ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

健康食品は信頼できるのか

2019-10-26 10:22:46 | 
いつまでも健康で若々しくという願いを込めて、老若男女が頼りたくなるのがサプリメントや健康食品のようです。

健康維持や増進に一役買う一方で、有効性の根拠が不明なものもあり、健康被害も後を絶ちません。矢野経済研究所の「健康食品市場に関する調査(2019年)」によると、サプリや健康食品の市場規模は年々上昇し、18年度には前年度比1.4%増の約7813億円の見込みです。

東京都が都民を対象に実施した調査(2016年)では、「この1年間に健康食品を利用した」と答えた人が66%いることが分かりました。サプリや健康食品はそれだけ身近な存在ですが、日本で流通する商品は玉石混交となっています。

今年9月にはダイエットサプリ「ケトジェンヌ」で健康被害が起こったことを消費者庁が公表しました。無理せず健康的にスリムなボディーになることができますといった宣伝文句に惹かれて摂取した人から、「飲んだら下痢をした」「お腹の調子が悪くなった」などの消化器症状の訴えが相次いだようです。

消費生活相談データベースによると、国民生活センターに寄せられる相談は、16年以後毎年3500件ほどに上っているようです。

私は基本的に健康食品やサプリメントに対しては、否定派(不要派)だと思っています。かなり昔ですが、かみさんがタバコがビタミンCを破壊するというニュースを見て、ビタミンCのサプリを購入し、私もそのカプセルを飲んだことがあります。

あまり必要性は感じませんが、ビタミンCであれば飲んでも害はないだろうという事で摂っていましたが、いつの間にか止めてしまいました。

日本では健康食品には多くの問題があります。欧米では健康食品を医薬品と食品とは別の「ダイエタリー・サプリメント」として定義づけ、厳しい管理のもとで製造販売されていますが、日本では医薬品ではないという事で全く製造や販売に規制がありません。

海外では医薬品のように健康食品の有効性を検証する臨床試験が数多く実施されていますが、日本ではほとんどないようです。

例えば血液中のビタミンD濃度が低い人ほど死亡率が高く、ビタミンDを摂取することで、死亡率がわずかだが有意に低下したという報告があります。これを見てビタミンDのサプリを買う人も出るかもしれませんが、健康というのはそれほど単純なものではありません。

人はほんとうに個人差が大きく、健康状態も様々ですので、ひとつのビタミンで死亡率を調整するなど不可能なことです。現在は多くの健康食品やサプリが出回っていますが、こういったもので補給する必要があるような成分はほとんどなく、食事から十分に採れていると思っています。

効果があると思って飲めば、プラセボ程度の効果は出るだろうというのが私個人の感想です。

原因不明の「めまい」の正体

2019-10-25 10:13:35 | 健康・医療
めまいがする病気といえば「メニエール病」が有名ですが、一番多いのは「良性発作性頭位めまい病」という病気のようです。

そして2番目に多いのは原因不明で治療法も分からないままの「めまい」が入っているといいます。私はちょっとふらつく程度の軽いめまいはありましたが、それほどひどい症状は経験がありません。

かなり前ですが友人が朝起きたらひどいめまいでベッドから出られなくなり、往診してもらい何とか納まったといっていましたが、会社は1週間ぐらい休んだようです。

また別な友人は車を運転して家から出てすぐに激しいめまいに襲われ、駐車場の塀に激突し車が全損するという事故を起こしました。車以外に被害はなく、めまいもすぐに納まったようですが、運転中のめまいというのは怖いものです。

めまいは原因不明で自然に治るものと思っていましたが、めまいの症状が1年以上も続くという恐ろしい病気もあるようです。この原因不明の慢性のめまいが、2017年にめまいの国際学会が新たに発表した「持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)」です。

これが治療法がなく2番目に多いめまいと考えられています。PPPDは何らかの急性めまいに続いて起きてくる、慢性的な持続性のめまいです。

発症のきっかけは耳石のずれ(良性発作性頭位めまい症)や炎症(前庭神経炎)など様々ですが、慢性化した時点(回転性から非回転性のめまいになった時点)で、耳石のずれや炎症は改善しているにもかかわらず、症状が続いているのがこの病気の特徴です。

日本ではメニエール病や前庭神経炎、心因性めまいなど、日本めまい平衡医学会が示している16のめまい疾患のいずれにも該当しない場合「めまい症」と診断されてきました。つまりめまい症は診断がつかなかったことを意味し、原因はわからず治療法もありませんでした。

歳のせいや気のせいと片づけられてしまうことが多かったようです。この新しい診断基準は、浮遊感、不安定感、非回転性めまいのうち1つ以上が、3か月以上ほぼ毎日生じる、「立位」「特定の頭位によらない動き」「動いているものや複雑な視覚パターンを見たとき」の3つの状況で悪くなる、などの他の疾患では説明がつかない時に診断されます。

この治療は心療内科で認知行動療法と抗不安剤で対処するとなっていますが、具体的にはよく分かりません。めまいは生命に別条なくても、QOLを著しく低下させるため、早く良い治療法が見つかることを祈っています。

現実には私の行っているクリニックの医師など、めまいの種類が非常に多い事すら知らないような気がしますので、どんなめまいでも同じ薬を処方しているのが実態でしょう。

あまり乗り気でなかった囲碁会

2019-10-24 10:18:11 | 文化
先日9月の囲碁会とは異なるメンバーでの囲碁会がありましたが、同じ幹事のIさん(ISさん)が声をかけてくれたものです。

私は囲碁はタブレットで対戦碁をやったり、ネットでの対局を時々やっていますが、このところ全く調子が出ませんでした。ネット対局でも大きなミスが出るわけでもないのに、いつの間にか負けているというどこが悪いのかが分からないような負けが続いていました。

こういうスランプのような状態は、本でも読んで新しい考え方を入れたりしないといけないのですが、その時間がありませんでした。ということであまり乗り気ではなかったのですが、久しぶりにIKさんやKさんに合うという事で、終局後の飲み会を楽しみに出かけました。

ISさんの坐骨神経痛は全快というよりは小康状態を保っているという、なんで良くなったかが本人にもわからないようでした。坐骨神経痛はかなり多いようで、私の同期のF君は手術をしたのにスッキリとは治らないようでした。

私が碁会所に行ったときはすでにISさんとIKさんが始めており、すぐに見えたKさんと2子局を始めました。

当然私がやや有利の展開となりましたが、中盤やや弱気になったところを突かれ、逆転されそのまま大敗ではないものの私の負けで終わりました。次のIKさんとは3子局ですので、序盤の有利を生かそうとしたのですが、いつの間にか追いつかれやや細かくはなりましたがやはり負けてしまいました。

最後のISさんとは対等の碁でしたが、捨て石の部分の捨て方を間違え、相手が有利になってしまいました。これを挽回しようとやや無理な手を打ったところ、正しい対応をされ部分的に取られてしまいました。結局これを挽回できずに終わってしまいました。

やはり私の不調は続いており3連敗となって終局しました。居酒屋に移って色々な話をしましたが、最年長のKさんは81歳ですが、退職後のOB会の幹事のようなことをされており、色々な人の情報を聞きましたが、やはり亡くなる方も多いようです。

それでもみなさん90歳前後ですので、やはり我々の世代は長生きになったようです。皆さんが俄かラグビ―ファンになったワールドカップは、大いに盛り上がりました、全員ルールが分からいところがある程度ですが、それでも大いに楽しい話題となりました。

天皇の式典があるという事で、昔前天皇(上皇が皇太子だったころ)が研究所に見学に来られた時の話になりましたが、皆さん色々と裏話があり懐かしい思い出話となりました。

このメンバーの囲碁会は3か月に1度となっていますが、もう少し頻度を上げても良いかという話も出ましたが、どうもこの程度になりそうです。囲碁の方は駄目でしたが、その後の飲み会はなかなか楽しい会となりました。

人はなぜ「夢」を見るのか

2019-10-23 10:29:32 | 自然
毎晩のように見る人のいる「夢」が精神機能と関連していることを確立したのは1930年代のフロイトといわれています。

フロイトによれば夢は抑圧された願望の無意識的な発露であり、その暗示を読み解き抑圧から解放することで、本人も自覚しないストレスに起因する種々の心身症状が治癒し得るとしていました。

その後の脳科学の進歩につれて、夢の解釈による治療は科学的根拠に乏しいという批判が高まり、汎用性や再現性も十分に実証されていないこと、簡便な手法ではないことなどの理由から、現在の精神医療の中ではほとんど行われることはありません。

夢の多くはレム睡眠中にみており、レム睡眠中に被験者を起こすとかなりの高率で直前まで鮮明な夢を見ていたことを思い出せます。レム睡眠は睡眠開始後に約90分の周期で出現し、一晩に4,5回ほど繰り返します。

明け方になるほどレム睡眠は長くなり、鮮明でストーリー性のある夢を見やすいとされています。「夢を見る」と表現するように夢は視覚体験が中心ですが、レム睡眠時には脳の下部に存在する脳幹から視覚に関わる大脳皮質を活性化する神経刺激が発せられるためのようです。

レム睡眠中に大脳皮質がランダムに活性化され、各領域に保存されたさまざまな記憶が引き出され、夢体験となると考えられています。もちろん大脳皮質の活性化のされ方によっては、音や匂いに満ちた夢があっても不思議ではなく、そのようなユニークな夢を見る人もいるようです。

その一方で、夢を全く見ないという人もいますが、当然レム睡眠は出現しています。普段ほとんど夢を見ないという被験者でも、レム睡眠中に起こすと夢を見ていたと答えることが多いので、実際には夢をみてはいるが起床後に思い出せない場合が多いのかもしれません。

なぜ思い出せる夢と忘れる夢があるのかは、その違いが生じるメカニズムはよく分かっていません。PETなどを用いて睡眠中の脳の活動を調べると、怒りや恐怖などの情動の発生や記憶に関わる「偏桃体」や、記憶の保存に重要な「海馬」などの脳部位がレム睡眠中に活性化することが分かっています。

レム睡眠は覚醒中に体験した事項の中で覚えておく必要のないものを消去したり、記憶に伴う過剰な情動を弱めることに一役買っていると考える研究者もいます。

この辺りはかなり専門的になりますので省略しますが、レム睡眠中に記憶を消去しているという研究結果が出ているようです。夢を見ない人は効率よく記憶を消去して、翌朝に持ち越さない効率の良い人といえるのかもしれませんが、所詮は夢のような話しなのかもしれません。

肺ガン検査に新型機器

2019-10-22 10:35:47 | 健康・医療
日本人のガンでは最も死者が多い肺ガンですが、引き金となる細胞の遺伝子異常が解明され、対応する薬の実用化が進んでいます。

複数の遺伝子の状態を同時に調べる医療機器が登場し、遺伝子異常に応じた適切な治療を効率的に見つけることが可能となってきました。

肺ガンは、小細胞ガン、腺ガン、扁平上皮ガン、大細胞ガンの4タイプあり、タイプや進行の程度などに応じて手術や放射線、薬物療法を使い分けています。また複数の治療法を組み合わせることもあるようです。

初期に目立った症状がなく、手術が難しい状態で見つかる患者も少なくありません。転移・再発ガンは薬物療法が中心で、従来の抗ガン剤や分子標的薬、免疫治療薬があります。

薬物療法で注目されているのが、「ドライバー遺伝子」の異常で、この遺伝子は細胞の増殖にかかわり、本来はアクセルとブレーキのバランスが保たれています。何らかの影響で遺伝子が傷つくと、細胞の表面や内部に異常なタンパク質が作られます。

これが増殖のきっかけとなる物質と結合することで、細胞は増え続けガン化します。肺ガンに関わるドライバー遺伝子の異常は2000年以後相次いで見つかっています。肺ガンの対応で最も患者数の多い腺ガンの7割に、こうした突然変異などの遺伝子異常が関係していることが分かっています。

分子標的薬は主に異常なタンパク質の働きを抑え、ガンを引き起こすドライバー遺伝子の異常は患者により異なります。適切な薬を選ぶには原因となる遺伝子を特定することが重要です。

検査に必要な肺ガン組織は、喉から肺に通す気管支鏡などを使って採取し分析されます。これまでは異常が疑われる遺伝子を一つずつ調べなければならず、複数の遺伝子を対象にすると数カ月を要する場合もあったようです。

今年6月に発売された医療機器は、複数の遺伝子を同時に読み取り、約2週間で結果が分かります。分析に必要なガン組織の量は3分の1以下で済み、検査対象は現在治療薬がある四つに遺伝子異常にとどまりますが、新しい薬が実用化されれば対象を増やすこともできるようです。

分子標的薬の効果は数年持続する場合もありますが、ガン細胞に別の遺伝子変異が起こると効きにくくなりますので、新たな変異に対応した新薬も登場しています。

従来の抗ガン剤を含めた複数の薬の組み合わせや、薬を使う順番など、治療効果を高めるための研究も進んでいます。

このように新たな医療機器や、分子標的薬が登場するのは良いことですが、ますます高額医療が進むような気もしますので、今後はいかに安価にするかも大きな課題かもしれません。