ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

明日のブログ休みます

2015-07-25 23:22:09 | 日記
明日はかみさんのサックスの発表会です。リハーサルから付き合いますので、かなり早く家を出て、発表会が終わった後は例年飲み会になりますので、帰るのも遅くなります。どうも更新する時間がないので、明日のブログはお休みです。たぶん次の日に発表会の様子を書くつもりです。

書評 「土漠の花」

2015-07-25 10:24:01 | 文化
安全保障関連法案が衆議院を通過し、集団的自衛権行使の準備が進んでいるようです。この衆議院の特別委員会審議の中でも、こういった活動をすると自衛隊員のリスクが高まるのではないかといった議論が行われました。後方支援といってもどんな活動かのイメージがよくわかりませんが、必要な物資の補給などはかなり戦闘地域に近くなるような気がします。やはり戦闘状態にある国に入れば、どんな突発的な事件が起こるかもわからず、危険と隣り合わせになる可能性は高いような気がします。

ここで紹介する「土漠の花」(月村了衛著、幻冬舎)は、まさにこのような海外に人道派遣されている自衛隊が遭遇した事件の物語です。これは数か月前に新聞広告が出ており、幻冬舎の新刊2冊が宣伝されていました。なんでこの2冊を読んでみようという気になったか分かりませんが、最近は冊子版が出ると同時に電子版も出るようで、2冊をタブレットに購入しました。

「土漠の花」はソマリアが舞台で、自衛隊員12名が不時着した可能性のある、国連軍のヘリコプターの探索救助に向かうところから始まります。この救助活動中に、現地の少数民族の活動家の若い女性が助けを求めて来たことから、物語が展開します。当然この女性を追ってきた他の部族の民兵たちと戦闘状態になり、いかにこの女性を守って自衛隊の駐屯地まで帰ることができるかがテーマになっています。

この女性と自衛隊員を助けた村が、敵に襲われ全滅されるといった、内戦のむごたらしさも背景となっています。自衛隊員の活躍が丁寧に書かれていますが、敵の武器を奪って戦ったり、瞬時に作戦を立て行動するのは、やはり自衛隊と呼んでいても、れっきとした軍隊であることがよく書かれています。また伏線として、ある隊員は射撃競技などでは優秀な成績を収めているのに、いざ人に向かって発砲しようとすると、引鉄が弾けないといった苦悩や、自衛隊内のいじめで自殺した友人と、それに関与した隊員との確執などがちりばめられており、それが生死のはざまの中で面白く展開しています。

私の感想としては、あまりにも追手との戦闘場面が多いような気がしましたが、現地の恐ろしい砂嵐や厳しい気候の中での戦闘がうまく描かれています。結局この活動の中で多くの戦死者が出てしまいますが、不慮の事故死として処理されています。たぶん実際の派遣自衛隊も、いくら人道支援だけしていると言っても、戦闘に巻き込まれる可能性を示した1冊と言えるのかもしれません。

なんとなく書いてみましたが、これで書評になっているのか自信はありませんが、エンターテイメントとして楽しめる本であることは確かです。

アルコールの話し

2015-07-24 10:40:40 | 化学
私の専門的なことについては、あまり書いてきませんでしたが、身近な化合物について少し書いてみることにしました。カテゴリーもあまり適切なものがなかったので、「化学」というカテを追加しました。

まずアルコールを取り上げてみます。化学的に言いますと、アルコールというのは物質の名前ではなく、アルコール類という一連の化合物群の総称ですが、通常はエチルアルコールを指すことが多いようです。実はこのエチルアルコールというのも、通称で正式にはエタノールが化合物命名法に沿った名前ということになります。

エタノールというと酒ですが、その前に化合物として簡単に説明します。エタノールは無色透明の液体で、沸点は78℃と水より揮発性が高く、比重も水より軽いさらさらの液体です。水と共沸する性質があり、蒸留だけでは完全に水を除くことはできず、96%程度が限界とされています。これより純度を高くするには特殊な操作が必要で、通常市販されている無水エタノールでも99%程度となっています。

合成法は大部分が発酵法で、セルロースやでんぷんなどの多糖類を加水分解し、ブドウ糖としたのち微生物の解糖系を利用してエタノールとするのが一般的です。一部は工業的製法として、エチレンへの水の付加という方法でも製造できます。用途はもちろん酒としての飲料用ですが、現在は燃料用が多くなっているようです。また殺菌剤としても有用で、主に70%エタノールに若干の添加剤を加えたものが使用されています。工業用エタノールとしては、接着剤、インク、塗料、その他の化学品原料として使用されています。

自動車燃料としてのバイオエタノールが話題になっていますが、単に微生物発酵によって製造したエタノールというだけで、特別なものではありません。私はこのバイオエタノールを、燃料として使用することには賛成できません。エタノールの燃焼性はあまり高くありませんので、助燃剤の添加も必要です。特に多くのバイオエタノールは、でんぷん類(トウモロコシ、小麦など)という食料や飼料になるものを原料として用いており、食料高騰の原因となりかねません。バイオマスと呼ばれる非食料用植物を利用するならともかく、食料を手間をかけてエタノールとして、それを燃料にしてしまうというのは、あまりにばかばかしいような気がします。
エタノールの人間に対する作用は、酒の話になってしまいますので、これは次回に書きたいと思っています。

読書と書評に関して

2015-07-23 10:36:48 | 文化
先日本を読まなくなり、タブレットを購入して少しは読むようになったという話を書きました。

最近はいろいろな本が電子書籍として出回るようになっています。電子書籍になることにより、簡単に持ち運べるし字の大きさなども調整可能で、読みやすくなったことは確かです。それでも本にこだわっている人はいるようです。かみさんも編集・校正といった仕事を自宅でやっていますので、本拘り派なのですが、どこが良いかを聞いてみました。そうするとまず帯や装丁といった外観が重要なようですし、新しい本のインクのにおい、パラパラとめくった時の指の感触などが出てきました。どうもあまり本質的なものではないようですが、これからも本は残りそうな気もします。

私は手軽さとなにより読み終わった本が邪魔にならないという大きなメリットがありますので、電子化されている限り、タブレットで読んでいます。一度コミック(漫画)のシリーズを読んだことがあります。もともとは蕎麦屋でできるのを待っている間、第一巻を見ていたのですが、物語の設定もなかなか面白く、初めて見る漫画家でしたが、きれいな絵で記憶に残っていました。しばらくたって思い出し、電子版があるのか探してみましたが、もちろん入っていました。しかも第一巻は無料になっています。漫画はすべて画像ですので、やや重くダウンロードに時間がかかりますが、タブレットの容量からすると問題なさそうなので読み始めてみました。

2巻目から有料ですが、これはよくあることで、夜寝る前に15分ほど見るのを楽しみに進んでいきました。ところがやや汚いのは、30巻ぐらいになって値上がりしたのです。このあたりのシステムはよくわかりませんが、ここまで見て行って中断するわけにはいきませんので、続けてしまいました。結局最後が43巻で、相当な金額になりましたが、まあ満足できる作品でした。先ほども書きましたが、本の欠点は一度購入すると読み終わってもなかなか捨てるのが難しいものです。この43冊の本を家に置いておくというのは、相当邪魔になりますが、これがすべてタブレット内で収まっているというのは、本当に良い点です。

その後は新聞広告で目に留まった本や、何かで話題になった本など読んでおり、ここではその書評を書くつもりでした。私は書評を書いたことがなく、基本的には書評も読んだことがありません。本を読むのは、あまり予備知識的なもの好まず、何となく読み始めるのが好きでした。
そこで私としては初めての試みとして、書評を書くことに挑戦してみようとしています。それが2回も本に関する雑談風になりましたので、次こそ挑戦します。

酵素という名前の健康食品

2015-07-22 10:22:15 | 健康・医療
このところ健康食品について批判的な記事を書いていますが、私はもともと健康食品不要論者ですし、実際経口吸収性がなかったり、飲んでも消化分解されてしまうものが多いことも確かです。たぶん多くの健康食品はいわゆる「プラセボ効果」しか期待できないものが多いようです。今回取り上げるのは、名前に「酵素」がついているような健康食品です。私はテレビや新聞・雑誌の広告しか見ていませんので、推定の部分も多くなっています。

この「何とか酵素」という健康食品は、ほとんどが発酵食品のようです。「酵素」というのは、生命の体の中で、いろいろな反応を触媒する(反応を加速したり、進行を助ける)タンパク質のことです。生命の維持には欠かせない物質で、通常必要なときに作られ、役目が終わると分解されてしまいます。代表的なものとしては、タンパク質を分解してアミノ酸にするプロテアーゼ(これもいろいろな種類がありますが)、でんぷんを分解してブドウ糖にするアミラーゼなどがあります。普通はかなり不安定で、体内から出すとすぐに失活(触媒作用がなくなる)するという性質を持っています。また通常は口から摂取しても、消化酵素以外は普通のタンパク質として消化分解されてしまいます。

発酵食品としての何とか酵素というのは、色々な食物を長時間かけて熟成していると説明されています。発酵というのは、微生物を培養することですが、そこから転用され微生物を用いて何かを作ることをすべて発酵と呼んでいます。日本は酒をはじめ、醤油・味噌といった発酵食品が多数存在しています。たぶんこの応用ですが、科学的に考えると、発酵というのはタンパク質やでんぷんなどの部分分解といえます。この健康食品は、食物の原型がなくなるまで部分分解したものといえます。ですからその主な成分は、でんぷん類が分解されたオリゴ糖とタンパクが分解されたペプチド類と考えられます。

これらの成分は、原料となる食物が何であっても、大体同じような組成になるはずです。何を原料にしたかを謳う広告もありますが、できるものはなんでも同じで、ほとんど意味がありません。こうやって作った発酵物が何の役に立つのかは、広告を見てもよくわかりません。何となく体が元気になる効果があると言っているのかもしれません。しかし当然ながら、微生物がどんな形に分解しようと、人間が飲めば完全に分解されてしまいます。

それでもこれだけ宣伝し、売れているというのは、プラセボ効果以上の何か良い点が出るのかもしれません。それでもこういったものを作ってみようとする発想は、なかなか面白いような気がします。