こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

秋の100曲:Ultravox「Monument」1982

2024-11-22 12:00:00 | 音楽帳

今年は特に病院通いが多い一年だった。(まだ今年は終わっていないけど。)病院通いで青山から赤坂を歩くことが多くなり、奇遇にも元ジャニーズ本社前を往来することがよくあった。その元Jビルのななめ向かいには今年亡くなってしまった桂由美さんのブライダルハウスがある。元Jビルが無味乾燥なのに対して、桂さんの建物は凝った造形の建物で、ついシャッターを切る。
下記はその建物を私が撮影した写真だが、自分の中の幻影イメージに近づけようと、無意識に、撮影した写真に過度な補正を加えてしまう。退廃的で浪漫的なテイストになってしまうのは、自分がウルトラヴォックス好きであることと繋がっている。とその写真を見て思う。

ウルトラヴォックスは十代の頃、自分の中では偉大なる存在だった。(そんな彼らへの敬意は今も変わらない。)
1980年CMで聴いた「ニュー・ヨーロピアンズ」に一撃された自分は、「ヴィエナ」から「ラメント」にかけての第二期の彼らがやはり好きだ。
もっと言うと、アルバムでは「エデンの嵐」が一番好きで、それは今も変わらない。(ここで多くの人は「ヴィエナ」の方を選ぶだろうが。)
「エデンの嵐」はウルトラヴォックスで一番初めに買ったLPであり、一番聴き込んだレコード。コニー・プランクが絡み、ベルリンの"By The Wall"で録音された緊張感満ちる世界がすごい。

***

今回選んだ曲「モニュメント」は、1983年11月29日のクロスオーバーイレブンでABC、アイ・レベルに続き、4曲目に掛かった曲。この曲は、「エデンの嵐」に続いて1982年11月発売された「カルテット」収録の「ヒム(Hymn)」というシングル盤のB面曲である。アルバムには入っていない。

アルバム「カルテット」発売後、1983年7月に編集盤として、日本限定でミニアルバム「聖歌」が発売。今までの曲の未収録のロングバージョンやライヴバージョン・・・そこに混じって「モニュメント」が収録されている。

アルバム「カルテット」は、ポップになり過ぎていて、「エデンの嵐」にしびれてしびれてしびれまくった自分には少し違和感があるアルバムだった。
最初のシングルカット「リープ・ザ・ワイルド・ウインド」の「明るく希望あり」といった様にはワクワクしたものだったが、アルバム全体を聴いてみると、それまでの重厚さが取れ独自性がなくなったように思ってしまい、「あれっ?自分が愛したウルトラヴォックスは、確かもっと硬質なザラザラした感触の、浪漫に満ち構成主義的な音を鳴らすバンドだったはず。。。。」
どうやら同じ感想を持ったファンが多かったようで、当時のインタビューでミッジ・ユーロは、評判悪い「カルテット」に反論を述べていたが、彼がどう言おうといまいちそうは思えなかった。

そんな自分にも、インスト曲「モニュメント」は「エデンの嵐」に近い”あの”理想的感触の音で、実に素晴らしい一曲。
同じような感情を持つ人は居るだろうか?正直自信がないが、自分には名曲である。

 

■Ultravox「Monument」1982■

コメント
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