11月21日 土 朝、晴れ
設定を間違ったアラームが鳴る。消しては眠り消しては眠り。
ちゃんと消さないから、これを繰り返す。無意識と意識の合い間で。
それをきっかけにして、7:00起きる。昨日から始まったノドの痛みを感じる。
寝る前呑んだお湯割りと白湯のせいで、尿意が最高潮。仕方なく起き上がる。
お湯をヤカンで沸かす。
その間に、塩を入れた塩水でガラガラとうがいをした。
入院する者を看護をする側のじぶん。そういう者が風邪など引いている場合じゃない。
お茶を煎れる。一度別の入れ物に一滴残らず落とし、しばらくムラした上で移し替える。
おいしい藪北せん茶の葉っぱも最後になってしまった。新しい葉っぱを買い足しにいかないと。
布でさえぎった薄暗い室内に、次第に陽光が届き始める。
塩水うがいを終えてすぐはノドが痛い。しばらくすると、痛みはなじんでおさまる。
ラジオをひねるとジプシーキングス。
一曲終わると放送事故か?沈黙が長い。
何か変だ。
『・・・・・こちらはニッポン放送、すみだ放送局。
東京スカイツリーから、ただいま試験電波を発射しています。』
『・・・・両チャンネル。
左チャンネル。
右チャンネル。』
発射音が聞こえる。
合点が行く。
昨夜、渋谷陽一さんの放送を聴いた後、そのラジカセは消された。
いつもはAMになっているのに、スイッチがFMになっていたのだ。
起き抜けにがさがさ。ランダムにチューニング回した中から出てきた、スパニッシュギターの心地良さ。
その後、美空ひばりさんか?一声一声の発声が鮮やかに聞こえる。
スタンダードジャズナンバー。これもまた素敵だ。
ジャズナンバーは何曲も続く。最初はひばりさんと思っていたけど、そうではないよう。
再度左右チャンネルテスト。
続いてパッヘルベルのカノン。パイプオルガンが優雅なテンポで演奏される。
***
冬開局を目指して試験を行っている、そう言われてきたAMラジオのFM放送化。
宮川賢さんら大好きなラジオDJは、今年早い時期からよく話しに出してきた。
「なんだか気恥ずかしい」し、気取ったFMのメンツを壊す行為に連中は嫌がってんだろう、そう言っていた。
なんでも簡便に済ませることで、人が元来持っていた心と体の機能を失ってきた平成21世紀の流れ。その延長線上。
あらゆる場所に防犯カメラが設置され、あらゆるものがネットワークで直結された相互監視の監獄。そこをシステム人間だけが跋扈する。
そんな中にあって、このラジオの新しい形だけには、現段階であまり抵抗拒否感が無い。
現実ラジコにもお世話になってきた。
ふだんチューニングしてもうまく聞こえない局が聴けるだけ有り難かった。
決して、FMなみのクリアさで聞きだいわけじゃない。
わたしにとってのラジオは、やはりノイズ混じりの中から伝えてくる、それを聞き分けようとする切実さにある。
ラジオを愛する老若男女並びに植物や生き物や沈黙するものたちへ、生きる力を運ぶならば、それで自由と豊かさが生まれるならば、これからもラジオだけは応援したい。
おだやかな朝。その一シーン。
■細野晴臣 「僕は一寸(ちょっと)」1973(ホソノハウス)■
8時を過ぎてTBSラジオ。生島淳さんが出ている。
「昔、TBSラジオは950ヘルツだった。」詳しいですね、と堀尾さん。
そりゃそうですよ、親父が当時『夜はともだち』のパーソナリティでしたから、と淳さん。
その放送を塾の行き帰りに猿楽町界隈、イヤホンで聴いていた。
じぶんが初めてラジオでハガキを読まれたのは、その『夜はともだち』冒頭だったことを想い出した。
今日は、せっかく早起きした晴れ間。
いつもより早く、街歩きの旅に出ようと思う。
ラジオからひろがる世界はサプライズ(よい出会い)もあり何処か無限な感じがして心地よいですよね。ネットとは違う何か。
幼少の頃よりラジオのダイヤルをぐるぐる回しては、異国の放送やその背後よりちっちゃく聞こえる地方では聴けなかったキー局の番組を一生懸命耳をこらしていろいろとチェックしていました。大事な情報を得る為のまさに魔法の箱でした。
ユキヒロさんのオールナイトの最終回は赤いダブルラジカセをコタツで抱え(アンテナを握ってないと入りが悪くハングル語が勝ってしまったので)、120分テープのB面の切り替えが丁度CMにかかるのを祈りつつ聴いた中1の深夜。エンディングが終わった瞬間の虚無感は、今で言う中2病な自分には半端なかったです。今でも「The April Fools」を耳にするとこの事を昨日の事の様に思い出します。
時は流れて、良くも悪くもこんな世の中になってしまいましたが、これからも形は変われどもラジオはずっと相棒くんです。
気がつけばすっかり風も冷たくなってしまいましたね。にゃんこもよく車の下にいる事が多くなってきました。
体調管理が大変な時期ですので、どうかお気をつけてお過ごしください。
よく九州に居る人から、距離的に海の向こうに近いから、ようくラジオで外国の放送が聞こえるよ、とは言われていました。
難しいチューニングのミリ単位のハザマに聴こえる音への興味や偶然の出会い、それとたわむれる楽しみはおんなじ。
幸宏のオールナイト・・・のくだりは、同じ深夜違う場所で、同じ放送を聴いていたとは。120分放送を90分テープに納めるために途中CMカットや曲の2番目をポーズボタンでカットしたり、A面からB面へのひっくり返すタイミングなど苦労しました。
最終回は4時間特番で、終わったら冬の凍てつく5時。
胃潰瘍から退院して間もないというのに、なにをやってんだか。
アンテナを握って動かないように、はよくやりました。
苦しい体勢でガマンしていると、手や足がつったり、トイレに行きたくなったり。。。
今日は、バスの中で似たようなことやってました。
車内だとラジオがかすれるんですが、車体のカベや手すりに摑まると感度が良くなるんです(笑)。
そんな原始的なことが未だ好きです。
PS:keronさんこそ、なによりカラダをお大事に。
あったかくして寝てください。