金曜の夜、リハビリの数時間を終えて外に出ると、月が煌々と見えた。
見えた、といっても、建物と建物のあいだであり、歩きながら視界をずらし、なんとかビルのあいだから覗いた月を拝んだのだ。
この数日、カラダが異様に重ダルい。
さらには、目が回るように平衡感覚がおかしい。
ついにこのカラダにも重大な状況が迫ってきたか、と思ったが、「それは満月のせいでは?」と家の者に指摘される。
そうかも知れない。とたんにバカバカしい妄想が解ける想いがする。
テレビでは盛んに、同じことを言っていた。
中秋の名月が満月とは限らない。
今年はたまたま満月。
次に満月になるのは2030年。
2030年?
7年後なんてはるか遠い。こういったはるか先の話しは、今では自分に無縁な世界と捉えるようにしている。
でないと、気が遠くなるのだ。
昔、1980年、雑誌でストラングラーズのジャン・ジャック・バーネルがインタビューに答えていたくだりを想い出す。
「10年後どうなってるかって?たぶん死んでるよ」と言った捨てセリフに「かっこいい」と当時中学生の自分は思っていた。
しかし今の私には、リアル過ぎてシャレにならない。
月夜にストラングラーズを聴いていたか?と言えば、全く違う曲を聴いた。
■Echo & The Bunnymen「The Killing Moon」1983■
なんとかズームでブレブレの月をおさえた。