二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

楽器屋の役割、その7

2011-10-08 08:41:27 | ■工房便り 総合 
二胡屋の(楽器屋の)役割のもう一つが、修理です。

楽器には修理は付き物です。

中国にはそれが無いようなのです。

もちろん全くということはないとは思います。

バイオリンなどは、修理屋さんがいるようですから。

二胡には無いようなのです。

そのせいでしょうか、楽器屋さんも先生方も、

楽器が傷んできたら買い替えを進めるというのは。

確かに量産物に手をかけると、かなりの修理金額が懸ってしまうので、

買い換えた方が良いという場合も有ります。

しかし、20万からする物を、4~5万懸っても直さないというのは、変な話だと、

そう思うのは私だけでしょうか。

それにしても、今の二胡業界は、中国生産という元々がかなり安い物が中心になっていますので、

そのような、感覚になってしまうのでしょうか。

或いは、傷んだら買い換える方がお得な物ばかりが、中国から入っていたのでしょうか?

この数年中国制も随分値段が上がってきています。

楽器屋さんだけではなく、先生方の扱う物も、かなり高額です。

50万というのは、なんだか普通に、言われている金額になってきています。

このことは、皆さんどのように感じられるか分かりませんが、

東京の様々な、楽器店や、先生方の扱う物は、今かなり普通に、このくらいの金額はします。(これは、私がかなりまともな楽器だなと思う物についてです。)

中国では、もう日本円にして100万という物も有るそうです。

バイオリン並みですね。

このような、中国のインフレの波は、当然、あらゆる商品に現れてはいますが、

二胡の場合かなり急激ですね。?

どうしてでしょう?

と、お金の話はさておいて、と言いたいのですが。

やはり数十万する物です、それも有りますし、

何年も弾きこんだ物です。

それをなかなか、交換はしたくはないのは、人情ではないでしょうか。

先日有る、演奏家が、二胡を新しくしたと、弾いてくれました。

しかし、聞いていて、いまいちしっくりきませんでした。

私は、彼女の前の二胡が最大限に鳴っている時を知っていましたから、

大変残念な気がしました。(もちろん新しい楽器は、弾きこんだ物ほど鳴らないということは有りますが)

あの二胡、皮張り替えさえすれば、今のよりもっと良いものなのに、、、、、

まあ、新しい物に対する興味というのも有ったのだろうとは思いますが。

何年も鳴らしてきた、楽器というのは、変えが効かないと思うのです。

もちろん演奏家ですから、自分の気にいる音色を追いかけるというのは有るかと思います。

バイオリンなんかにも、次々と楽器を変えていく人はいるみたいです。


しかし、ホントに良い楽器にもしあなたが出会ったとしたら。

どうでしょう?

あなたはそれを修理し続けても、使いたいのではないですか。

当然初心者のころは、かなり量産の物を使う人も多いです。

しかし、そこそこ弾けるようになると、やはりよく鳴る楽器に、目がいき、耳がいくのはこれは当たり前です。

この時、新しく買おうとした時に、修理体制が無いと知ったら、

楽器は必ず、メンテが必要と、解ってきたとしたら、

あなたは安心して、新しい楽器購入しますか?

今までの二胡の業界というのは、この修理と保障ということが、全くと言っていいほど、考えの外にあった業界なのです。

また、二胡は雑音が当たり前と言ってしまうような楽器屋さんが、その程度の物を、いかにもという感じで販売していたというのも有ります。

これは、変ですね。

現実、先生方の持っている楽器や、

あるいは、中国旅行で、二胡屋さんで、そこそこの物を購入された方の二胡は、かなり健全に鳴っていましたから。

雑音が当たり前では無かったはずなのです。

にしても、二胡は、楽器として、まだ進化の途上に有ります。

出来上がって今の形になってから、まだ50年ぐらいなのですから、(8角形などはまだ40年です)

木の乾燥の問題や、気候の変化、或いは皮の張り方の問題、様々に有ります。

日本に二胡が広がって来てから、まだ、20年そこそこです。

二胡の知識もやっと正確につかめてきたところです。

この辺で、二胡の知識を正確に、広めていくのも、楽器屋の役割のひとつかもしれません。


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