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この紀行文のシリーズを知らないひとはいないだろう。
するどい歴史観と洞察力で、かずかずの名作を生みだしてきた故 司馬遼太郎さん。
司馬さんのライフワークであり、
25年間にわたり、「週刊朝日」で連載されていた紀行文が『街道をゆく』だ。
紀行文と簡単に書いてしまったが、
その内容は単純な旅の感想や叙景だけでなく、
司馬さんが生涯追い求めた「日本人とは何か…?」をするどく読者に突きつけてくる名著である。
その『街道をゆく』シリーズの34巻が『大徳寺散歩/中津・宇佐のみち』で、
わがふるさと中津について触れている。
中津に住む僕らは、司馬ファンじゃなくても、ぜひこの本を一読すべきだと思う。
もちろん『街道をゆく』シリーズは、それぞれの巻にひとしく筆者の日本への愛情がこめられているので、
どの巻を読んでもいいのだけど、
僕のような凡人には、自分の知っている風景や建造物についての記述のほうが、
司馬史観をよりわかりやすく感じられるからだ。
同じ景色でも、歴史観の深いひとやものごとへの洞察力のするどいひとが見ると、
こんなにも豊かに歴史がビジュアル化されて写るのかと思い知らされる。
しかも、司馬さんの来津は1990年くらいらしいから、そんなむかしでもない。
ついでながら、この巻の第1部『大徳寺散歩』について…。
京都・紫野の地に立つ大徳寺。花園上皇、後醍醐天皇、大燈国師、一休宗純、小堀遠州と縁深い臨済宗大本山の山内にある、二十余の塔頭をめぐる歴史散策(「BOOK」データベースより)。
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