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母国語以外の言語の学び方、「第二言語習得理論」

2022-07-07 10:39:19 | その他
私は若いころ結構頻繁に海外出張(国際学会での発表)をしていたのですが、英語が苦手なまま過ごしていました。

英会話教室に行ったり、教材を購入して勉強したりしていましたが、通常の英会話は本当に苦手でした。私が50歳になった時、国が主導の研究所に出向しましたが、ここは非常に国際色豊かなところでした。

外国人のポスドクや研究員も多く、アジアからの研修生も毎年受け入れていました。この中に韓国の著名な微生物学者が、科学交流ということで滞在していました。

このキム(金)さんは私より少し上でしたが、歳も近いこともあり喫煙所に良く誘われていました。このキムさんは英語がきれいで、分かりやすくタバコを吸いながらいろいろと話をしました。

こういうことがきっかけで英会話がそれほど苦にならなくなっていきました。結局英語を話さざるを得ない状況に置かれ、キムさんという良い先生に恵まれたことから英語が身に付いたような気がします。

さてこのような母国語以外の言語を学ぶための「第二言語習得理論」というものがあるようです。

第二言語習得研究は、学習者が母国語以外の言語をどのように学ぶのか、その習得過程を研究・解明しようとする分野で、心理学、言語学、教育学などと関わり、さらに広義には外国語教授法も含まれる学際領域であるとしています。

この発展の歴史を分類していますが、日本の基本は20世紀初頭に開発された、「訳読式教授法」が基本となっているようです。訳読式教授法とは、テキスト(文字)ベースで母国語に訳読して理解するための学習方法です。

日本の学校の英語教育は、この訳読式教授法に相変わらず強い影響を受け、100年以上この方法が続いているといってよいのかもしれません。その後でてきたのが母国語の介在なしに直接的に目標言語を学習させる外国語教授法で、「直接教授法」と呼んでいます。

これは訳読式に対する反動として出現した物であり、学習プロセスは自然性を重んじるべきだという理念に基づいています。ただし学習活動から翻訳的作業を排除した功績は認められるものの、教室における母国語の使用を禁じることには疑問の余地があると指摘されています。

それでも英会話教室の中にはこの直接教授法を100年以上守っているところもあり、多くの英会話教室はこの理論的発展の段階に留まっているようです。

現在の英語教育がどのようになっているかは分かりませんが、中高生は非常に多くの単語を暗記し、英文和訳が主体となっているような気がします。

つまり和文英訳が苦手な状況では、英会話は上達しないという問題はまだまだ続くような気がしています。


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