日本列島は春本番を迎えていますが、季節の変わり目のこの時期に心身の不調を訴える人は少なくないようです。
こうした心身の不調への解決策として注目を集めているのが、漢方薬や鍼灸治療などの「東洋医学」となっています。
ただし私はこの漢方薬にはやや胡散臭い感じを持っていました。かなり前ですが発熱した折に行きつけのクリニックに行ったところ、風邪と診断され漢方薬が処方されました。この時は漢方薬ではなく、普通の風邪薬を出してほしいと思った記憶があります。
さて気象病ともいわれる天候による体調不良の原因が、東洋医学の治験によると「水毒」という体内の水のバランスの乱れによって起こるとされています。こうした水毒に対しての治療法としては、古くから「五苓散」と呼ばれる漢方薬が使われてきました。
キク科植物の根やキノコの仲間などの生薬からなり、「水のバランスを整える」作用があります。天気による不調の症状である頭痛やめまい、むくみなどの改善に処方される最もメジャーな漢方薬となっています。
こうした中「五苓散」の謎の解明に東京理科大学の研究グループが挑んでいます。研究グループが注目したのは、細胞を囲む細胞膜に存在する「アクアポリン」と呼ばれるタンパク質です。
これは細胞の内外にある水分子を通して、体内の水分を調整する重要な働きを持っています。そこで研究グループは、五苓散とアクアポリンとの関係を調べるため、マウスの体に水を注入し水分バランスを崩す実験を行いました。
五苓散を与えたマウスの脳では、何も与えなかったマウスと比較して脳内の水分量が制御されていました。つまり五苓散によってアクアポリンが水を通す働きが阻害され、水分バランスの崩れを調節することが確認されました。
さらに五苓散がアクアポリンを阻害する作用は、体内の水のバランスが崩れた場合のみ発揮されることも分かってきました。研究グループによると西洋薬でアクアポリンの働きを阻害するものは見つかっておらず、現在のところ五苓散だけに確認される効果だとしています。
古くから「水」を調節するとされてきた漢方薬の効果が、分子生物学のレベルで解明されたという事になります。今回の結果で分子生物学が出てくるのはやや疑問がありますが、現代科学での検証であることは確かです。
漢方薬は非常に長期にわたる中国の「人体実験」から生み出されたものとされていますので、効果があることは確かでしょう。たぶんこれからもこういった漢方薬が科学的に検証されて行けば、安心して利用できる「エビデンス」となっていくのかもしれません。
こうした心身の不調への解決策として注目を集めているのが、漢方薬や鍼灸治療などの「東洋医学」となっています。
ただし私はこの漢方薬にはやや胡散臭い感じを持っていました。かなり前ですが発熱した折に行きつけのクリニックに行ったところ、風邪と診断され漢方薬が処方されました。この時は漢方薬ではなく、普通の風邪薬を出してほしいと思った記憶があります。
さて気象病ともいわれる天候による体調不良の原因が、東洋医学の治験によると「水毒」という体内の水のバランスの乱れによって起こるとされています。こうした水毒に対しての治療法としては、古くから「五苓散」と呼ばれる漢方薬が使われてきました。
キク科植物の根やキノコの仲間などの生薬からなり、「水のバランスを整える」作用があります。天気による不調の症状である頭痛やめまい、むくみなどの改善に処方される最もメジャーな漢方薬となっています。
こうした中「五苓散」の謎の解明に東京理科大学の研究グループが挑んでいます。研究グループが注目したのは、細胞を囲む細胞膜に存在する「アクアポリン」と呼ばれるタンパク質です。
これは細胞の内外にある水分子を通して、体内の水分を調整する重要な働きを持っています。そこで研究グループは、五苓散とアクアポリンとの関係を調べるため、マウスの体に水を注入し水分バランスを崩す実験を行いました。
五苓散を与えたマウスの脳では、何も与えなかったマウスと比較して脳内の水分量が制御されていました。つまり五苓散によってアクアポリンが水を通す働きが阻害され、水分バランスの崩れを調節することが確認されました。
さらに五苓散がアクアポリンを阻害する作用は、体内の水のバランスが崩れた場合のみ発揮されることも分かってきました。研究グループによると西洋薬でアクアポリンの働きを阻害するものは見つかっておらず、現在のところ五苓散だけに確認される効果だとしています。
古くから「水」を調節するとされてきた漢方薬の効果が、分子生物学のレベルで解明されたという事になります。今回の結果で分子生物学が出てくるのはやや疑問がありますが、現代科学での検証であることは確かです。
漢方薬は非常に長期にわたる中国の「人体実験」から生み出されたものとされていますので、効果があることは確かでしょう。たぶんこれからもこういった漢方薬が科学的に検証されて行けば、安心して利用できる「エビデンス」となっていくのかもしれません。
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