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インフルエンザは空気感染?

2018-03-03 10:48:50 | 健康・医療
インフルエンザの流行は少し落ち着いてきたようですが、今まで飛沫感染や接触感染とされてきたものが、空気感染もあるという研究結果が発表されました。

アメリカメリーランド大学の研究で、インフルエンザの感染者が咳やくしゃみをしていなくとも、その患者の吐く息を吸い込んだだけで「空気感染」が起こる可能性が指摘されました。感染者の呼気に含まれる微細な粒子にも感染性のあるウイルスが含まれており、直接患者の咳やくしゃみを浴びなくとも、同じ室内にいるだけで感染が起こりうるというものです。

私はもともとウイルスというのは、塵やほこりと一緒になって空気中に漂っていると思っていました。ですから空気が乾燥する冬の時期に流行が起きると考えています。

研究チームは、インフルエンザが疑われる若者355人を選び出し、呼気の中に排出されるインフルエンザウイルスの量と感染力を調べました。355人のうち、インフルエンザと診断され、発症から3日以内に鼻の粘膜からの標本(鼻咽頭スワブ)が採取されていて、同時に30分間の呼気も提出していた142人を分析対象にしました。

142人の年齢の中央値は20歳で、男性が49%、89人がA型、50人はB型、3人は両方の型に感染していました。この患者は発症から3日以内に計218回受診して標本の提出に協力していました。数は少ないのですが、両方の型に同時感染しているというのはやや驚きです。

218回の受診のうち、195回(89%)では1回以上の咳が観察されていましたが、くしゃみが観察されたのは11回(5%)のみでした。呼吸の採取は、自由に話したり咳やくしゃみをする中で30分間行いました。

呼気標本は、空気感染の原因となる「飛沫核」と同じ大きさの直径5μm以下の微細粒子が含まれる標本と、飛沫感染の原因となる「飛沫」と同じ大きさの5μm以上の粗大粒子を含む標本に分けて調べました。

標本中にウイルスRNAが存在するかどうか調べたところ、微粒子標本の76%、粗大粒子の標本の40%、鼻咽頭スワブ標本の97%が陽性でした。

さらに感染性を持つインフルエンザウイルスの存在を調べたところ、微細粒子標本の39%と鼻咽頭スワブの89%が陽性でした。結果としては、咳や鼻水などの上気道症状が出ている発症早期の患者ほど、呼気中にウイルスが含まれていて空気感染を起こす可能性が高いと考えれれるようです。

やはりインフルエンザに感染した可能性のある人は、できるだけ自宅で静養して人との接触を避けるべきかもしれません。