ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

またまた健康食品

2015-07-04 10:32:50 | 健康・医療
ウインブルドンテニスでは、錦織が2回戦を棄権してしまったため、楽しみにしていた大会が3日で終わってしまいました。

代わりに誰を応援するかで、勝手に錦織のライバルといっているラオニッチにすることにしました。問題は第7シードですので、テレビ中継されるかどうかでしたが、昨日の3回戦はうまく放映されていました。ところがなんとオーストラリアの新鋭20歳に1-3で負けてしまいました。中盤から動きが悪くなり、どうも手術をした足の調子が万全ではなかったようです。トップ選手はあまりケガの話を聞きませんので、ケガをしないというのも実力のうちかもしれません。

さて健康食品ですが、ここではグルコサミンを取り上げます。グルコサミンはたぶん健康食品の中では、最も多数売られている製品のようです。グルコサミンは、糖の仲間でグルコースのOH(水酸基)の一つがアミノ基に変わったものです。天然にはかなり数多く存在し、人間でも例えばヘパリンという、血液が固まるのを阻止する性質を持った多糖類中に含まれています。

グルコサミンだけが多数結合したものが、キトサンといいカニやエビのような甲殻類の殻の成分です。実際はアミノ基に酢酸が結合したものが多く、N-アセチルグルコサミンという形で重合したキチンのほうが多いようです。グルコサミンの製造は、この甲殻類の殻を集め、強い酸によって加水分解すると、長くつながっている糖鎖がバラバラになると同時に、アミンのアセチル基も外れ、グルコサミンとなります。健康食品には天然グルコサミンという表示がありますが、このようにカニの殻から作っていますので、天然物といってもよいのでしょう。

さてこのグルコサミンがどういった効能があるのかという点ですが、健康食品の広告を見ると、どうも膝の関節痛などに効くようです。グルコサミンはいろいろなアミノ糖といわれる物質の原料となっていますので、動物体内にはかなりの量存在しているはずですが、特に関節などに多いという話も聞きません。よくグルコサミンの健康食品中には、コラーゲンが配合されていますが、こちらは軟骨成分でもありなんとなく関節痛によさそうなイメージはあります。

まあそういった研究がどこかで行われたのかもしれませんが、グルコサミンと関節痛がなぜ結びついたのかは、不思議な気がします。それでもこれだけ売れているということは、飲んでいる人も多いはずですので、疫学調査などできそうです。私は効果が出る理論的根拠はないと思いますが、プラセボ効果などでよくなる可能性はありますので、これからも健康食品とし続いていくのでしょう。