八兵衛のセカンドライフ

46歳で脳幹(橋)出血、現在72歳の車イス男性。ブログはFact is factで(事実だものしょーがねぇべ)

ニューロリハビリテーション

2012年08月26日 07時44分34秒 | リハビリ・ADL
◇夏の終わりの風物詩だった黄色いTシャツの24時間テレビが、昨夜からやっている。
  娘達が小学生の頃は、この時期になると女房娘達の女3人が徹夜で、夏休みの宿題をやっつけるのが恒例だった。
  そんなことをつらつら思いながら、昨夜はちゃっかりTBSの異常気象の警告、不思議クイズ発見を見た。

◇24時間スギちゃん状態になってから、朝昼晩と伝い歩いてみると、マヒ半身の感じが微妙に違うんだよね。
  ふくらはぎ、太腿、尻、脇腹、脇の下、背中、肩、二の腕と、筋肉の多い部位が時間がたつと僅かに違ってくるし、
  部位間の僅かな違いが相乗したり、マヒ足と良い足との比較になるから、意外とわりに違いが感じるものなんだよね。
  そんなこともあって、最近では四六時中体幹ツイストをやって、胴体を捩じったり肩をグリグリしたりしている。

◇伝統的な脳卒中リハビリテーションでは、6ヶ月過ぎの慢性期からは改善は飽和するだったけど、
  慢性期以降も長期にわたって改善が見られる症例も無視できなくなったらしく(?)、
  近頃はニューロリハビリテーションの名前でいろいろ研究が始まってきたようだ。
  まだホヤホヤだし参考になりそう動きが出るまで、少なくともあと2,3年はかかりそう。

  どの文献もいろいろ難解な言葉が並んでいるけど、エイヤーで言えば私の持論と似たりよったりのようだ。

   ps:ところどころ難解な専門用語があるけど、この文献なんか私には参考になる。
コメント (8)
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参考:リハビリとやる気

2012年08月26日 07時30分53秒 | リハビリ・ADL
厚生科学weekly(2009年2月27日号)の巻頭言を再掲した。

脳科学の発達、とりわけヒトの脳研究の急速な進歩は、ニューロリハビリテーションという新たな領域を産み出した。
ニューロリハビリテーションとは、神経科学を理論的基盤とするリハビリテーションのことである。
この新しい分野を支える神経科学の主たる関心事の一つは、リハビリテーションによる中枢神経系の可変性、トレーニング可能性(trainability)である。
これらは直接的にリハビリテーションの臨床と関連する。
実際、霊長類を対象としたリハビリテーションによる脳の機能地図の再構築、あるいは四足動物を対象とした歩行訓練による脊髄歩行中枢の再構築、などが証明された結果、新たなリハビリテーションの方法が世に出ることとなった。
新たに世に出たリハビリテーションの方法が実際に人間に対して効果があるのかどうかは、正当な手続きを取って検証される必要がある。
そのような手続きを経て効果が証明されて初めて、新たな方法は有効なリハビリテーション技術として認知されることになる。
しかし今、主に現場での経験則から、科学的検証が困難な要素の影響が注目されている。
それは訓練者本人のやる気(motivation)である。

 ちょうど昨日、日本中の注目を集めたWBC(World Baseball Classic)の決勝戦が行われ、日本チームが見事優勝した。
彼らのプレッシャーに負けない躍動感あふれるプレーにはいまさらながら驚嘆させられた。
ところで、かつて日本プロ野球界のスーパースターとして現役時代には超人的プレーでファンを魅了した長嶋茂雄氏が脳卒中のため右半身の機能に重い障害を負ったことは良く知られている。
その長嶋氏が昨年、NHKの「ニューロリハビリテーション」をテーマとしたテレビ番組に出演し、病に倒れてから初めてインタビューに応じるとともに、リハビリテーションに取り組む姿を公開した。
かつて選手として天才的なプレーでファンを魅了し、その“動物的”と評される身体能力を誇った人物が片麻痺という重い障害を負った現実の姿、それは見る者、特に長嶋氏の現役時代の姿を知る者にこの病気の恐ろしさを痛々しく伝えたと思われる。
しかし同時に、スーパースターが必死の形相で掛け声をかけながらトレッドミルで歩行トレーニングをする様子、“次は走るんだ”、と“がんばっている”様子はどれだけ多くの脳卒中患者に勇気と希望を与えたことであろうか。
筆者は、かつて超人的なプレーでプロ野球界の頂点にあったスーパースターが、障害を負った姿を公開した勇気と、そうすることで尚、人々に夢や希望を与えようとする気概に、言葉では言い表せない感動をおぼえた。
同時に、その不屈の“やる気”が、障害を負った脳と他の神経系の再編にどれだけの影響力を持っていたのか、あらためて考えさせられたのである。
しかし、リハビリテーションにおける“やる気”の効果を検証するためには、やる気の正体をつきとめ、最終段階としては、やる気がある群と無い群の無作為比較試験を行わねばならない。
現状ではとてもここまで行うことはできないであろう。
しかし、基礎研究においては既に、この“やる気”に近いところに対する脳神経科学のアプローチも始まっている。
遠くない将来、かつて科学の遡上にのらなかった“やる気”の影響が科学的に検証され、それを効果的に利用する方法が、ニューロリハビリテーションの新しい技術として登場することを期待してやまない。
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