私は昔から、それこそ学生のころから楽観主義と自他ともに認めていました。ここではそういったポジティブ思考にリスクがあるという話題を取り上げてみます。
前向きで健康的な生活が、充実した人生や社会的成功に結び付くとされています。書店に入っても健康や自己啓発に関連した本が多数並んでおり、何かにつけても人々のポジティブ志向、健康志向が目立つ世の中になっています。
しかしこの世のポジティブ志向を少し考え直してみたくなる最新の研究が報告されています。ある種のペシミスト(悲観主義者)は、仕事などで高いパフォーマンスを発揮し、悲観的でありながら自分に自信を持っているといいます。
そのクールな悲観主義者は「防御的ペシミスト」と分類されるもので、その特徴は常に最悪の結果やシナリオを想定している人物というものです。研究者によるとこれら防御的悲観主義者は、物事を悲観的にとらえることで集中力を高めて成功を呼び込むことができるといいます。
2008年に発表された研究では、実験参加者にパズルの課題を出したのですが、予想される最悪の成績をイメージした後の方が、回答に高いパフォーマンスを発揮していることが報告されています。
結果を楽観的に考えてポジティブに物事に対処することも有効ですが、楽観主義者の「最後はどうにかなる」という態度が裏目に出て、場合によっては現実を直視しないケースも起こり得ます。
それとは逆に防御的悲観主義の場合、そもそもが最悪の結果を想定しているので、リアルな現実を無視せず受け入れられ、物事の細部を詳細に把握できるため、より客観的で分析的な戦術を講じることができるようです。その結果自分への信頼感と自信を勝ち得るとしています。
健康面でも長い目で見れば、防御的悲観主義者の方が有利で、自分の健康に悲観的なため、うがいや手洗いも自然に増え、体に異常を感じればすぐ病院に行くといった傾向があるようです。
ポジティブ志向のリスクについても述べていますが、常にポジティブでいるということは、影響を受けてネガティブになりそうな物事や出来事を無視することであり、感情を偽ることにつながっていると指摘しています。その他にもポジティブ志向のリスクを上げていますが、やや極端な話になっています。
冒頭私は楽観主義であることを書きましたが、これは研究者にとって必要な考え方と思っています。研究というのは結果の99%は失敗ではありませんが、期待する結果が出ないものです。次こそは良い結果が出ると期待して新たな実験を始めますが、99%裏切られるわけです。それでもあきらめず続けるには楽観的志向が必要で、その面でも私は研究者に向いていたのかもしれません。
前向きで健康的な生活が、充実した人生や社会的成功に結び付くとされています。書店に入っても健康や自己啓発に関連した本が多数並んでおり、何かにつけても人々のポジティブ志向、健康志向が目立つ世の中になっています。
しかしこの世のポジティブ志向を少し考え直してみたくなる最新の研究が報告されています。ある種のペシミスト(悲観主義者)は、仕事などで高いパフォーマンスを発揮し、悲観的でありながら自分に自信を持っているといいます。
そのクールな悲観主義者は「防御的ペシミスト」と分類されるもので、その特徴は常に最悪の結果やシナリオを想定している人物というものです。研究者によるとこれら防御的悲観主義者は、物事を悲観的にとらえることで集中力を高めて成功を呼び込むことができるといいます。
2008年に発表された研究では、実験参加者にパズルの課題を出したのですが、予想される最悪の成績をイメージした後の方が、回答に高いパフォーマンスを発揮していることが報告されています。
結果を楽観的に考えてポジティブに物事に対処することも有効ですが、楽観主義者の「最後はどうにかなる」という態度が裏目に出て、場合によっては現実を直視しないケースも起こり得ます。
それとは逆に防御的悲観主義の場合、そもそもが最悪の結果を想定しているので、リアルな現実を無視せず受け入れられ、物事の細部を詳細に把握できるため、より客観的で分析的な戦術を講じることができるようです。その結果自分への信頼感と自信を勝ち得るとしています。
健康面でも長い目で見れば、防御的悲観主義者の方が有利で、自分の健康に悲観的なため、うがいや手洗いも自然に増え、体に異常を感じればすぐ病院に行くといった傾向があるようです。
ポジティブ志向のリスクについても述べていますが、常にポジティブでいるということは、影響を受けてネガティブになりそうな物事や出来事を無視することであり、感情を偽ることにつながっていると指摘しています。その他にもポジティブ志向のリスクを上げていますが、やや極端な話になっています。
冒頭私は楽観主義であることを書きましたが、これは研究者にとって必要な考え方と思っています。研究というのは結果の99%は失敗ではありませんが、期待する結果が出ないものです。次こそは良い結果が出ると期待して新たな実験を始めますが、99%裏切られるわけです。それでもあきらめず続けるには楽観的志向が必要で、その面でも私は研究者に向いていたのかもしれません。