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命に関わる急性膵炎のはなし

2021-11-17 10:25:50 | 
内臓の奥にひっそりとたたずむ膵臓は、普段はほとんど意識すること無い臓器のようです。

これが急性膵炎に罹ると、激しい腹痛や吐き気が起こり命に関わるとされています。昔私の同僚もこの急性膵炎になりましたが、とにかく腹痛が激しく本当に死を意識したといっていました。

膵臓は胃の後ろにある長さ15センチほどの臓器で、主に二つの役割があります。ひとつは食べ物を消化する膵液を十二指腸に出すことと、もうひとつは血液中の糖分の量を調整するインスリンなどのホルモンを分泌することです。

膵液は胃から送られた食物から栄養分を取り出すため、デンプンなどの炭水化物、タンパク質、脂肪を分解する酵素を豊富に含みます。やや弱いアルカリ性で、1日1リットル弱が主膵管という管を通じて十二指腸に送り出されます。

この主膵管が詰まるなどして、膵液があふれ出して炎症につながり、膵臓が腫れあがり激しい腹痛や吐き気、発熱などの症状が出ます。

国内では年間10万人あたり約50人が発症し、近年やや増加傾向にあると指摘され、男性の患者が多く女性の約2倍になっているようです。主な原因はアルコールと胆石と言われており、男性では飲みすぎで女性では肥満による胆石が目立ちます。

酒を飲みすぎると、膵臓の細胞が痛んで発症し、さらに過剰に摂り続けると慢性膵炎になる恐れもあります。脂っぽいものなど偏った食事や喫煙も危険を高めます。胆石は胆のうで胆汁の成分が固まったもので、十二指腸につながる胆管の出口で詰まることがあります。

主膵管と胆管は、ともに十二指腸の乳頭という場所で開いており、胆石が膵管を圧迫して膵炎が起きることがあります。このほか胆のうや膵臓の病気での内視鏡治療による合併症、脂質異常症、薬が原因になることもあるようです。

血液検査、超音波、CTなどで膵炎と診断されれば、入院して絶食し点滴を始めます。胆石が原因であれば内視鏡を使って除去します。重症化すると膵臓の他、周囲の細胞や組織が壊死し死亡するリスクも高まります。

また腸内の細菌が壊死した場所に感染すると、膿が溜まった状態になり激しい炎症が全身に広がって、敗血症や多臓器不全の恐れが高まります。

以上のように一旦発症すると恐ろしい病気ですが、これといった予防法はないようです。よく言われる禁酒や体重のコントロールなど生活習慣を見直す程度のようです。

先の私の同僚もこれといった原因はなく、胆石もありませんしそれほど酒のみでもありませんでした。幸い再発もなかったのですが、発症したら運が悪かったという類の病気のような気もします。


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