ごっとさんのブログ

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「人体」第6集 生命誕生

2018-03-29 10:43:59 | 自然
なかなか面白いNHKスペシャル「人体」第6集が先日放映されました。

気を付けてはいたのですが、たまたまこれを見逃してしまい深夜の再放送を録画しました。このところテニスなどで見るものが多く、なかなかゆっくり見られなかったのですがやっと集中して見ることができました。

今回のテーマは「生命誕生」ということで、卵子と精子が結合して子宮に定着し、赤ちゃん誕生までの話でした。その例として体外受精で赤ちゃんを設けた夫婦の様子が紹介されていました。

受精卵が子宮に付着し、胎児となるためにはやはり色々な現象が起きるようです。まず卵からこの特集のテーマであるメッセージ物資が放出され、母親の体内に入ります。これはhCGという物質ですが、これを母親が受け取ると、生理を止め卵が流されないようにすると同時に、子宮を厚くし卵がしっかり包み込まれるようになります。

ここで卵は細胞分裂を繰り返すわけですが、ある程度進むと色々な臓器に分化していきます。これを番組では「ドミノ式全自動プログラム」と呼んでいましたが、私もこの分化という過程には興味を持っていました。

最初の臓器として心臓ができてくるようですが、もともと一つの細胞であったものがどうやって色々な臓器に分化するのか非常に面白いところです。番組では「ウイント」と呼ぶメッセージ物質が次々と新しい臓器を作り出すとしていました。

私の記憶では、サイトカインと呼ばれる小さなタンパク質が放出されこれが非常に多くの種類があり、この比率によって分化の方向性が決まるとされていました。ここで出てきたウイントというのがそういった多くの種類のサイトカインなのかもしれません。

実際にES細胞などを適当な条件で培養すると、まず拍動する心筋細胞のようなものが出来てくるようです。これをさらに続けると拍動しない細胞が生じ、これが肝臓の細胞となるといった具合に次々に新しい臓器ができてくるようです。

この様に臓器ができてくると次に赤ちゃんの大きさまで育たなくてはいけません。それが赤ちゃんから出てくる胎盤と子宮との結合になります。子宮には「恵みの窓」と名付けた血管があり、それを胎盤の「赤ちゃんの木」で酸素や栄養を吸収するシステムです。

私は母親の血液が胎盤を通して赤ちゃんに入るのかと思っていましたが、実際は必要なものだけを受け取るようです。ここでも酸素や栄養が不足すると、PGFというメッセージ物質が出て胎盤の構造が変わり大量の栄養を送れるようになるようです。

番組では体外受精した赤ちゃんが誕生するところで終わっていますが、この一連の大きな動きは本当に不思議なメカニズムといえそうです。