最近テレビや新聞などの広告で、99.9%除菌や除菌率99%等とうたった製品をよく見かけます。この頃殺菌という言葉が使われなくなりましたが、何かについている細菌類を殺してしまうという性能を持っているということです。私はこういった製品類に何となく怖さを感じています。やはり微生物といっても生命であり、それを殺すような物質が本当に人間には無害なのかという疑問があります。
このブログの薬のカテゴリーでも触れたことがありますが、抗生物質が発見されるまで、病原菌が薬の最も重大な戦いの相手で、結局勝つことはできませんでした。このくらい人間には害がなく、病原菌を殺すというのは難しい課題でした。これは生命の基本が、人間であっても細菌であってもそれほどの違いがないためです。
ちょっと意味合いは違いますが、現在DNA解析が進み、いろいろな生命の遺伝子がどの程度似通っているかがわかってきました。例えば人間とマウスでは、90%以上の相同性があり、ショウジョウバエでも60%以上の相同性があるとされています。さすがに微生物とはDNAサイズが違いすぎますので、どの程度似ているかを出すことはできませんが、おそらく生きているという部分はかなり似ているはずです。ですから人間と微生物という大きさも生態も全く違った生物でも、区別して殺すのは微妙な問題でした。
これは消毒液(殺菌剤)の歴史にも表れています。たぶん最も頻繁に手を消毒するのは医者という職業でしょう。私が子供のころは、昇汞(しょうこう)という塩化第二水銀が使われていました。これは非常に毒性が強く、現在は毒劇物に指定されており、あまりにも危険だということで、使用禁止となりました。これに代わるものとして出てきたのが、クレゾールを主体とするフェノールでした。これはかなりにおいが強く、いわゆる病院くささはこの消毒液のにおいとなっていました。しかしこれも刺激性があり、かなり毒性があることがわかり、現在では無臭のオスバンといった物質が使われています。これは殺菌力はそれほど強くないのですが、毒性が低いということで置き換わったようです。
さて本論に戻りますが、現在は除菌性能を持った製品があふれています。確かに通常の生活環境には、非常に多くの微生物が存在しており、我々はその微生物を呼吸と共に吸入したり、どこかについているものが口に入ったりしています。しかし大部分の微生物は全く無害であり、いわば人間と共存しているわけです。現在はあまりにも清潔になりすぎ、人間と微生物の共存関係が崩れてきているようです。この弊害については、また別な機会に書きますが、今回の結論としては、微生物(いわゆるばい菌)をそれほど気にする必要はなく、むしろそのほとんどを除菌する物質の危険性を考える必要があると思います。
このブログの薬のカテゴリーでも触れたことがありますが、抗生物質が発見されるまで、病原菌が薬の最も重大な戦いの相手で、結局勝つことはできませんでした。このくらい人間には害がなく、病原菌を殺すというのは難しい課題でした。これは生命の基本が、人間であっても細菌であってもそれほどの違いがないためです。
ちょっと意味合いは違いますが、現在DNA解析が進み、いろいろな生命の遺伝子がどの程度似通っているかがわかってきました。例えば人間とマウスでは、90%以上の相同性があり、ショウジョウバエでも60%以上の相同性があるとされています。さすがに微生物とはDNAサイズが違いすぎますので、どの程度似ているかを出すことはできませんが、おそらく生きているという部分はかなり似ているはずです。ですから人間と微生物という大きさも生態も全く違った生物でも、区別して殺すのは微妙な問題でした。
これは消毒液(殺菌剤)の歴史にも表れています。たぶん最も頻繁に手を消毒するのは医者という職業でしょう。私が子供のころは、昇汞(しょうこう)という塩化第二水銀が使われていました。これは非常に毒性が強く、現在は毒劇物に指定されており、あまりにも危険だということで、使用禁止となりました。これに代わるものとして出てきたのが、クレゾールを主体とするフェノールでした。これはかなりにおいが強く、いわゆる病院くささはこの消毒液のにおいとなっていました。しかしこれも刺激性があり、かなり毒性があることがわかり、現在では無臭のオスバンといった物質が使われています。これは殺菌力はそれほど強くないのですが、毒性が低いということで置き換わったようです。
さて本論に戻りますが、現在は除菌性能を持った製品があふれています。確かに通常の生活環境には、非常に多くの微生物が存在しており、我々はその微生物を呼吸と共に吸入したり、どこかについているものが口に入ったりしています。しかし大部分の微生物は全く無害であり、いわば人間と共存しているわけです。現在はあまりにも清潔になりすぎ、人間と微生物の共存関係が崩れてきているようです。この弊害については、また別な機会に書きますが、今回の結論としては、微生物(いわゆるばい菌)をそれほど気にする必要はなく、むしろそのほとんどを除菌する物質の危険性を考える必要があると思います。