家に戻ると、たいてい同じ位置の座布団にあぐらをかいてしまう。
そこが、ほぼゆかに近い位置に置いたパソコン前に当たる。
ホントはもっと広い空間があるのに、そこに座ってしまう。
確かにそれ以外の場所は、本・CD等々堆積物がじゃましている。
いいかげん少しはきれいにしたらどうだよ、とじぶんに向かって言いたくなる。
ほかの人はたぶん、その人にとって一番心地良い場所に座っているのだろう。
さらに言えば、じぶんの部屋に居るときくらいは・・・と自堕落になれるようにセッティングした位置に座っているんだろう。
いろいろなリモコン、それにテレビ、飲み物、やわらかいクッションに長いすなどが快適に配置された絵ずらを想像する。
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今夜はゴミ整理もかねて、久しぶりに周囲の堆積物をよける。
大阪の独り暮らしから使っている長いテーブルに座った。つくえの上は雑多なものにあふれている。
しかし、いくら周囲に堆積物があろうと落ち着く。
これは中学のときに覚えた感覚と一致する。
当時は、手の届くところにコンポとジャックをつないだヘッドフォンがあり、それを耳にあててチューニングをし、つくえにA4大の雑誌を開いて、電灯を点けて・・・。
それだけで小宇宙が夜に花開く。
もはや、まわりがいくら汚くても気にならない世界。
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文学家がつくえに座る写真が好きである。
今、手近にあるものといえば、三島さんの好きな写真。雑多な書類に囲まれた文筆場所。
そこでたばこをくゆらせる。三島が可愛がったネコがつくえのこっち側でそれを眺めているショット。
もう一つは、こないだ神保町で買った「堕落論」にも入った坂口安吾の有名な写真。
こちらは見ると苦しげな空気があるが、それは見る側だけの感想じゃないかと思う。
今夜は、やっとカセットテープのmp3化を”よっこいしょ”とやっていた。
USBメモリーを刺せるタイプのラジカセは、もう数か月前に買ったのに、やっと重い腰を上げた。30余年のあいだに、カセットテープがかなり劣化やカビが生えだしたのもあるし、もう時間が無いのもあり。
手始めに、先週から1本mp3化した。それはブライアン・イーノのインタビュー。
そして、今夜は1985年9月28日、土曜深夜3時の「FMトランスミッション/バリケード」。
トレイシー・ヤングに始まり、OMD、ブレイン・L・レニンガー、プロパガンダ、DAF、スクリティ・ポリティ等々。
60分テープのA面、B面それぞれを聴いていると、B面終わりに、FM東京のジングル、そして明け方4時の時報。
番組「夜明けのプレリュード」のイントロが流れてテープは終わった。
■Tracie Young 「Nothing Happens Here But You」2008■
この曲は1984年夏によく聴いたアルバム「恋のしぐさ」からの1曲。
それを2008年に演奏したもの。曲そのものもだが、この人の声が好きである。
昨日は午後兄と一緒に、何とか再び親を入院させる諸々の手続きをして終わった。
今回は、病名も治る道筋も見えているので、兄弟ともども2年前のような不安はない。
もうお袋さんは眠っているだろうか。