こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

坂本龍一のサウンドストリート 1981年9月29日

2005-10-22 21:49:22 | 坂本龍一のサウンドストリート
「フォトムジーク」のタイトルに募集してくれた人の中で、
面白かったタイトルをつけてくれた5人の一般の人を呼んだ回。

まるで「YOU」のような感じで進行される。
みんなあれから24年後の今頃、どこで何をやっているんだろうか・・・・?
知りたいところです・・。

◆「電気的胎児の鼓動 エレクトリック ベイブ ドキドキ」ニレイリエさん(大田区 20歳)
絵を描くのが好きで絵の予備校生に通っていたという彼女。3回も芸大を受けて落ちたという。
ケチャップをかけたキューピーちゃんと春菊をモチーフとして描いた油絵から、このタイトルを考えたという。
彼女がジャパンのスティーヴのファンだという話から「矢野顕子に、ジャパンにバックをして欲しいと頼まれている」と教授が言う。
「もしかするとそうなるかも・・・」という話は、翌年、「愛がなくちゃね」で実現した。


1・不明 プラスティックスがやっているみたいな曲。


◆「マブゼ博士の憂鬱な舞踏」クラモトタカシさん(大田区 高校2年生)
壁に足を乗せてラジオを聴いていて、思いついたから、このタイトルをハガキに書いたという。
「壁に足を乗せてラジオを聴く」なんて、なんかすごく懐かしい感じがした。
サイケデリック・ファーズのようにサックスが入っている音楽が好きという彼。高校2年生にしては、落ち着いた知的な感じの人だ。
そりゃそうだわな、全員に共通しているが、知性の無いバカが「坂本龍一のサウンドストリート」を聞く訳は無いわな。


2・ハイスクール・ララバイ イモ欽トリオ【写真】


◆「うるわし」トヨダミワコさん(港区高輪 中学3年生) 
昭和41年生まれ!私「かたちんば」と同じじゃん!ガーン!
暗かった少年だった私は、この明るい少女の詩が大好きだった(今も好きだが)

「カラダを黒く塗った僕は
猫になって
夜の散歩と
しゃれこんでみるのです

月が光る
青く光る
闇がごうっと迫ってくる
いつもの散歩道は
なぜか金色に光って
天まで尾を伸ばしている

冷たいビル街は陽気になり
はやりのロックを踊りだす

闇が包むものは全てうるわし
黒い僕にもいつしか
羽をつけてくれたこの夜

あの快感が忘れられなくて
今夜も僕は猫になり
夜の散歩へ出かけるのです

ああ、ここはうるわしの街
今日も、うるわしの夜

ここから当分離れられない」


新宿のビル街をイメージしているという。
「まだ新宿には行った事が無いけど」という発言にガーンと驚いた。

少女漫画家を目指していた教授は、彼女が何のマンガを見ているの~と関心を示す。

彼女の質問がまたすごい。
「千のナイフ」のメロディーは「見~い~ちゃった見~い~ちゃった せんせいに言ってやろ」というのにそっくりといい、「盗作じゃなんですか」という質問。
「一応、僕のオリジナルです」と答える教授。


3・不明 ダブ


◆「革命分析」(ダブ・バージョン)オオツカタカコさん(神奈川県 中学生)
この人も、中学生とは思えないような、しっかりした方だったが、真っ正直に「教授のオンガクを聴くと何か分かるような気がするんですが、しゃべるのを聞くと何を言いたいのかがわからなくなっちゃうんです。」という発言に、ズルッとイスからころげ落ちる。


4・坂本龍一・カクトウギセッション 「Sleep On My Baby」


◆「フォトムジーク」カネタカトシノブさん(静岡市ハットリ 29歳)
この方、非常に味のあるイイ人で、余りに教授との会話が面白いので、細かく載せます。

カネタカさん「教授と同じ昭和27年生まれです。」「7月10日生まれです。」
教授    「じゃ、幸宏と同じくらいだな・・。」
カネタカさん「いや、彼より遅いんじゃないかな・・。いや、彼なんて・・・」
教授    「いいですよ、彼で。ユキヒロでいいですから。」
カネタカさん「(焦って)ああ、そうですか」
教授    「かしこまってますねえ」
カネタカさん「私、ひじょうに、気が小さいオトコで。」
教授    「(笑い)いや、何言ってんですか。」

教授    「カネタカさんは僕と同じ29歳。
       字を見て15から6歳くらいの高校生のカメラマニアの男の子かなあって思ってましたけど・・。
       すごく少年のようなところがあると思うんですが・・。」
カネタカさん「ひじょうにコドモっぽいというか、精神的に若いと思っていまして。」
教授    「(急に声を大きくして)やっぱりそうですか!」
カネタカさん「いつまでも若くありたいと思ってまして。」

教授    「ご結婚なさってますか?」
カネタカさん「いや、まだ、残念ながら・・・募集中です。」
教授    「募集中です!!募集してます!この方はイイ方です」
      「小学校の先生なんですか?」
カネタカさん「はい、そうです。」
教授    「ちょっと、自己主張してくださいよ。」
カネタカさん「いや、、、別に無いですけど。。みなさん元気でやってますか。」

(あたりに、ドカンドカン笑いを耐えるすすり笑いが聞こえる)

カネタカさん「困っちゃったなあ。。別に無いです。」


教授    「こういうところに来るのは初めて?」
カネタカさん「はい、初めてです。とにかくイナカモンですから・・・。恥ずかしいです。」
教授    「イナカモンが恥ずかしいってことないですよね。」

カネタカさん「いや、わたくし、新しもん好きなので。やっぱ、東京はいいなと思って。」
教授    「(ついに大爆笑)ハハハハ!新しもの好き!」
カネタカさん「だから、教授のオンガク、大好きなんです。」
教授    「(苦笑)新しいから好き?ああ。ああ、そうか・・・。」
カネタカさん「わたし、シュトックハウゼンとか、ああいうの好きなんですよ。」
教授    「ああ、そういうの、好きなんですか。じゃあ、ポップスも・・」
カネタカさん「ええッポップスも好きなんですけど・・。教授が紹介してくれるの、だいたい好きなんです。ああ、Visageなんか。」
教授    「余り幻想に酔っちゃいけませんよ。」
カネタカさん「どうも幻想に酔ってばかりで、現実を直視出来なくて・・。」
教授    「もう29歳なんだから。」

教授    「”カメラのファインダーを覗くとこんなオンガクが聞こえるような気がします”これに僕はシビレちゃったんですよ。」
カネタカさん「実際、その通り。北の方の窓を見ていたら本当にそんな感じがして・・。」
教授    「ファインダーを覗くって気持ちいいことですか?」
カネタカさん「ええ、いいですね。快感があって。
       で、案外撮って現像してみると、そうたいしたことなくてがっかりしちゃう。」


5・坂本龍一 「フォトムジーク」


カネタカ先生ももう53歳。今、どうしているんでしょうねえ。
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ピロリの秋 : 第6回目  ビル・ネルソン「Chimera」 '83

2005-10-22 15:58:32 | 音楽帳
'83年秋は、ビル・ネルソンの流麗で官能的なギターを様々なところで聞いた。
YMO「浮気なぼくら」は当然のこと、モンスーンのレコード、そして、このソロ・アルバムだ。

日本発売は無かったが、ここには、幸宏がドラムで参加、松武秀樹さんが全体のコンピュータプログラミングで参加している。アルバムとして幸宏とビルが一緒にやった最初のもの、ということになる。

レコーディングは'82年秋に行われた、'83年1月にミックスというクレジットがある。

A面
1・The Real Adventure(ドラム:幸宏)
2・Acceleration(ドラム:幸宏)・・・幸宏のドラムがめちゃめちゃカッコいい!
3・Everyday Feels Another New Drug(ドラム:幸宏)

B面
1・Tender Is The Night(ドラム:幸宏)・・・名曲!ビルの裏返るヴォーカルがカッコいい!
2・Glow World(ドラム:幸宏、ベース:ミック・カーン)・・・これまた中近東したメロディ、ミック・カーンのうにうにしたベース、途中で入るリズムボックスの組み合わせが実に気持ち悪くて、カッコよい!
3・Another Day, Another Ray Of Hope

優れたデザインのジャケット【写真】もカッコ良く、このカッコ良さは、CDなんてちんけな大きさのものでは味わえない。
もっとも、このレコードはCDになっていない。
数曲追加されたものが、「Vistamix」という形で出ているらしいが、やっぱり私はレコードで聞きたい。
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ピロリの秋 : 第5回目  シングル 小池玉緒+YMO 「鏡の中の十月」 '83

2005-10-22 15:21:32 | 音楽帳
'83年秋は、本当に、今聞いている秋のオンガクの宝庫である。
まさに豊作の秋だったなあ・・・・。

クレプスキュールレーベルを細野さんが発見し、狂喜して、影響を受けていたのが'83年秋。
コシミハルさんの「チュチュ」をテレックスと作ったり、そして、この「鏡の中の十月」はクレプスキュールの影響そのものをさらけ出してYMOとしてバックアップして作った秋の名曲。

かわいかった小池玉緒さんの、けだるげなため息交じりのアンニュイなヴォーカルがたまらない。

'83年9月28日発売
A面 鏡の中の十月
B面 Automne Dans Un Miroir(フランス語ヴァージョン)

【写真】はシングルのジャケットだが、実は、20年以上レコード屋さんを探しているのだが、未だに手に入れられていない、幻の一品。
コピーしてCDに落としたもので聴く日々だ。
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ピロリの秋 : 第4回目 シングル 細野晴臣 「三国志のテーマ」 '82

2005-10-22 14:55:08 | 音楽帳
細野さんは、'82、'83 本当にメロディーメーカーとして色んな仕事をした。
松田聖子や中森明菜の曲作りと共に、好きなのは、NHKの人形劇の「三国志」のテーマ曲である。

シングル盤は、高価の値段で何度かレコード屋さんで見たことはあるが、持っていない。
持っているのは、コピーしてCDに落とした音。

発売は、'82年11月21日

A面 三国志メインテーマ(インストルメンタル)
B面 三国志ラブ・テーマ(歌:小池玉緒)

ここ数年、秋になると、この曲を聴きたくなる。

B面のヴォーカルは、小池玉緒ちゃん。

「好きなら好きと
言えない心に
人はいつも苦しむの

私はきっと幸せになれるわ
あなたが生きてる限り」というサビが好きです。

人形劇を見ていない人にも、是非聞いて欲しいココロに優しい名曲です。
今では入手困難ですが、CDとしては細野さんのYENレーベルのBest盤にしか収納されていません。レコード屋さんでシングル盤を探した方がいいのかもしれません。
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慢性鬱病患者の朝の1曲 「the cure/灰色の猫(All Cats Are Grey)」

2005-10-22 13:05:09 | 音楽帳
金曜日の晩、1週間の疲れを引きずって、ビール2本と睡眠薬1錠服用。
深夜2時近くに寝る。
ぼろぼろのカラダだ。日曜日も仕事というのに・・。

たんまり睡眠をむさぼり、起きると12:00.
外を見ると、数日続いた晴れの日からまた一転し、空は灰色、小雨が降り、行きかう人は傘を差している。

熱い緑茶を煎れて、パソコンの前に向かっていると、鳥ががあがあと頼りなげに鳴いている。

こういう日に、すっかり忘れていたが、似合う鬱病患者の処方箋ともなる曲を思い出した。大阪から東京に戻ってからだから'96年以降に出会った曲だろうが、いつ出会ったのか、細かくは忘れた。

キュアー(The Cure)は、'80年代初頭、名前をよく聞いていながら、素通りしていた。ジャケットの暗いイメージには、すごく惹かれてはいたのだが。

しかし、実際、聴くと、自分のイメージとはかなりずれていた。
そんな中、自分の描く「キュアー」のイメージと一番重なる大好きな曲が「灰色の猫(All Cats Are Grey)」だ。

曲が始まると、まずゆったりした、ドラムの音が一定のリズムを叩く。
そこにフワーっとしたシンセの音が被さっていく。
そこで、深い森の世界を描き出す。
ドラムは森に直立する1本1本の木々だ。シンセのもわっつとした音は、そこ一帯を漂う霧(きり)である。

その中に、暗いヴォーカルが現れる・・・。

All Cats Are Grey = すべての猫は灰色 ・ 猫はどれも灰色

その詩は、幻覚じみていて、猫という対象もあって、ドラッグをやっているかのような不思議な感じを覚える。

この曲が描き出す空間に漂うのが、心地良い。

この暗さ、静けさは、まさに冬にむかう秋、鬱病患者にしか似合わない。曲の最後、深いピアノの音で終わる終わり方、余韻の残し方も、この曲を痛々しいものにしている。

【写真】は、この「灰色の猫」が入っている'81のキュアーのアルバム「Faith(信仰)」。ジャケットそのものの音だ。
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