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レッドカード

2007-08-03 09:40:33 | アート・文化
Redcard日本相撲協会が、横綱 朝青龍にレッドカード。
2場所の出場停止と減俸30%4ヶ月、さらに九州場所千秋楽までの謹慎処分を科した。
印象としては、このレッドカードは今回の問題だけじゃなく、
今までの言動や行動をふくめての累積カードだと思う。


「巡業を休んで、母国モンゴルでサッカー」というニュースを最初に知ったとき、
僕の認識はあまく、「ヤンチャな横綱!」程度の感想だったけど、
これが角界を揺るがす大問題に。
この処分は、事実上の引退勧告という見方さえあるそうだ。


今回の処分で象徴的なのが、謹慎処分。
この謹慎処分は、江戸時代の閉門蟄居に相当する。
玄関を竹矢来で封鎖し、月代を剃らず、外部との接触を一切断ち、奥の間に端座していなさい
てこと。
時代錯誤ともいえるこのきびしい処分は、
「相撲は単なるスポーツじゃなくて、日本の文化だ」
ということを相撲協会が内外に宣言したといえる。


「力士」という単語には、「士」というサムライを意味する漢字が使用されている。
サムライには懲罰は要らない。
捕吏を差し向けなくても、不明を恥じて自ら腹を切る。
維新以前、外国人たちはこのサムライ・マインドに驚愕した。
朝青龍は「士」として、協会からの処罰のみに甘んじることなく、自らを律しなければいけない。


文化という視点でさらに掘り下げると、横綱は注連縄(しめなわ)をその身に纏う。
いうまでもなく注連縄は、神が斎(いつ)いている神聖な場所をしめすために張る縄。
その歴史は日本の有史以来といってよく、
記紀には天の岩屋戸に尻久米縄(しりくめなわ)・端出之縄(しりくへなわ)をひきわたして結界としたとあり、
「古語拾遺」には日御綱としるされている。
つまり横綱は、内と外、聖と俗、神と人といった2つの世界を結界する場所にいる「士」ということになる。


朝青龍を弁護する気はないが、力士になったときや横綱昇進時に、
相撲は単なるスポーツじゃなく、このような日本文化を背景にしている
ということを教育してこなかった協会や親方にも責任の一端はあるように思う。
いま、角界は非常事態にあるといっていい。
相撲人気に陰りが見えはじめ、先月には新弟子検査の受検者がゼロという前代未聞の状況が出現した。
朝青龍には横綱として、復帰後は角界の救世主になってほしい。






レッドカード・ネタ、もう一人。
フィギュアスケートの織田信成選手に、
日本スケート連盟が5ヶ月間の国際大会派遣停止などの処分。


記者会見で涙ながらに謝罪し、猛省している映像が流れていた。
酒気帯び運転はけっして許される行為じゃないけど、
織田信長の子孫がそれくらいでメソメソするな、て気もした。
もちろん、これは暴言です。
織田くんにも、ガンバってほしいです。