私の専門的なことについては、あまり書いてきませんでしたが、身近な化合物について少し書いてみることにしました。カテゴリーもあまり適切なものがなかったので、「化学」というカテを追加しました。
まずアルコールを取り上げてみます。化学的に言いますと、アルコールというのは物質の名前ではなく、アルコール類という一連の化合物群の総称ですが、通常はエチルアルコールを指すことが多いようです。実はこのエチルアルコールというのも、通称で正式にはエタノールが化合物命名法に沿った名前ということになります。
エタノールというと酒ですが、その前に化合物として簡単に説明します。エタノールは無色透明の液体で、沸点は78℃と水より揮発性が高く、比重も水より軽いさらさらの液体です。水と共沸する性質があり、蒸留だけでは完全に水を除くことはできず、96%程度が限界とされています。これより純度を高くするには特殊な操作が必要で、通常市販されている無水エタノールでも99%程度となっています。
合成法は大部分が発酵法で、セルロースやでんぷんなどの多糖類を加水分解し、ブドウ糖としたのち微生物の解糖系を利用してエタノールとするのが一般的です。一部は工業的製法として、エチレンへの水の付加という方法でも製造できます。用途はもちろん酒としての飲料用ですが、現在は燃料用が多くなっているようです。また殺菌剤としても有用で、主に70%エタノールに若干の添加剤を加えたものが使用されています。工業用エタノールとしては、接着剤、インク、塗料、その他の化学品原料として使用されています。
自動車燃料としてのバイオエタノールが話題になっていますが、単に微生物発酵によって製造したエタノールというだけで、特別なものではありません。私はこのバイオエタノールを、燃料として使用することには賛成できません。エタノールの燃焼性はあまり高くありませんので、助燃剤の添加も必要です。特に多くのバイオエタノールは、でんぷん類(トウモロコシ、小麦など)という食料や飼料になるものを原料として用いており、食料高騰の原因となりかねません。バイオマスと呼ばれる非食料用植物を利用するならともかく、食料を手間をかけてエタノールとして、それを燃料にしてしまうというのは、あまりにばかばかしいような気がします。
エタノールの人間に対する作用は、酒の話になってしまいますので、これは次回に書きたいと思っています。
まずアルコールを取り上げてみます。化学的に言いますと、アルコールというのは物質の名前ではなく、アルコール類という一連の化合物群の総称ですが、通常はエチルアルコールを指すことが多いようです。実はこのエチルアルコールというのも、通称で正式にはエタノールが化合物命名法に沿った名前ということになります。
エタノールというと酒ですが、その前に化合物として簡単に説明します。エタノールは無色透明の液体で、沸点は78℃と水より揮発性が高く、比重も水より軽いさらさらの液体です。水と共沸する性質があり、蒸留だけでは完全に水を除くことはできず、96%程度が限界とされています。これより純度を高くするには特殊な操作が必要で、通常市販されている無水エタノールでも99%程度となっています。
合成法は大部分が発酵法で、セルロースやでんぷんなどの多糖類を加水分解し、ブドウ糖としたのち微生物の解糖系を利用してエタノールとするのが一般的です。一部は工業的製法として、エチレンへの水の付加という方法でも製造できます。用途はもちろん酒としての飲料用ですが、現在は燃料用が多くなっているようです。また殺菌剤としても有用で、主に70%エタノールに若干の添加剤を加えたものが使用されています。工業用エタノールとしては、接着剤、インク、塗料、その他の化学品原料として使用されています。
自動車燃料としてのバイオエタノールが話題になっていますが、単に微生物発酵によって製造したエタノールというだけで、特別なものではありません。私はこのバイオエタノールを、燃料として使用することには賛成できません。エタノールの燃焼性はあまり高くありませんので、助燃剤の添加も必要です。特に多くのバイオエタノールは、でんぷん類(トウモロコシ、小麦など)という食料や飼料になるものを原料として用いており、食料高騰の原因となりかねません。バイオマスと呼ばれる非食料用植物を利用するならともかく、食料を手間をかけてエタノールとして、それを燃料にしてしまうというのは、あまりにばかばかしいような気がします。
エタノールの人間に対する作用は、酒の話になってしまいますので、これは次回に書きたいと思っています。