昨今の諸問題についてご自身の所見の述べていた。
頭ごなしの批判や無用な中傷はしたくないんだけど、
内容についての賛否や好悪はともかく、
僕には「熱」が感じられなかった。
怒りとも虚しさともつかない感情が去来して、
僕の頭の中では、ある曲が鳴っていた。
それは、井上陽水の「傘がない」。
都会では自殺する若者が増えている
今朝きた新聞の片隅に書いていた
だけども問題は今日の雨 傘がない
テレビでは我が国の将来の問題を
誰かが深刻な顔をしてしゃべってる
だけども問題は今日の雨 傘がない
行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
君の街に行かなくちゃ 雨にぬれ
つめたい雨が今日は心に浸みる
君の事以外は考えられなくなる
それはいい事だろ?
大津いじめ自殺事件や九州北部豪雨被害とこの曲の詞がシンクロして、
この古い歌が脳裏をよぎった。
一見、理路整然としている首相の語り口にはツッコミどころが満載なんだけど、
そういう理屈を超えた熱 ― 本当の真実が伝わってこなかった。
この曲は40年ちかく前の作品。
その当時、陽水さんはプロテストソングとして書いたんだろう。
時代を超えて、現代にも響いてくる。
今この瞬間も、傘がなくてズブ濡れになっている人がいる。
その人たちに傘を差しだすのが、政治の役割だろう。
いま差しだされている傘は、破れ傘のような気がしてならない。
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