ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

帯状疱疹の新薬開発

2018-03-21 10:43:15 | 
痛みを伴い帯状に発疹や水ぶくれができる帯状疱疹の治療に、1日1回飲めば良い新たな新薬が昨年承認されました。

帯状疱疹は身近な病気で、現在も知人が発症しておりかなり長期間悩まされているようです。亡くなった母も80歳前後ぐらいのときにこの病気を発症しました。肩から背中にかけて一面の発疹とかさぶたのようなものが広がり、皮膚科から塗り薬をもらいました。

それを塗るときには、水ぶくれの水の中にウイルスがいるので手に付けないようにといわれましたが、特に問題は起きませんでした。母の場合は見るからに痛そうな状況でしたが、本人は全く痛みやかゆみを感じないようでした。こういった痛みなどの症状も個人差が大きいようです。

帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスによって起こされますが、このウイルスに始めて感染すると水ぼうそうになり、全身に発疹などを引き起こします。発疹が消えた後もウイルスは体内の神経の根元に潜み、加齢や強いストレス、疲労などにより免疫力が落ちると再び活発になり帯状疱疹を引き起こします。

患者は50歳ごろから増え、60~70代が多いようで、80歳までに3人に1人が発症するとされています。発症すると胸や背中、顔などの体の一部にヒリヒリとした痛みが出て、数日後に赤い発心や水ぶくれが帯状に出ます。

この治療には、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬を使用します。私の母のころはまだ抗ウイルス薬はなかったはずで、何回か塗った薬は何の効果があったのかよく分かりません。

従来の薬は1日3回2錠ずつ飲むタイプで、成分が腎臓を通って尿から排出されますので、腎臓の機能が落ちた人に使う場合は薬の量を調節する必要がありました。

昨年承認されたアメナリーフという新薬は、ウイルスが増殖するのに必要な酵素の働きを妨げる薬で、1日1回でよく、主に肝臓で代謝され便として排出されるので、腎機能を気にする必要がありません。

また腎臓の血流低下を起こすことがある痛み止めとの併用もやりやすいようです。発疹が治まっても炎症によって神経が傷つき、痛みが慢性化することもあり、帯状疱疹後神経痛と呼ばれ、高齢者や皮膚の症状が重い人ほど痛みが残りやすいようです。これも早く治療することで防げるとしています。

予防に向けた動きもあり、厚生労働省は2016年に水ぼうそうワクチンを、50歳以上に帯状疱疹用の予防接種ができるようにしました。このワクチンの効果にはかなり疑問がありますが、こういった病気への対策もかかり進んでいるようです。


パリバオープン 大坂なおみ初優勝

2018-03-20 10:42:38 | テニス
昨日で終わったパリバオープンテニスは、なんと大坂なおみが初優勝を飾り閉幕しました。

途中経過を書いてきましたが、この大会はグランドスラムに次ぐ規模で女子では年4回しか開催されていません。前回は大阪が準決勝進出まで書きましたが、相手は現在の女王第1シードのハレプ戦となり、大坂は過去3回戦っていますが全敗と分が悪い相手でした。

ただハレプは今大会はやや調子が悪いのか、準決勝までのほとんどの試合がフルセットの末勝ち上がっています。第1セットは互いに譲らず3-3と互角の戦いを展開しました。しかしここからが大坂の本領発揮で、鋭いショットが決まり始めましたが、非常に動きの良いはずのハレプが追いつかなくなってきました。

また大阪の欠点でもあるミスがほとんどなく、確実にポイントが取れるようになってきました。何とここから大阪が3ゲーム連取し6-3で1セットを取りました。2セットはハレプがどこか悪いのか心配するほど調子が落ち、試合後集中力が切れたといっていましたが、大坂の一方的な試合となり、なんと1ゲームも落とさず6-0でほぼ1時間のゲームを勝ち上がりました。

この決勝進出も日本女子としては初めてのようです。決勝戦の相手はビーナスウリアムスを破ったロシアのカサ(ト)キナの20歳対決となりました。大坂と同じ20歳の選手としては、オスタペンコやベンチッチが注目されていましたが、これで大坂とカサキナも表舞台に立ったことになります。

さてその決勝戦はDAZNで見ることになりましたが、さすがにこの試合はアナウンサーと解説がつき、テレビと同じような画面で見ることができました。

1セットは立ち上がり大坂のサービスゲームを取られてしまいましたが、次のゲームで取り返し追いつき3-3と両者譲りませんでした。しかし4-3となったカサキナのサービスゲームを取り、次を無難にキープして6-3でこのセットを取りました。

2セットは常に大阪リードの展開となり、安心して見ていられました。結局6-2でとり念願の初優勝を達成しました。この優勝賞金が1億4000万円というのもいかに素晴らしい快挙かを表しているような気がします。

しかしこんな大切な試合を日本のテレビ局はどこも中継しないのは、おかしな体制といえます。男子はフェデラーとの大接戦のすえデルポトロが初優勝しました。

テニス界は男子も若手が出てきており、女子は完全に若手がリードするようになり、世代交代が進んでいるようです。もうすぐ次のマスターズであるマイアミオープンが始まりますので、錦織も含めた日本人選手の活躍を期待しています。

胃ガン主原因のピロリ菌の検査と除菌

2018-03-19 10:46:04 | 健康・医療
日本人に多い胃ガンの主原因とされるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は、国民の約半数が感染しているとされていますが、自覚症状がないため放置している人が多かったようです。

5年前から感染検査と除菌治療について公的医療保険の適用範囲が拡大され、より効果的な除菌薬も登場して検査を受ける人が増えてきました。

ピロリ菌については昨年9月このブログでも取り上げ、その中で除菌の必要性の私見として、ガンの原因菌とは考えにくくあまり必要なものではないことを述べました。しかし社会的にはピロリ菌が胃ガンの原因ということがほぼ定着しつつあるようです。

日本人のガン発症率で胃ガンは男性で1位、女性で3位を占めています(2013年)。ピロリ菌への長期感染が、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍を引き起こし、一部は胃ガンになると考えられるようになっています。

2000年には胃カメラで潰瘍が確認できれば、ピロリ菌感染検査と抗生剤などを服用する除菌治療が公的医療保険の適用になりました。13年2月からは慢性胃炎の場合も対象となっています。感染者の大半に胃炎症状がみられるため、自己負担3割の場合、検査方法にもよりますが、検査、除菌治療はそれぞれ3000円程度で受けられます。

厚生労働省によると、1次除菌の治療件数は13年が約135万件と、12年の約55万件から急増しています。特に15年に新しい除菌薬が発売され、70%台だった1次除菌の成功率は91%に向上しています。

感染検査は、胃カメラ使用時に胃粘膜組織を採取する生研のほか、体に負担の少ない尿素呼気試験、血中や尿中の抗体検査など6種類あります。専門医は、40歳を超えたら1度は胃カメラで検査し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を患った経験のある親、兄弟を持つ人は特に感染の可能性が高く注意が必要としています。

「胃ガンは防げる病気」との認識が定着する中で、佐賀県は16年度から全ての中学3年(約9000人)を対象に公費で感染検査と除菌を始めています。保護者の同意を得て学校健診で採取した尿を検査し、さらに検便で感染が確定すれば県内の22の医療機関で除菌治療が受けられます。16年度は247人の感染を確認し、今年1月までに230人が除菌しました。

こういった取り組みが他の地方自治体へもかなり広がっているようです。日本人の感染率は他の先進国より高く、20代は約10%、50代で約50%と年齢が上がるにつれ高くなっています。

免疫力が低く、胃酸分泌も少ない乳幼児期に感染したほか、親や兄弟から唾液などを介して感染すると考えられています。

これがピロリ菌に対する現状ですが、これで胃ガンが少なくなるかは私の生きているうちには結果は出そうにありません。


パリバオープン 大阪なおみ快進撃

2018-03-18 10:37:11 | テニス
現在アメリカのインディアンウエルズでパリバオープン(ATP-1000、マスターズ)が開催されており、日本のダニエル太郎と大坂なおみが金星を挙げたことを書きました。

大会は順調に進んでいますが、大坂なおみが快進撃を続けています。ダニエル太郎は、2回戦で元王者ジョコビッチの復帰戦を戦い見事勝利したのですが、3回戦のアルゼンチンのマイエルという選手にあまり良いところなく敗れてしまいました。ジョコビッチ戦ですべての力を出し切ってしまったのかもしれません。

男子は最年長王者フェデラーが圧倒的な強さを見せています。昨年も優勝していますし、その安定感やショットの鋭さは36歳とは思えない素晴らしさを見せています。多分今大会も優勝候補の筆頭になっていそうです。

この男子の試合はWOWOWオンデマンドやNHK-BSでやっていますので、問題なく観戦できるのですが、問題は女子の試合です。大坂はほとんどがナイトセッションになりましたので、日本時間では11時程度とちょうど良い時間になるのですが、PC動画がどうもきれいに見られないのです。

いろいろ調べたところDAZNという有料サイトで放映していますので、1か月無料ということもあり登録して観戦しました。

大坂の4回戦はギリシャのサッカリという58位の選手となりました。若手ですがランキング的にも問題なさそうで、1セットは6-1と圧倒しましたが、2セットは大阪の悪いところが出て、攻め急いだのか手を抜いてしまったのかわかりませんが、5-7で取られてしまいました。それでもファイナルセットはまた調子を戻し、6-1で勝利しました。

大坂はフォア・バック共に非常に良いショットを持っているのですが、攻めたときにミスが出るというパターンで自滅していました。ところが今大会はそのミスがほとんど出ず、安定した鋭いショットで勝ち上がってきたのです。コーチが新しくなったようですが、これが良かったのかもしれません。

さて準々決勝は第5シードのプリスコバとの対戦となりました。彼女も185センチの長身で、強いサーブと鋭いフォアのストローク戦を得意としている選手です。今大会も優勝候補の一角を占めており、苦戦が予想されました。

1セットは非常に早いストローク戦となりましたが、大坂はうまくこれに対応し鋭いカウンターなどの応酬で、なんと6-2で取ってしまいました。2セットもこの流れは変わらず、特にバックのダウンザラインがすばらしく、6-3でとり見事勝利しました。

これで自身初となるベスト4進出です。準決勝は女王ハレプとの戦いで、彼女には3戦全敗になっていますが、この調子ならばリベンジできるのではないかと期待しています。

免疫療法、固形ガンに効く新手法開発

2018-03-17 10:41:11 | 健康・医療
山口大学などの研究チームが、免疫細胞の攻撃力を遺伝子操作で高めるガンの免疫療法「CAR-T細胞療法」について、肺ガンなど固形ガンに治療効果を示す新手法を開発しました。

このCAR-T細胞療法については、昨年11月このブログでも取り上げ、多発性骨髄腫への応用について紹介しました。従来この治療法は固形ガンには応用が難しいとされていましたが、今回ガン細胞を移植したマウスで確認しました。

CAR-T細胞療法は、患者から取り出した免疫細胞を遺伝子操作してガンを攻撃する力を高めて再び体内に戻す治療法です。これまで急性リンパ性白血病などの血液ガンの治療で米国などで承認されていますが、固形ガンでは効果はまだ確立されていませんでした。

研究チームは、T細胞という免疫細胞にガンの表面にある特定のタンパク質に結合する分子と、T細胞を活性化させる「インターロイキン7(IL7)」と、「CCL19」という二つの生理活性物質を遺伝子操作して導入しました。

従来のCAT-T細胞療法では、T-細胞を腫瘍特異的なタンパク質である、インテグリンの活性型に結合するように遺伝子操作するだけでしたが、今回はさらに生理活性物質を導入したわけです。

この新たに導入した二つの生理活性物質が、T-細胞にどのような働きをするのかはよくわかりませんでしたが、これによって骨髄腫などの血液ガンだけでなく、固形ガンにも効果を発揮するようになったようです。

患者からT-細胞を取り出し、遺伝子操作して培養増殖させまた患者に戻すというのは、膨大な操作が必要となりそうですが、現在の遺伝子技術であれば、一つの遺伝子を組み込むのといくつかを改変するというのはそれほど煩雑にはならないようです。

今回の実験では、肺ガンなどの細胞を移植したマウスに、CAR-T細胞療法をしたところ、ほぼすべてのガンが消失し生存期間が4か月以上でした。血液ガンの治療に使われる従来のCAT-T細胞療法では、大半の生存期間が約2か月以内でした。

再びマウスにガン細胞を移植しても増殖しなかったほか、遺伝子導入した免疫細胞だけでなく、もともとマウスの体内にあった免疫細胞も活性化したとしています。研究チームは、固形ガンでこれほど効果が出たのは他に例がなく、2年以内に臨床研究につなげたいと話しています。

確かに画期的な治療法といえそうですが、人間に応用するためには究極の個別治療法となりますので、多額の費用がかかりそうな点がやや気になります。