こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2013年5月9日 木曜日 「隘路(あいろ)を伝って」

2013-05-09 23:09:37 | 音楽帳

新しいモノずき、ファッション、トレンド、なんて言葉。「市況は・・・」なんて言うヒトだったり、メディアだったり。

今では雑誌も買わない自分が、電車に乗って、吊り広告なんてモノを眺めていると「最新の」だの「○○がいま、おしゃれ」だの。必死に、もう回ることの無いカネを回すために、それこそミソもクソもいっしょくたにして、迷走している様が見てとれる。

なにせ、おのれの国で事件を起こすことで、戦争をしかけて、それでもって軍需産業を回すアメリカみたいな(国家とは呼べない)クニまである始末だから。

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生きている中で、一番影響を後々まで引きずる・一番感性のするどい中高生時代。
産まれる時代は、本人には選びようもない中で、今の中高生だって、やはり「今はこれ」「次はこれ」と、それぞれの道や興味に惹かれていく。

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じぶんが聴いてきた音楽には、さまざまな遍歴がある。それぞれは自らの脳のどこかに刻み込まれている。
とはいえ、このブログで紹介してきた音楽には、偏りがある。
恣意的な部分が当初あったのは事実だが。
しかし、今では「では、テクノでこんなアルバムもあるよ」と紹介する気が無い。過去は聴いていたが、今、聴こうと思う音楽が極めてせばまっているのが、まさに「今」のじぶんである。
そこにアルバムがあるのに手が伸びない。代わりに、極めて一部のアルバムばかりに手が伸びる。
これを老化の一種、あるいは、視野が狭くなりだした、これがこの人の限界点なんだな。。。さまざまに思われてしかるべきだろう。

かつて、音楽評論家の大貫憲章さんが、ある雑誌の文章で「結局、じぶんにとってクラッシュを超えるだけのものに出会えぬまま、この稼業を続けている」といったことを読んだことがある。
日々新しく出てくる音に対して「あきんど」として、何らかのコメントをせねばならない人からの吐露。
「この人は終わった」と言われていることだっただろうが、何かそんな過去に親近感を抱く。

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例えば、本が好きな人、あるいは読書家、とか何でもいいのだが、本を読む中で、たくさんの本を読めば確率論として、多くのヒント(CUE)に出会えるのかもしれない。
しかし、一方では、ある本に影響を受けて、その本を数十回読み直したりする。

浅田彰が80年代に語ったスキゾ/パラノなどから遠い、永遠に遠い時代に今いるが、どんなにたくさんの雑多な「情報」なるものを「食べてはウンコして」を繰り返して生きるもよし・別な生き方もよし・・・。
ただ、もうそういう環境と時代では無いと、「今」のじぶんは感じている。
新しいものも古いものも無い・フラットな地点。

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このところ、ひたすら聴いているのは静かな音楽。よりいっそう。
中学時代に、いっとき「不気味くん」とあだなを付けられたくらいだから。
産まれてこのかたヒネクレ者扱いのじぶんは、当時、暗さの権化になりたいと周囲にあえて背中を向けてあゆむことを選ぶ体質。
その根っこは、未だに変わっていない。

その静かな音とは一方で、やっぱり引力は自らの魂の源に戻ってしまう。
YMO、3人のソロ、あるいは、そこからの周辺音楽。
かつて1982年にブライアン・イーノは「ボクは、10枚のレコードで充分ハッピーになれる」と言っていたが。

本にしろ、音楽にしろ、何十回繰り返してみるものとはあるもの。
それを、視野がせばまった、と捉えるか、或いは、より深く理解したい、と捉えるか、或いは、何度繰り返しても新しい発見がある、と捉えるかは他人の勝手だが、「今」のじぶんはどうしても定番にたどり着いてしまう。本も音楽も。

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元々、精神を病んだ三歳児状態から、一応まかりなりにも他人と一緒に社会内に置いてもらえるに至るには、極めてリスキーな綱渡りと、ギリギリのラインでの小さく狭い隘路(あいろ)を繋ぎ・繋ぎ、なんとか渡ってきた。
「未来」などは存在せず、「今」というリアルタイムの地点と、体内に残留する想い出だったり・記憶だったりを頼りにして。
つねに「エマージェンシー(非常事態)」の間を縫って。

中学3年生の頃、毎夜聴き込んでいたジャパンのアルバム「孤独な影」。

このA面の最後に「マイ・ニュー・キャリア」なる曲がある。
「ボクの新しい船出に」という内容だが、とてもではないが、そのような明るさは一切無かったことは分かっていた。
むしろ、ここにじぶんはデヴィッド・シルヴィアンもギリギリのラインでしのいでいく中での、一筋の光明を託して「新しい船出」と表現したと思っていたし、三十数年後の今もそう感じる。
■JAPAN 「MY NEW CAREER」1980■


コメント
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