちろん大脳皮質の活性化のされ方によっては、音や匂いに満ちた夢があっても不思議ではなく、そのようなユニークな夢を見る人もいるようです。
その一方で、夢を全く見ないという人もいますが、当然レム睡眠は出現しています。普段ほとんど夢を見ないという被験者でも、レム睡眠中に起こすと夢を見ていたと答えることが多いので、実際には夢をみてはいるが起床後に思い出せない場合が多いのかもしれません。
なぜ思い出せる夢と忘れる夢があるのかは、その違いが生じるメカニズムはよく分かっていません。PETなどを用いて睡眠中の脳の活動を調べると、怒りや恐怖などの情動の発生や記憶に関わる「偏桃体」や、記憶の保存に重要な「海馬」などの脳部位がレム睡眠中に活性化することが分かっています。
レム睡眠は覚醒中に体験した事項の中で覚えておく必要のないものを消去したり、記憶に伴う過剰な情動を弱めることに一役買っていると考える研究者もいます。
この辺りはかなり専門的になりますので省略しますが、レム睡眠中に記憶を消去しているという研究結果が出ているようです。夢を見ない人は効率よく記憶を消去して、翌朝に持ち越さない効率の良い人といえるのかもしれませんが、所詮は夢のような話しなのかもしれません。
フロイトによれば夢は抑圧された願望の無意識的な発露であり、その暗示を読み解き抑圧から解放することで、本人も自覚しないストレスに起因する種々の心身症状が治癒し得るとしていました。
その後の脳科学の進歩につれて、夢の解釈による治療は科学的根拠に乏しいという批判が高まり、汎用性や再現性も十分に実証されていないこと、簡便な手法ではないことなどの理由から、現在の精神医療の中ではほとんど行われることはありません。
夢の多くはレム睡眠中にみており、レム睡眠中に被験者を起こすとかなりの高率で直前まで鮮明な夢を見ていたことを思い出せます。レム睡眠は睡眠開始後に約90分の周期で出現し、一晩に4,5回ほど繰り返します。
明け方になるほどレム睡眠は長くなり、鮮明でストーリー性のある夢を見やすいとされています。「夢を見る」と表現するように夢は視覚体験が中心ですが、レム睡眠時には脳の下部に存在する脳幹から視覚に関わる大脳皮質を活性化する神経刺激が発せられるためのようです。
レム睡眠中に大脳皮質がランダムに活性化され、各領域に保存されたさまざまな記憶が引き出され、夢体験となると考えられています。もちろん大脳皮質の活性化のされ方によっては、音や匂いに満ちた夢があっても不思議ではなく、そのようなユニークな夢を見る人もいるようです。
その一方で、夢を全く見ないという人もいますが、当然レム睡眠は出現しています。普段ほとんど夢を見ないという被験者でも、レム睡眠中に起こすと夢を見ていたと答えることが多いので、実際には夢をみてはいるが起床後に思い出せない場合が多いのかもしれません。
なぜ思い出せる夢と忘れる夢があるのかは、その違いが生じるメカニズムはよく分かっていません。PETなどを用いて睡眠中の脳の活動を調べると、怒りや恐怖などの情動の発生や記憶に関わる「偏桃体」や、記憶の保存に重要な「海馬」などの脳部位がレム睡眠中に活性化することが分かっています。
レム睡眠は覚醒中に体験した事項の中で覚えておく必要のないものを消去したり、記憶に伴う過剰な情動を弱めることに一役買っていると考える研究者もいます。
この辺りはかなり専門的になりますので省略しますが、レム睡眠中に記憶を消去しているという研究結果が出ているようです。夢を見ない人は効率よく記憶を消去して、翌朝に持ち越さない効率の良い人といえるのかもしれませんが、所詮は夢のような話しなのかもしれません。