内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

カイロスとクロノス(15)― ギヨームによる三次元的言語システム・モデル

2018-10-01 23:59:59 | 哲学

 昨日の記事に引き続き、ギヨームの操作時間についてのアガンベンの説明を追っていこう。
 いかなる言語もその運用システムを線形図式にしたがって組織化しはしない。そのような図式は、言語運用の現実に対して、あまりにも「できあがり」すぎているためにあまりにも貧困である。言語は、形成されたイメージをそれが形成される操作時間へと送り返すことを通じて己の運用システムを組織化する。
 ギヨームは、時間の時系列にそった表象(過去・現在・未来)の上にイメージ時間の形成過程の表象を投影させることによって時系列的表象を複雑化する。この投影によって、線形型ではなく、三次元的な新しい時間表象、つまり時系列を生成する時間の表象が獲得される。
 この時系列生成の図式は、イメージ時間を、その三つの相異なった状態 ― まったく潜在的な状態・形成過程・形成された状態 ― において把握することを可能にする。かくして、言語のすべての運用形態(様相、様態、時制)を一つの統一モデルを通じて説明することが可能になる。
 ここまでは、アガンベンによる説明を、私なりの補足をところどころ挿入しつつ、なぞっただけである。これだけは、操作時間やイメージ時間が何を意味するのかよくわからない。
 この説明の後に、小活字で補足説明が加えられている。そこを読むといくらかはよりよくギヨームの言語理論がわかってくる。その箇所を明日の記事で読もう。












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