二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

嬉しい事、続く時ってあるのですね。

2015-03-05 09:59:44 | ■工房便り 総合 
一番使ってほしいと思った人たちから、注文が来るというのは、本当に嬉しい事です。

「嵐風」中胡を弾く為の弓です。

物つくり、普通の物つくりの方はどうなのか知りませんが、

私は殆ど、作りたくて作った物と言うのは無いのです。

アーティストとしての才能の無い私は、かなり、しっかりした目的を持って作り上げていきます。

或は、依頼が有って初めて作業に入ります。

或はこういう人に使ってほしいと考えて作ります。

椅子であろうと、空間であろうと、楽器であろうと、まずはその機能が優先されます。

その機能を十分に生かしさえすれば形は自然に出来上がってくるものだと思っています。

福音弓そのものが、毛の張替えをしようと初めて、お客様に言われて張替えして取っておきたいほどの弓と言うのに出会える人はほとんどいないという事でした。

では取っておきたいほどの弓はとこの半年ぐらいかけて、自然の太さも硬さもバラバラな物をある一定の使い心地に、

そうですね、ある一定のです。

良い1枚の木から切り出して作るヴァイオリンの弓でさえ、形と重さと弾力と、最初から狙って作ったものでさえ、

そうとうばらつきがあります。

だからこそ、10万円の弓から1000万円の弓までの差が出来るのでしょう。

二胡の弓の場合、自然の竹のままですから、そのそれぞれの性質の差などと言うのは、ヴァイオリンの弓の差などくらぶべくもありません。

二胡友と弓の竹の硬さ曲り方だけでも比べてみてください。

弓を作っていて気が付いたのは、ヴァイオリン属の弓は、チェロもコントラバスも、重さも違えば長さも違い、更に毛の質まで違うという事です。

二胡系には、二胡、二泉二胡、中胡とそれぞれ弦の賦と棹楽器の大きさも違う物があります。

しかしそれを弾くための特別な弓と言うのはほとんどないようです。

中胡用の弓と言うのはわずかですが、在りました。

長く重たい、毛の量も多く太い弦と大きな蛇皮を鳴らすために作られたのでしょうが、そうとう使いづらい物です。

毛の質が今までの二胡と変わらないものですから、それを補うために毛の量も増やし、長さも長くしたという事でしょう。

そこで私としては、チェロの弓をモデルに、毛の質を変え、強い黒毛を混ぜ、

竹は、硬い物を選び先端だけを削り込んで、弾力を増し、先端の重さをしっかりと付けました。

手に取ってみて撓り具合も、重さのバランスも、チェロの弓と同じようにしてみました。

弾き方の違いを考慮して、長さは、普通の二胡弓と同じくらいにしました、本当はもっと短い方が良いのでしょうが、

今までの弾き方に慣れた人が多いでしょうから、長さは替えませんでしたが今までの中胡弓よりは5センチくらいは短いです。

この「嵐風』だけでなく福音弓は重さを感じながら弾いてください。

言い方を変えると、弾くのは弓に任せて下さい、弓の重さと毛の引っ掛かりが自然に良い響きを出すように作られています。

この嵐風の場合、今までには、中胡専用と言う弓が大変少なかったですから、その差が歴然と皆さんにわかると思います。

こんなやり方をしていますから福音弓は、1日一本きり出来ません。

この嵐風、こんどの日曜日から、光舜堂に置きます、中胡をお持ちの方、楽器と今までの弓をご持参して試して下さいませ。

尚、この「嵐風」そして二泉二胡のための弓「阿炳礼賛」は二胡姫さんからも発売されますが、

その時期は、たぶん4月頃???、これは二胡姫さんにお任せしていますから、二胡姫さんのHPにアップされるまでお待ちください。







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