ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

認知症の根本治療薬は開発されるか

2017-07-26 10:46:23 | 
世界的な問題である認知症は、世界で2015年に4680万人、50年には1億3150万人になると予想されています。

現在100を超えるアルツハイマー病の治療候補薬が治験中で、アメリカの会社がこの治験薬開発中止を発表後この会社の株価が10%下落して話題になりました。

日本では現在4種の抗認知症薬が認可されており、最初がアルツハイマー病とレビー小体型認知症の治療薬としてアリセプトが1999年に発売されました。これは閉じ込められていた認知症の家族や患者を病院に足を運ばせ、薬で治せる病気という認識が広まった、社会を変えるきっかけとなった薬と言えます。

これらは脳内の伝達物質であるアセチルコリンを補うといった作用ですが、2011年に発売されたメマリーはアルツハイマー病治療薬で、記憶に関わるタンパク質の働きを改善して神経細胞を守るというものでした。しかしこれらはあくまで進行を遅らせるだけの物であり、根治薬は見つかっていません。

アルツハイマー病は老人班、神経原線維変化、脳萎縮が起こる病気ですが、老人班はアミロイドβタンパク質の沈着で、神経原繊維化はタウタンパク質の蓄積によるものと80年代から分かっていました。またその後の研究で発症の25~15年前からアミロイドとタウの蓄積が始まることもわかりました。

2012年にソラネズマブの臨床試験が、ごく初期のステージにある人には有意の有効性を示唆する発表をしたこと受け、アメリカNIHが発症前の予防薬の開発を提案しました。これを受けて製薬メーカーは一斉に、薬の開発目標を進行抑制から発症抑制へとシフトしました。アルツハイマー病の発症を5年遅らせれば、患者総数が半分になるという試算も出ています。

アミロイドは神経細胞の細胞膜にあるタンパク質が2種の酵素により両端を切断されてできた破片であり、通常は分解され排出されます。これが排出されず2〜30個が結合して小さな凝集体であるアミロイドオリゴマーになることにより蓄積していくことが分かっています。

2012年のアミロイドワクチンもこの蓄積の除去はできるものの、認知機能の低下は進行するという報告もありました。現在、アミロイドと結合し、脳内で異物を排除する役割を担うグリア細胞に除去させる薬剤や、切断してアミロイドを作る酵素を阻害する薬剤が開発されています。

しかしこの治験に不可欠なのが、未発症の人のボランティアと言われています。これに対しては「レジストリー研究」という登録制度が実施され、何とか対応しようとしているようです。

このように認知症の予防薬の治験は進んでいますが、自分が発症予備軍に入っているかなどの情報をどうやって得るかなどの難しさはあります。それでもある程度予防できれば、患者数の増加に歯止めがかかるのではと思っています。


テニス仲間との暑気払い飲み会

2017-07-25 10:49:14 | 日記
先日毎週行っているテニススクールの仲間との暑気払いの飲み会がありました。

このクラスは毎週木曜日の夜で、レギュラーは8人おり時々飲み会などもやっていますので、非常に和やかな雰囲気で練習しています。今回はこの8人とうまくなり上のクラスに行った人と都合で他の曜日に変わってしまった人も誘って、コーチ、サブコーチと12人というかなり大勢のメンバーとなりました。

毎回誰が言い出すのかわかりませんが、コーチが店の予約など幹事役をやってくれて、集まっています。この仲間は年齢層もバラバラですが、若いサブコーチは近くの大学の学生ですので別格としても、30代後半から私のように70代までと非常に広い割には仲良くやっています。

今回は15分前ぐらいに着き、やや早いかなどと言いながら歩いていると反対側からMさんとAさんが来て一緒に店に入りました。もうTさんが見えており、ほどなく全員が揃いました。

皆さん好みのお酒で乾杯しましたが、このくらいの人数ですと2組に分かれるようになりますが、やむを得ないところです。私はもっぱら一番上のクラスに移ったTさんと我々の仲間では一番うまいKさんと話していました。Tさんの一番上のクラスは、ボールが早くて重いのでついていくのが大変とのことでしたが、皆テニスに集中しておりほとんど話をすることないのは寂しいようでした。

その点我々のクラスは女性が多いこともあり(おばさんが多いのですが)ワーワー騒ぎながら練習しています。このスクールは理論的なところから、腕の振り方やボールの当て方など説明してくれて、次々新しい課題が出てくるのですが、皆頭ではわかっても体が付いていかず、ちっとも上達しないというところで一致していました。

当然ですが話の内容はテニスが多いのですが、個人的な問題なども出てきていつも楽しく飲んでいます。この間酒の注文やこまごましたところはコーチがやってくれており、皆好き勝手なことを言っています。

このコーチは30代でスクールのコーチ陣でも一番若いのですが、この仲間でも当然一番若く色々と世話を焼いてくれます。この飲み会ももう何回かやっていますので、メンバーがどういう人かも大体わかってきましたので、色々なことで盛り上がっています。

この会は2時間半ほどで終わりになりましたが、楽しく飲んでいるとつい酒の量も増えてしまうようです。半数ぐらいは2次会に行くといっていましたが、かみさんも十分満足したということで、別れて帰ってきました。

やはり趣味が同じ人たちとも飲み会というのは、他の話になっても面白いものです。

新しいガンのワクチン治験へ

2017-07-24 10:38:07 | 健康・医療
理化学研究所は、免疫力を強化してガン細胞を殺す新たなワクチンを開発し、今月中にも臨床試験を始めると発表しました。

このワクチンを東京大学医科学研究所で急性骨髄性白血病を再発した患者に投与し、有効性や安全性を確かめるようです。ワクチンは、ヒトの細胞を遺伝子操作して作ったエーベック(aAVC)という細胞で、免疫の標的となる抗原を大量に作ってガン細胞を攻撃しやすくするほか、免疫細胞を活発にさせる働きを持ちます。

このエーベック細胞とはどんなものかを調べてみましたが、理化学研究所のプレスリリースは非常に難しくあまりよく分かりませんでした。

基本的には動物の免疫システムは、先天的なものでさまざまな種類の抗原を対象に初期防御を担う「自然免疫」と、抗体や多様な細胞性免疫応答によって特定の異物を強力に認識し排除する「獲得免疫」があり、両者が協調して働いています。

自然免疫には、マクロファージ、NK細胞などが関わり、獲得免疫はB細胞やT細胞の様なリンパ球が関与しています。この免疫システムには樹状細胞が重要な役割を果たし、自然免疫と獲得免疫を連結しT細胞の指令塔でもあるようです。

研究グループは、自然免疫と獲得免疫の両者を活性化させる多機能性の免疫療法を目指して生体内の樹状細胞を利用する方法を研究しました。この具体的研究成果について記載してありますが、あまりにも専門的であり私も分かりやすく書くことができませんので省略しますが、この樹状細胞の成熟化を促す細胞の作製に成功し、エーベックワクチンシステムを作り上げたようです。

本来この細胞を実際のガン患者の物を使うと、いわゆるオーダーメイド医療となるわけですが、簡便さを考慮して他の細胞を用いたものを放射線照射し、誰にでも使用可能なシステムとしたようです。

臨床試験では、患者に投与するエーベックの量を段階的に増やすなど有効な投与方法を見極め、期間は1年を予定しています。すでにマウスやイヌなど動物を使った実験では、ガンが縮小し効果の持続を確認しています。

これまでの抗ガン剤と違い、副作用や薬剤耐性を持つガンの出現は認められないようです。免疫療法に詳しい専門家は、「免疫の働きを総動員する独創的なワクチンで、細胞を大量に生産できる点も実用的である」としています。

どういうものかが若干よく分かりませんが、臨床試験で有効性が認められれば、かなり多くのガンに対する新しい治療法となりうるのかもしれません。

有機化学は何をやっているのか その8

2017-07-23 10:41:30 | 化学
ここまで7回にわたり「有機化学とは」ということについて書いてきました。

正確には私がやってきた有機化学ということで、一般の物とは若干違っていますが、30年以上やってきた研究で思いつくことを書いてきました。思い出的なことはたくさんありますが、このシリーズは今回で終わりにして、ここでは私がやってしまった失敗の事項を最後に述べてみます。

どうも研究者仲間では、有機合成というと危険がつきもののような印象を持っているようです。確かに反応が暴走してしまい爆発するとか、可燃性の溶媒を大量に使っていますので、何かあると大事故になる可能性はありますし、有毒な試薬類も使用しています。それでも機器類の進歩や実験環境の整備が進んでいますので、最近はまず事故が起こることは有りません。

私が経験した最大の事故は、研究生として大学に行っていたころですので40年以上も前の話です。当時は溶媒を完全に脱水するために、金属ナトリウムという物質を使っていました。これは水と瞬時に反応し、水素を発生して苛性ソーダになるもので、非常に危険なものでしたが、当時は普通の脱水剤として扱っていました。

これは使用後に処理する必要があり、土に穴を掘ってそこに入れ水をかけて燃やしてしまうという乱暴なものでした。その処理の時、少し量が多いからと若手の助手の先生2人と私と穴掘り用に学生2人連れて、研究棟の裏の広場(ソフトボールをよくやっていました)の片隅に穴を掘ってそこに入れたのです。

そこに助手の先生がかなり離れた位置からバケツの水をかけたのです。私もこの処置は何回か見ていたのですが、その時は偶然かなり離れた位置まで下がり、学生に性質など説明していた記憶があります。

その水をかけた瞬間大爆発が起こり、火柱が横にある研究棟(4階建て)の屋上より高く燃え上がったのでした。幸い水をかけた助手の先生もその他の我々も全く怪我をしなかったのは不幸中の幸いと言えます。

その他にも全く被害は出なかったのですが、辺り一面溶けたナトリウムが水銀のように散らばってしまいました。これを長い棒でつっつき、ポンと爆発させて燃やすという作業がかなり大変でした。

通常は1メートルほどの炎が出て燃えるだけのものが、この回はなぜ大爆発になったか一応結論は出たのですが、ここでは省略します。この後教授が謝り、助手の先生方が始末書を書いて治まりました。当然その後はナトリウムの処理もやや面倒ですが安全な方法に変わり、このような乱暴な方法は終わりになりました。

この事故は私の失敗というより、身近な事件でしたが今でも忘れられない事故と言えます。


サキソフォンの調整

2017-07-22 10:38:48 | 音楽
先日かみさんのサキソフォンの調整に付き合って、新宿まで行ってきました。

かみさんはアルトサックスですのでそれほど大きくはないのですが、かなりの重量があり一人で持ち運びは結構きついので、大体付き合って一緒に行っています。

楽器類は種類によって微妙な調整を必要とするのですが、我々のような素人のレベルではそれほど気にすることはない様です。私が使っているギターはもう40年以上になりますが、消耗品である弦を交換する程度で全く調整する必要はありません。また最近始めたマリンバも先生に聞いたところ、鍵盤を拭く程度で一生使えるもののようです。

その点吹奏楽器の中でもクラリネット、フルート、サックスは微妙な楽器の様で、消耗品のタンポだけではなく、複雑なキーの動きなどの調整が必要なようです。

特にサックスは穴(トーンホール)が大きいため、タンポの真ん中に反射板というものが付いており、これが微妙に音色に影響するといわれています。金属の場合は固く鋭い音色になり、プラスチックは軟らかい音色になるといわれていますが、われわれクラスでは区別がつかない程度かもしれません。

サックス類のタンポはメーカーによって大きさまで違うため、できればメーカーの調整室にもっていくことが良いとされています。今回いった新宿の店はかみさんのサックスのメーカーではないのですが、先生のおすすめの店としてここ何年か行っています。

この楽器店は新宿三丁目で新宿御苑の近くですので、例年は桜の時期に合わせて出かけ、楽器をあずけて終わるまで御苑の桜見物をすることが多かったのですが、今年は時期がずれてしまいました。

この日も非常に暑く大変でしたが、楽器をあずけて調整に1時間ぐらいということで2時程度でしたので遅めの昼食を取ることにしました。その近くの小さな店ですがおいしい蕎麦屋があるのでそこに向かっているとき、遠くで雷の音がして一面曇ってきました。

蕎麦屋の外のテーブルでビールを飲み始めたところ、非常に激しい雨が降ってきました。店の人も店内にそばを用意してくれてそちらに移って激しい雨を見ながら食べていました。あまり経験したことのないほどの雨でしたが、このところずっと降っておらず植物には良いだろうといっていましたが、帰ってテレビではこの時都内では大粒の漂まで降ったようで、一時山手線も止まったようです。

二人とも傘を持っていましたし、すぐ近くが地下鉄の入り口でしたので、あまり濡れたりはしませんでしたが、集中豪雨のすごさを目の当たりにして帰ってきました。やはり田舎者ですので東京まで行くとかなり疲れました。