この曲を初めて聴いたのは「教授(坂本龍一)のサウンドストリート」1983年8月30日の放送回でのこと。ゲストは鈴木慶一さんandさえ子ちゃん。
そのときは2人が結婚することになった頃で、慶一氏が手伝った さえ子ちゃんのソロアルバム「毎日がクリスマスだったら」の紹介回だった。アルバム紹介の合間・ティーブレイクとしてこの曲「Café Canada」が掛かった。
1981年4月に始まった「坂本龍一のサウンドストリート」も、毎週一秒も聴き逃すまいと切迫感を持って毎週大事に聴いていた時代を過ぎ、 1983年ともなるとすっかり中だるみして、カセットテープに録音して満足して済ませていた回も多かった。しかし、この回は掛かる音楽・会話ともに面白く深かったので、何回もこのテープを聴いていた。1983年夏の終わりの番組を、秋から冬になっても繰り返し聴いていた。以来「Café Canada」は毎年秋になると必ず聴いている。
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「Café Canada」はイギリス現地発売のシングル「Take That Situation」のB面に収録されている。最近ではファーストソロアルバム「風のミラクル」CDのボーナストラックに収録されている。
サウンドストリートでは、お気に入りレコード探しを巡る会話が楽しかった。教授は某パイドパイパー・・でたんまり新譜レコードを買っていたが、仕事が忙しくてなかなか聴く時間がない。ひたすら膨大な枚数聴いてないレコードが溜まっていく中、一枚でも聴いてみようという気持ちになるきっかけは、「誰それがアレが良かった、と言っていた」という仲間の情報だ、と言う。
一方、新譜好きの慶一氏の方はといえば、さえ子ちゃんが代わりに聴いて「アレが良かった/これはあんまりよく無かった」と仕分けして教えてあげてると言う。そんなデレデレの会話につい教授は「早くも内助の功かよ」と小さくキレた。
この頃、この夫婦の仲睦まじい感じはイヤミがなく楽しそうだった。。(慶一・さえ子夫婦はうまくいくんじゃないかな、と自分は思っていたけど。。。)
ニック・ヘイワードは、ヘアカット100がヒットした途端にいきなり脱退して、当時えらく驚いたもの。/ソロになって一枚目のシングル「Whistle Down The Wind」のスローなテンポの魅力。/その後、一枚一枚シングルカットを繰り出して、その末にファーストソロアルバムを作った流れ。/幸宏がオールナイトニッポンでそのシングル曲を掛け続けてくれたこと。/同じく幸宏がアルバムのライナーノーツを書いていたこと。/・・・などと芋づる式にさまざま思い出す。
今年は猛暑・異常気象を引きずり秋のおとずれや紅葉も遅くなったが、やっとこの曲が似合う季節になった。
■Nick Heyward「Café Canada」1983■